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幕間、明周くんの周くん回収計画

お越し下さりありがとうございます。本編の余韻を台無しにする幕間ですが、広い心で読んでいただけると嬉しいです。

これは、王墓決戦直後のちょっとした出来事......。


魔女は去った。

自身の中の呪も本当に浄化された。

王墓に眠る、ご先祖方も解放された。


でも、周(あまね)は血を吐いて這いつくばっている。


どうしよう。早く治療してやりたいが、救護班を連れて来る為にはこの場に周(あまね)を置いて行かなくてはならない。


明周(あきちか)は王墓の冷たい石畳に目をやる。

駄目だ、傷ついた周(あまね)をこんな硬くて冷たい所に一人で残しておくなんて......。


周(あまね)を支えて王墓から出ることも可能だが。


この状態の周(あまね)を動かしていいものなのか?


試しに肩を貸して立ちあがろうとすると周(あまね)の吐血が増えた......。


もうパニックである。


そうだ!きっと......。

誰かがこの状況を察知して助けを寄越してくれる。


明周(あきちか)は思い出す。

王墓に入る前の爽(そう)と愁(うれい)の言葉を......。

ーー誰も近づかせないーー

そうだ、彼らは確かにそう言った......。


戦闘経験のない明周には吐血する人間を動かす事へのリスクが恐ろしすぎて何もできないのだ。


オロオロする事数分、明周はある事に気付いた。


肺は空気を取り込む器官だ。

ここに液体が溜まって良いはずがない!


肺が傷付いた者にとって、吐血はむしろいい事かもしれない!多分。


明周は周を背負い王墓の中をひた走る。

笑っちゃうくらいの鈍足で。


走る度に明周の背に押されて周の口から血が溢れるが、多分これは良い事だ。

とにかく今はそう思い込もう!


医者でも祈祷師でも、もうなんでも良い、きちんと周の状態が分かる者の所まで周を運ぶんだ。


べたんべたんと明周は走る。

硬い石畳を蹴る感触が足裏から膝、腰あたりまで伝わり身体の重心を揺さぶる、思った以上に走りにくい。


背中の周が何かしているようだがそんな事を気にしている余裕は、今の明周にはない。


意識の無い周を医者に診せるのだ。

明周は使命感に燃えている。


べたんべたん。

不意に左肩あたりがジワリと湿る。

と同時に周の手が明周の鎖骨あたりを軽く叩いた。

止まれと言っているのか?

こんな緊急時に......。

明周は立ち止まった。


次に鎖骨あたりの周の手が肩を後ろに押す。


振り返れと言っている?


だから自分は意識の無い周を医者の所まで運ばなくてはならないのに......。

何故邪魔をするんだ、周......。

混乱の極みにある明周が振り返る。


見渡す限りに広がる綿毛?大きな胞子?何となく肺に悪そうなフワフワがうようよしている。


「なんだコレは!」

驚愕する明周を置いてけぼりにして、背中の周が先程湿った感じのした明周の左肩を軽く叩く。

胞子たちが一斉に二人を取り囲み、まるで急流滑りのように2人を王墓入り口で待つ仲間の場所まで運んで行った。


あれほどに全く動かなかった景色がすごい速さで後ろに流れてゆく。

この辺りで明周は少し冷静になる。

あれ、周は喋れないだけで意識は有るのでは無いだろうかと。

明周の顔がみるみる赤くなり、そして青くなる。


王墓入り口にて


「何が、あったんだい?」

爽が困惑を隠せずに聞いた。

週一とか言いながら、ごめんなさい、堪え性のない作者です。

またのお越しをお待ちしています。

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