周とお姉さんのご飯改善計画
読んで頂ければ幸いです。
「出汁?」
聞き慣れない言葉に周は隣にいる生活感のない女性を見上げる。
「まったく......。おまえはものを知らぬな。
出汁とは食材からしみ出る旨味のことを言う。
試しにただの湯に味噌だけを解いてみよ。」
言われた通りに周は湯を沸かし味噌をとく。
「小皿にとって味をみよ。」
これもその通りに実行する。
「美味しいです。」
「そうか.......。では次にそこのきのこ類をこの味噌汁に入れよ。」
また言われた通りに実行する。
そして味見した周の大きな瞳がさらに大きくなる。
「どうじゃ?」
「さっきより、ずっと美味しいです。」
「出汁とはそういうものじゃ。」
本来は、味噌よりも出汁が先だが、今回は分かりやすく順番を変えたと。
昆布、鰹節、じゃこあたりが有名でこの台所にもあるはずなので、今から探せとの事。
周は素直にそれらを探す。
台所の奥のパントリーに、それらはきちんと保管されていた。
「そう、それじゃ。
次は新鮮な食材じゃな......。ついてまいれ。」
それらの扱いをさらりと教えた後、女性は外に出るように周を促した。
言われるまま台所から出て、畑に入る。
土がふかふかしていて変な感じだ。
「これ。ウネを踏むやつがあるか。低いところを歩くのじゃ。」
「あっ、ごめんなさい。」
「次にしなければ良い。」
「そこの茎の太い丸い葉っぱがでこぼことついたものを抜いてみよ。」
言われた通りに抜こうとするもまったく歯が立たない。
「なんと非力な。仕方ない我が少し力添えしてやろう。」
女性が周の背中に軽く手を当てるとふわりと身体が軽くなった気がした。
「抜いてみよ。」
「あっ、抜ける......。」
「明日からは自分で工夫してやるが良い。」
ではそれを井戸へ運べと言われ周はちょっとだけ嬉しくなる。
井戸は知っている、この前に詩ねえさまに教えてもらった。
ご機嫌で水を汲み桶に大根を漬けるとまた女性に叱られた。
「泥だらけの大根をいきなり水に放り込むでないわ。不埒者!」
女性の声に呼応するように、桶の水面がかすかに揺れた。
「もっと水を大事に使え。」
まずは少量の水を手に取って、桶の外で大根を洗い。
汚れていない手で、さらに水を取りあらかたの汚れが落ちた後に、もう一度食材をまとめて綺麗な水で洗えとの事。
(お水が好きなのかな?)
周は言われた通り丁寧に大根を洗った。
「こんなものか。
次はそれを持って台所に戻るぞ。」
「まな板と包丁を用意せよ」
女性の指導は続く。
昼時
「うわー今日の味噌汁うめー。」
「なんだよ一人でゴソゴソしてると思ったらなんか仕込んでたんだな?」
「一人?」
ご覧いただきありがとうございました。
これから先も、お姉さん時々いい仕事をしてくれます。




