七日間の旅 9
それから三日間特に何事もなく過ぎた。
いや、本当になにもなくてびっくりだ。
夜盗とかにも会わなかったし魔物もいなかった。
順調に過ぎてったんだよね。
あとラットさんが明日にはつくだろうとみんなに言ってたからこの野宿ともおさらば。
お風呂入りたいよ。もう本当に。
私とカミウさんとカインが今日の夜番だ。
私は、火を見ながらぼんやりしていた。
カミウさんは、木に寄りかかって目を閉じてる。
「クルスとあの銀髪の人以外って獣人なの?」
ぼやけていた頭がすっと冷えた。
今まで触れなかったのに、なぜ?と思いながらカインをみる。
「....クルスって本当に変だけど不思議だよね」
「失礼な。」
「あ、いや、ごめん。そうじゃなくて...なんかクルスって何をしていてもクルスだからで済むような感じするんだよ」
....馬鹿にしているのだろうか。
カインは、へにゃりと笑った。
「なんだろう。ほだされるっていうか。
猫みたいでつい触れたくなるんだよね。」
「....カイン、眠いなら寝たら?」
なに、いってるんだか分からないんだけど。
「マインさんにね、クルスを引き抜けたら引き抜けって言われてるんだ。
でも、クルスは嫌そうだからやめるね」
「....あぁ、うん。ありがと」
「本当にクルスって変だね」
クスクスと笑ってカインは、膝を抱えて眠り出した。
....馬鹿にしているのだろうか。
もういいや、めんどくさい。
カミウさんが小さく笑った声がして眉間にシワがよる。
なんなんだ、本当にもう。
朝になると馬にあいさつしに行く。
カミウさんはカインを馬車に寝かせるらしい。
夜に運ぶと私一人になるから出来なかったんだそうだ。
やだ、カミウさんイケメンと思った。
いや、うちの班私以外美形だけどさ。
フードしてるとただの怪しい集団だなって思うんだよね。
「おはよう」
二頭は、今日は立っていてちょっと首を下げてきてくれる。
この子達とは今日町についたらお別れだ。
向こうにいる乗り合い馬車の人達に引き渡すらしい。
まぁ、そうだよね。
ちょっと寂しいなあ。
「クルス、馬繋ぐか?」
「うん」
カミウさんに一頭任せて馬を馬車に繋ぐ。
三日の間に慣れてしまったからパッパッて手際よく終わらせる。
「クルス、すまん。出来るか?」
おぉ、カミウさん意外と不器用なのかな?
「大丈夫」
パッパッと繋いでいくとカミウさんは、感心したようにうなずいた。
「手慣れたものだな」
「三日間やったからね」
「なるほど」
カインは、まだ寝ているらしくリアさんが自分の外套をかけてあげていた。
リアさんは、猫の獣人らしい。
ハイガが言ったように首輪をつけていた。
「おはよう、リアさん」
「....おはようございます」
みんなにも挨拶して昨日焚き火した場所の後片付けをする。
そして、魔洞窟へと向かう。
「ラットさん....」
「なんだ」
「私ってそんな変?というか猫っぽい?」
「....まぁ、確かに変だな。色々。猫といわれてもそんな猫っぽくはないな」
「....変なのか」
地味にショックを受けながら御者台でぼんやりする。
「眠いなら寝ろ。町につく前に起こしてやる」
「ん、ありがと」
そのまま目をつむるとあっという間に眠ってしまった。
どうやら、眠かったらしい。
前は、寝なくても平気だったのに。
肩を揺すられて起きるともう少しで町につくあたりだった。
「....おはよ」
「あぁ、もうつくぞ」
「うん」
んー、と伸びをするとバキッといい音がした。
ちょっとすっきりする。
「ラットさん、門番いるけど身分証とかあるの?」
「いや、乗り合い馬車だから大丈夫だ。
中入ってすぐに馬車を止める場所があるらしい」
「へー」
門番を素通りして右に曲がると広場みたいな場所がありそこに何故かマイスさんがいた。
馬車を止めて御者台から降りるとマイスさんはこちらに寄ってきた。
「お疲れ様です。ギルドで待ち合わせでは?」
「いや、すまない。カインとリアが心配でな。」
「そうでしたか。中にいますよ。
私は、乗り合い馬車に説明をして来ます。」
「あぁ、私からも伝えておいたから大丈夫だ。もう一度なにがあったか話してくれ」
「分かりました」
ラットさんがマイスさんが話すときだけ敬語になるからちょっと微妙な気持ちになる。
敬語なのに敬ってる感じがしないし。
「こんにちは、クルスちゃん」
「こんにちは、マイスさん」
マイスさんは、厳ついけれど怖い感じがしない。
でも、なんか嫌な予感がするんだよね。
多分、なにかあるんだろうな。
「クルス、冒険者になるんだって。マイスさん」
馬車の閉じ板を外すとカインが下りてきて言った。
まぁ、いいやと思いながらみんなが降りるのを待つ。
「そうか。君には恩があるし良ければ面倒をみよう」
「いえ、大丈夫です。お気になさらず」
ターラさんが最後に下りてきたのを確認してざっと中をみてラットさんが来るのを待つ。
「そうか。まぁ、なにかあれば頼ってくれ」
「ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀してハイガの後ろに隠れた。
「なんかあったのか?」
「いや、なんか嫌な予感がした」
「ふーん」
ハイガがぽんと私の頭を撫でて前を見た。
なにもなきゃいいけど。
ラットさんが戻ってきてマイスさんとなにか話した後にみんなで移動した。
今日は、ギルドでカードを作って宿に泊まる。
みんなフードは、外さないらしくなにか警戒したように歩いていた。
まぁ、嫌な予感はしてるから警戒はあった方がいいんだろうな。




