第四話
「………今日の俺は一味違うぞ。」
全身にオーラをたぎらせ、俺はとある店に向かっていた。
「………一体何をするつもりですか、ミキト。」
ガシガシと大地に足を打ちつけながら進む俺を、シアラは不安そうに見ていた。手を組み、もじもじと弄っている。
「………ふっふっふっ!俺には素晴らしい計画があるのだ!」
そして、暗い路地を抜け、さまざまな店舗の並ぶ大通りを通過した先にあったのは、ギラギラ光るカジノだった。
「どこが素晴らしい計画なので?」
全力で顔を歪め、軽蔑の視線で俺を見る。心なしか声が怒気を孕んでいるような気がした。
「いや、あの、ね?ほら、ここで増やせばお金不足解消されるというか………。」
「………ただでさえお金不足なのに、ここですり減らすと?」
「大丈夫、大丈夫だから………。」
能力を使えば、多分大勝ちできる。なんてったって、神託は万能だからな。
『タロット盤の左から4枚目』
「んということで、俺はタロット盤に行くぜ。」
「本当に大丈夫なんですか………?」
「まあ見てなって………。」
そして、ゲームが始まり、俺は神託通りにタロットを引いた。ルールは知らないが、神託通りにすれば大丈夫だろう。俺がそのカードを引いたことで、配る人の顔がちょっとだけ変わった気がした。
「……このまま続けよう………。」
俺は神託に全てを任せることにした。
───そうして
「………あなた、豪運だったんですね。知りませんでした。」
「俺でもびっくりだよ。まさかここまで稼げるとは。」
俺たちの目の前には、とにかくいっぱいの硬貨が並んでいた。これだけあれば、当分は困らないだろう。
『金を半分捨てて、そこから立ち去りなさい』
「………え?」
喜んでいる俺たちの元に、そんな神託が飛んできた。わざわざこの大金を手放せというのだ。できるわけがないだろう……。
「よし、この金を持ち帰って、早速ご飯にしよう。ちょっと贅沢をしようか。」
その瞬間、シアラが金をひったくり、半分だけ引っ掴んで放り投げた。そして、戸惑う俺の手を掴んで、全力で駆け出した。
「おい……なぁ……?」
シアラは答えなかった。そして、十分にあの場所から離れたあと、ようやく口を開いた。
「………私は、何を。」
俺の頭の中に、声が響いた。
『シアラに能力を付与しました。能力名、代行:セルパン』




