↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
87/98

周、帰還(王都)

もう少しお付き合いください

王墓出入り口周辺

ーーー歴代王族の功績に想いを馳せ、

その霊を敬う祭典ーーー


 唐突に催された、なんだか分からない、おごそかそうな行事。

首を傾げながらも王城の人々はこの行事に参加した。王都の住人も、見物ついでにご馳走にありつけると喜んでいた。

そこに幻想的なふわふわ綿毛とともに現れた、血まみれでアルカナ守護者を背負う王族の姿に、人々はにわかに騒然とする。



「はい、明周殿下!お忙しいところ、ご協力ありがとうございました。」

瞬発力の勇が大声で大雑把な誤魔化しを実行する。


「シュ、シュールな仮装有難うございます!叔父上、聖火殿、彼方でお休み下さい!」

若さだろうか陽光がそれに追随する。


この辺りでようやく大人たちの放心状態が解ける。


「さ、さあ皆さん、彼方で......。宴の準備も出来ています。」

何も知らない住人を現場から遠ざけて、現状が理解できる者を数名、明周たちの元に向かわせる。



なんか分からんが、美味しいものを食べて昔の王族の事を聞いて、騒げるならいいか......。

大半の野次馬はご飯の方に移動して行った。



ーーーーーー

自業自得だ、だから文句を言う気はない。

無いのだが......。困惑くらいはしても許されるだろうか?周は自分に問う。


「だから、何度も言っている。この子の身は私たちが責任を持って西の山まで運ぶと!」


「重体なのです。今動かすなんて自殺行為です!」


「え、このまま野晒し?」


「......一番近い王都の病院へお連れします。」


「それなら、城の医療室を開けよう。」


「いや、最新施設は王都の病院。」


「心の安寧なら西の山。」


「動かさないことを優先するなら、城より他の選択肢は無い!」


「「「さあ、周。選びなさい!」」」


皆の善意の押し売りが地味に周の回復力を削る......。


(だから、声が出ないんだ。

手足も動かせなくなってきた、これでどうやって意思表示をしろというのだろう......。)


誰かまともな人は......状況をきちんと理解して、これを収めることの出来る人はいないだろうか。

せめて私に筆談の手段が残っていれば......。周は次第に奪われてゆく運動能力を恨めしく思う。


不意に周は閃いた。


ああそうか。私が元気に見えるなら、

全部丸く収まるんだ。

これなら問題ない......。なんとかなる。


周は気を練る.......何も起こらない。


(えっ......動かせる気が無い......。)

体内に気が全く無い訳ではない、ただ生命をつなぐこと以外に使える余力がないのだ......。


気力は数分もすれば、ある程度は回復するものだと周は思っていた。

自分の気力は底無しだと......。


それが傲慢な勘違いだったと分かり周は目を白黒させる。


「だから、黙って我々に任せろ!」


「うるさい!いまだに、薬草とか言ってる田舎が。」


「近代医学の真髄を見せてやる!」


そうしている間にも口論は激化の一途を辿る。


「おーい!周がイラついてるぞ〜。」

唐突に勇の大声が聞こえた。

(え?私は怒ってなど。)


「魔女を退けたんだから、いがみ合ってないで労い合えってさ。」


結果

周は城の一室を借りて療養することとなった。


「お前って意外と自信家な。

俺だって自分の体力が無限とか、思ったことねーし。」


抱き抱えられた時、勇が周の耳元でささやいた言葉に、周はひどく恥ずかしくなった。


お付き合い頂きありがとうございました。

これにて一部完

後、短いのを一話投稿したら、幕間数話を投稿して二部に入ります。

よろしければもう半分もお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。