池場五郎
「やれやれ…おいちゃんも歳なんだがなぁ」
「制圧射撃開始!!」
ズガガガガ!!!
銃撃の音を合図にか地面から壁が出現。
「ねぇ池場さんだっけ?あの人向けの能力って言ってたけど勝率は」
「ねぇよ、とりあえず敵軍減らせたらそれでいい」
「そんな…」
「そもそもあの人らは言ってたろ?俺らの死に場は戦場ってな」
「それでもね」
「それによ、あの人らは後に残す物も無いんだ。せめてこの出来事を終息させる為に尽くした人達って肩書きくらいは」
「あなたは?妻と娘が居るんでしょ?」
「まぁな。だけど今は私情を挟んでる暇は無い。敵勢力を1人あたりどれだけ削れるかだ。」
御母衣兄弟はよくやってくれた方だ。
戦力は半分以上落とせたと思う。
しかしだ。何故か爆破に、銃撃に巻き込まれても死なない指揮官のせいで勢いは収まらない。
「後退!後方部隊前進!っ?!やはりのその能力は厄介だな」
銃撃が一旦止んだ。
「へっ!その程度か」
「騒がしい男だな」
「俺の妄想力舐めるなよ?歳老いても素人の数倍は考えれるわい!!」
「能力持った途端に調子に乗る。やはり男は醜いな」
「差別主義者がトップじゃ廃るもんも廃るなぁ。そうだ、これ終わったらお前ら使って小説書いてやるよ」
「ほぅ、生きてたらの話だがな」
「俺の能力見てわかるだろ?降参するなら今のうちだぜ」
「ほう?なら住居区をあんまり壊すなと司令が出てたから抑えていたが。取っておきを味あわせてやろう。」
「取っておきって指揮官さんのヌードかい?それなら破壊力ありそうだな」
「っ!!貴様ァ!!第2兵装使用許可を出す。制圧射撃かいっ」
無音。
そして敵兵は苦しもがき始める。
「どうだい?音の無い世界は。指示も出せず。それに空気が無いんだぜ」
「あの人最初出れば良かったんじゃない?」
「馬鹿言え、あの人は一度に何個もの情報を処理できるが。その事前情報をその分入れる必要があるんだ」
「つまりイメージする空間を作る為の時間が必要なの?」
「まぁそういうことだ。お前仮にも作った人だろ…」
「研究段階でまだ試してないやつだったのよ」
「なら今のうちにデータでもとっとけよ」
「いいのよ、こんな物無い方が幸せでしょ?」
「まぁな。ってかそろそろ池場さんのデメリットが出始めるが、どうなるか」
傍観者と言われても仕方ないかも知れないがしょうがない。
結局猛者ってのはそれぞれの戦い方があるもんだ
下手に割り込んだら巻き込まれるか足でまといになるだけだしな。
それに生きる価値を失った老人達の最後の見せ場だ。
「デメリット?」
「ネタ切れってやつだ」
「さっきの空間をひたすら継続すればいいんじゃないの?」
「能力ったって体への負担は計り知れない。それにあの人は思考能力の向上みたいな能力だ。」
「そうだったわ…」
案の定と言ったら悪いな。
だがそうだ。
「っ?!」
池場さんはフリーズした。
「ゼェゼェ…」
敵兵はようやく肺に入る空気に生を感じてるが池場さんは死を語ってるかのように動かない。
「池場さんあんたは頑張ったよ」
「くっだが所詮はその程度か!あと数分やられてたらキツかったがなぁ」
「…とにそうかい?」
「まだ生きてるとはしぶといな。また使われる前に始末しろ!」
ズガガガガ!!!!
「─────────!!」
グシャッ!!
最後に池場さんが何を言ったかは分からない。
だが悪くない死に様だったと思う。
地面から突き出た無数の牙の様な何かが敵部隊を、敵の兵器を破壊し尽くし。
それが池場さんが崩れると共に消え付近に穴あきの死体残骸が散らばる。
「っ…」
「意外と冷静ね…」
そんな震えた声で喋るな…
「冷静に考えなきゃやってけない。叫びたいし。泣きわめきたい。だがそんな事したらここまで背負ってきた奴らを落とす事になる。」
「そうね…ごめんなさい」
「まぁその前に俺があの人達追いかける羽目になりそうだがな」
現に自分を含めて戦力は3人。
今頃は匿名3号を筆頭に逃げた奴らは平和に過ごしてるだろうな。
ここは敵の兵器のせいか端末が繋がらない。
シェルターが安全とも言い難いから安否確認を取りたかったんだがな。




