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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
第2章(6年目)
599/609

572:いつもと違った演出

 あっという間にラストサビ。本来ならここで歌い切った後に、照明がバンと落ちて、ライブ終了の合図になる。

 ……けど、今回はそうはならない。田村産ともそれは打ち合わせ済みだ。

 曲が終わって、フィニッシュポーズを取っている私たちがステージ上でずっと照らされているのを見て、いつもライブに来てくれる人を中心にざわざわしている。

 翔稀、沙良。二人の狙いは完璧だったんじゃないの?なんて心の片隅で思いながら、少しの間、笑いをこらえる。

 ただ、翔稀が笑いをこらえきれずに、息を漏らした。それを境に私たちも笑いが止まらなくなって、マイクを通して笑い声が漏れた。

 だけど、それ以上は我慢して、このまま次の曲に行くことになる。

 今度は、〈ドリダン〉の優雅な雰囲気から〈流星〉の壮大な世界へ一気に連れて行くから、ここでMCを挟むと完全に雰囲気が変になるね。って話したことも関係していたりする。

 正直、私もこっち派の人間でもある

 MCを入れすぎるのもどうかと思うしね。

 本来なら、〈仮面舞踏会〉と〈ダンスショー〉の間もMCを入れる予定はなかった。

 ただ、あまりにも曲続きで疲れがたまるから、ちょっと入れるかって話になるだけ。

 少し逃げたか?と言われたら、逃げたって言っていいと思う。だけど、良いパフォーマンスをするため。と思ったら、許されるよね?

 そんなことを言ってる間もなく、イントロもそこそこに私からの歌いだし。



  さわやかな風に吹かれ 長い髪が流れる

  空を見上げると星空が広がる

  今宵は年に1度しか流れない

  ペルセウス座流星群が流れるとのウワサガ溢れてる



 歌詞も綺麗で、季節も十分。歌詞の中にある『ペルセウス座流星群』もちょうど今のこの時期。

 これだけ時期が合えば、もんくひとつ言われないと思う。

 まぁ、曲中の流星群を、その時期に流れるものに変えたらいいだけなんだけど、面倒じゃん?それに、文字数だってきれいに入らないときだってあるし、余るときだってあるし。それはそれで間違いの元じゃん。だから、この曲に関しては、この時期限定で流れる『ペルセウス座流星群』で固定している。

 壮大な世界を見上げるのもいいよね。なんて思いつつ、このままサビを亜稀鑼とのデュオでこなしていく。


 正直、ここまできれい長流れで来ることができるとは思っていなかった。それほど、ミアシスの曲が増えてきたということだろる。

 今までは、どこかシナリオが繋がらないところがあれば、無理やりMCを入れて埋めていたところが、曲で埋めることができて、ミアシスの魅力が増した。そんな気がする。



  放射線状に広がるペルセウス座流星群

  見る人を驚かせてはすぐに消えていく

  無数に360度見渡す限り流れ星

  宇宙(そら)のショータイムのフィナーレが近づいてる



 ここの、正直、映像を間に合わせたかったんところ。背面全体に流れが近づいてくるような映像を沙良に作ってもらいたかったんだけど、まぁ、要望するのが遅すぎたよね。

 沙良に「そんな盛り込まれたらライブに間に合わんわ!」と一蹴され、計画は立ち消えた。

 とはいえ、今後のために作ってくれてはいるありがたい限りだ。そんなことを思いつつもまた亜稀鑼とのデュオサビがが回ってくる。


 そこも綺麗に歌いきり、今度は掛け合い。ちょっと楽しくなるのはいつものことで、今回も、掛け合いのとき、簡単な振り付けがあるんだけど、それで少し遊ぶのが亜稀鑼とのブームになっている。

 とはいっても、どっちの方が振り付けの中で手を高く上げられるのかってのをやってる。

 まぁ、160センチの亜稀鑼と170センチの私が遊んでいる。……言われなくてもわかると思うけど、毎回、私の方が圧勝だからね。

 まぁ、そんな遊びをする前に、ライブに集中白ということがあると思うけど。

 そんなちょっとお遊びを超えると、あっという間に壮大なラストサビ。一気にパッと司会は広がるのと同時に、私たちも普段よりステージを大きく使う。

 ダンサーたちは私たちを見せるために、いろんな引き出しを使って楽しませようとしてくれる。本当にありがたい存在だよね。

 そんなことを思いながら、なんて思いつつ、最後まで私もメンバーに負けずに踊っていく。



  ピークを越えて星の数が激減する

  それでも流れ続ける流れ星

  ついに消えた流星群

  これにて宇宙のマジックは終了

  あとは定期公演をお楽しみください



 きれいに歌う終わって、フィニッシュポーズもとるけど、ここもMcはなし。そのまま次のパートに入って行く。

 このパートはほんのわずかだけど、私たちの煌びやかさを目の当たりにしてくれるんじゃないかなって思う。


 静かに前奏が入り、一気に飛び出したくなるのを我慢。

 飛び跳ねるのは錆び身体から、ちょっとくすぐったいところもあるけど、曲が流れ出した瞬間の歓声は、心に響くものがあった。

 でも、正直、これだけじゃ終わらないと思う。

 楽しませる努力は惜しまないし、セットリストを考えてくれたダンサー陣の気持ちにも応えたいと思っているところがある。


『始まるまでもう少し 夏祭りまで』


 沙良由佳の短いメロディーラインだけど、一瞬で情景が浮かぶ。

 この衣装も浴衣だったら完璧だったのになぁ。なんて思うのはもちろん、わがままで着替えるよりストーリーを進ませた方がいいだろうというダンサーたちの意見を受けて、ちょっと不本意ながらもMCなし、着替えなしのこの舞踏会ドレスで挑んでいる。

 それでも、なんだかんだ映えてしまうのはなぜだろうか。なんて思ってしまう。

 この曲、和風のはずなのにね。

 そんなことを思いつつ、少し大きく動く錆びを抜け、また少しメロディーラインがしずかになるけど、またサビで大きく動く。


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