兄弟
俺は後方支援にまわった。
自動式の警備ロボに自分から出したワイヤーで指示を送り援護する形だ。
「まずは俺達双子の腕を見せちゃる」
と言って最前に出た御母衣さん達が上手くやってくれるはずだ、あの二人は兄貴の皆人が水を操り、弟の六斗は温度を操る。
さてさて、そんな俺らに暇を与えずか。奴らが来た
国境にも近い無人地区を自動戦車と装甲車に乗った兵士達を連れてな。
「ハルイキミナ及び稲味伊音を解放せよ!!」
指揮官らしき女がほざいた。
「どうせ渡したってワシらを殺すんじゃろ?」
俺と稲味のいるビルにまで響く声で兄の皆人が叫んだ
「いや、老い先短い老人を斬るほど廃れてはおらん。刃向かって死んだと上に報告して見逃してやろう」
「んだと…下に見やがって!」
弟がキレた。まぁ当然だ
「とりあえず2人の無事を確認したいな」
予定どうり死体を投げ捨て煽るか、
理解のありそうなあの指揮官を下ろして連れてき
そこで不意をつき人質を増やすか…
「あのハルイと言ったかなそいつならうるさいから始末したんじゃがなにかまずかったかのぅ」
「な…」
指揮官絶句、
「お前ら!全員戦闘体勢!!!殲滅開始だ」
指揮官激怒、
こっちだってキレたいわ
「よーしおじちゃんら本気出しちゃうぞ!!」
「てめぇらのした分落とし前つけてもらうぜ」
「撃てぇぇ!!」
水が舞い瞬時に凍りつく
息の合う合体技だ。
「くっ…男の能力者だと!?」
指揮官は苦しむ表情。
「お、雨が降ってきたぜ!神はワシらに味方したのぅ!!」
「よーしこのまま温度を下げりゃ」
降り注ぐ雨が凍り天から槍が降るが如く降ってくる。
「怯むなぁ!能力なんて所詮飾りだ!攻撃を続けろ!」
砲撃、銃撃、全てが彼等に当たる前に落ちる。
だが俺の操ってるロボットの銃撃は当たる。
こっちは優勢だ。
「しょうがない、空気砲、電磁砲の使用許可を出す」
なんだそりゃと思ったがすぐわかった。
キュィインと言う耳障りな音と共に衝撃。
ロボット自体は動くが調子が悪くなった。
そして空気砲が双子を飛ばす
「ぐっ…こうなりゃ」
ジュッシュゥゥ
嫌な音がする。
「おい、六斗!!さっきから下げてばっかなんに急にばぁー上げたら負担がおっきいぞ!!」
体温を下げ凍結、体温を上げ炎上、ぱっと見ると最強だろうが下げ過ぎりゃ凍死するし、上げすぎりゃ大火傷
そんな事知るかと上げ下げをする弟六斗さん。
「ぐぁっ…ゲホゲホ。兄貴ぃ俺が突っ込む、俺に向けて出せる限りの水流を集めてくれ」
「そ、それは」
「俺ら死ぬ時は戦場だろ?」
「だったな…すまん俺もスグ後を追う」
俺らはどうもできない、下手に出れば巻き込まれるだけなのは知っている。
中堅と言わんばかりの3人の老人もまた同じ顔立ちだ。
目だけで俺らも追うぞと。
「うぉぉぉぉ!!!」
「ひ、怯むな撃て!!」
そうはさせない、俺が操るロボットのおかげもあり普通に六斗さんは辿り着く。
「なぁあの世は男女争ってねぇよなあ!先に行くぜ」
「あぁ、あの世で義姉と仲良くな!俺もすぐ行くけどよぉ」
もう指先は黒くなって隙間から赤が覗いている。
水球が六斗さんを覆う、その瞬間表面が凍る。
「ま、まさか。早くあの氷を割れ!!」
指揮官、感がいいな。氷内の圧力はどんどん上がるぜ
「そうはさせない!!」
飛んでくる弾は時々強くる雨に落とされる。
いや、落としているが正しい。
「どうやら、出来たみたいだな」
ピキっなんて音は聞こえない。
ブォッ!!とかそんな感じか?氷が凄い勢いで敵軍の方向へ飛んでいく。
「装甲車前へ!!」
指揮官の咄嗟の判断で自動運転式の装甲車が兵を覆う
しかし、追撃の熱波。
赤い液体も一緒に飛び散った。
「六斗、弟の癖にいっつも俺らより先だよな。」
敵軍が兵を整える最中、六斗さんへの思いを告げる皆人さん。
「普通、兄を追うのが弟なのにな…唯一先越せたのはなんだろ。何もねぇな」
「撃てぇー!」
半分も減ってないがさっきの分は相当効いた様子だ。
「ふふふふ…ふははははは!!!!!」
全弾命中とは行かないが皆人さんは穴だらけになった。
稲味が横でくっと顔をしかめた。
「俺ら…俺らを舐めるな…貴様ら相手に無駄に死ぬなんてしないさ」
水流が皆人さんへ集まる。
疲弊を浮かべる敵兵に恐怖が写った。
「昔よぅ、六斗と修行してドラゴンになろうってふざけた事あるんだよ。結局どっちもなれんかったけどな」
「充填出来たか?!!撃てぇぇ!!」
また電磁砲と空気砲が撃たれる。
「ぐぁっ…ゲボっ…俺が人生で2つ、産まれた事とドラゴンに成れた事、最初と最後それだけ越せてりゃいいか」
「何故死なない?!!あんなの情報に無かったぞ!!」
「ウガァァァアァ!」
敵の車両を踏みつけ、薙ぎ払う水龍。
しかし数分と経たず龍が消えドサッと皆人さんが地面に落ちる。
「きょ、脅威は去ったぞ!進ぐ!?!」
「御母衣、よくやった次は俺が向かう番かな」
地面から牙の様なものが突き出て指揮官が停止命令を出した。
池場五郎さんだ。能力は想像の範囲の、創造。
と言えば聞こえはいいが視覚範囲内の法則無視の方が正しいのか?
つまり見てる場所なら石を金にも変えれるしかし視覚内、しかも想像し続けなければいけない。
池場五郎さんは1人で5つもの謎を理解し解ける程の想像力を持っている、だから適正ではあるが───




