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【連載版】妖魔転記—転移者の冒険記録—  作者: 華邨りい
【参】“向かうは帝都、次の道へと”
21/25

よりみち/レル視点 “セトラって何者…?”

本編とはあまり関係のないレル目線の話です。

時系列的には3-1のちょっと後です。

「伊戸、起きてー?」


朝、1番最初に起きたのはセトラ。

『メタノアス』攻略から1週間とちょっと。いつもの日常が戻ってきた。


「おーい伊戸、起きてってばー!」


セトラは伊戸を起こそうとしてるけど、いくら呼びかけても伊戸は起きない。

少し頬を膨らませながら、セトラは部屋を去って行った。

     ≠≠≠

宿屋のロビー。セトラは其処にある椅子に座り、考え事? をしていた。


………其れを見つめる影2人(・・・)


「い、良いんですかねぇ‥?」


「良いの! 私はセトラの正体を知りたいんだから!」


……そう。ルトと私である。

一応主犯は私。寝ていたルトを叩き起こし、セトラを付けてた。


「『人成らざる人に成った』で分かる訳ないじゃん!

 セトラは何かを隠しているんだよ!」


正直ルトは乗り気じゃぁ無い。

私が無理やり連れて来たから。


すると、セトラが突如として立ち上がり宿屋から出て行った。


「あっ! ルト、追いかけるよ!」


「は、はいぃ…。」


私たちは宿屋を出ると、すぐさま物陰に隠れ、セトラの偵察を再開した。


…セトラ、何処行くんだろう?

何処かに向かっているみたいだけど…。

     ▶︎▶︎▶︎

「此処って…」


セトラが向かっていたのは『ロスフォレス平原』。

『メタノアス』があったとんでもなく広い平原である。


「此処で何するんだろ…? セトラ…。」


すると、歩いていたセトラの動きが機械のように()()()()

刹那、セトラの上空の2種類の()が出現した。


「アレってぇ…」


球…其の正体は『火球(フィアボール)』『冰球(アスボール)』だった。

そして、セトラは其の2つを()()()()()()


「〜二重詠唱〜

火球(フィアボール)』+『冰球(アスボール)』→『弱霧分結(じゃくむぶんけつ)』。」


「に、二重詠唱!? しかも別属性同士をぉ!?」


二重詠唱の光景を見て、ルトが勢いよく叫ぶ。

二重詠唱は超高難度…こうなるのも自明だった。


#二重詠唱#

2つの魔術を同時に詠唱し発動することで1つの魔術とすることが出来る。

基本は同属性で行う超高難度術だが稀に別属性で行う者もいる。

別属性で行う場合は難度が跳ね上がる。


そして、二重詠唱で作り出した魔術は通常の魔術を比べると其の威力は絶大。

容易に一定箇所を滅ぼすことが出来ると言われている。

ただし、消費魔力も無論絶大。通常の10倍以上を喰う。


そんな魔術を発動するセトラは本当に一体何者…?

という反応を見せてた私たちは理解が及ばず、混乱状態だった。


そんな状態の私たちを裏腹に、気づいていた(・・・・・・)セトラは小さく笑っていた。

     ≠≠≠

「はぁ〜…。」


此処は宿屋のロビー。

セトラの追跡は諦めて、結局戻ってきたのだ。


「ため息ついて、どうしたんだレル?」


私が宿屋に帰った時、伊戸はすでに起きていた。

何処に行っていたのか問われたが誤魔化した…。


「結局……分からなかったなぁ。」


「ん? 何がだ?」


伊戸、耳良くない? 私小声で呟いたんだけど…。

まぁ、いっか。次の機会を待とうかな。

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