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世界は不条理で出来ている  作者: 高遠
第一章 始まりのはじまり
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七日間の旅 8

マイスさん達が馬に乗っていき私は、ラットさんの隣でのんびりしていた。

御者台には、初めて乗ったけど高くて気持ちがいい。

にしても、昼に盗賊夜野宿っていうハードなやつにびっくりだ。

いや、別に平気なんだけども。

馬車っていいなあ。

馬はかわいいし、風が気持ちいいし。

歩かなくていいっていうのもいいし、雨風しのげるのもいいね。

盗賊とか魔物に気をつければいいし。

あと、イスを改良したいな。

せめてクッションほしい。


夜になる前に馬車を止めて焚き火の準備をする。

手慣れた様子のリアさんの手元を興味深く見ているとカインが来た。


「クルスも冒険者になるの?」

「うん」

「自分と同い年の子がわりと多いからきっと楽しいよ」

「ふーん」


むしろ遠慮したい。

君、馬車では大人しかったのになんで今テンション高いのさ。


「でも、クルスはいいね。

テイマー持ってるなんて羨ましいよ」


....なるほど、だからか。


「昔から好かれるだけだし持ってるとは限らないよ」


ちょっとなんていうか....めんどくさいな。


火をつけたリアさんは小さい木をくべ始めたので手伝う。

リアさんが私を見てからカインをみてまた視線を下げた。


「クルスって偏見ない人?」


カインが不思議そうに私を見た。


「まぁ、ないけど。」


する意味が分からないしね。

フードを外しているのは私とマグリスさんだけだ。

みんなは、乾物を取り出してなに作るか相談している。


「じゃー、マイスさんと同じなんだ」

「マイスさんも?」

「うん。今の亜人の扱いは不等だって言ってた。リアも獣人なんだよ。」

「へー」


リアさんを見ると相変わらず下を向いていた。

カインは、火の近くにはいるけどマインさんには近づかない。

なんとなく、モヤッとしてラットさんのいる場所に移動した。


「火ついたけど近くにはよらないの?」

「まぁ、あのリアってのが厄介だからな」

「なんで?」


ハイガは、干し肉をくわえていった。

でも、リアさんから嫌な感じはしなかった。

なにかあるのだろうか。


「首輪だよ。あいつには、盗聴の首輪がついてる。」

「....気付かなかった」


首輪なんてしてたんだ。

つか、首輪って....せめてチョーカーとかにしてほしい。


「あの火の範囲は盗聴の範囲内だからな。

あまり、しゃべらない方が楽だぜ」


ハイガは、少し眉にシワを寄せていた。

あまり、関わってほしくないのかもしれない。


「クルス、乾物なにがいい?」

「なんでもいいよ」

「なら、ルイの実ね」


ターラさんがくれたのは、葡萄っぽい色のドライフルーツだ。

でも、大きくてリンゴっぽいんだよね。

味は、葡萄とマスカットの間の味。

そこら辺にルイの実がなる木があるらしくカミウさんとマグリスさんは、普通のやつをかじってる。


「ありがとう」


ラットさんは、ハイガの隣で干し肉をかじりながら肩を叩いている。

....なんか、サラリーマンみたいで面白い。


「クルスー、リアがスープ作るけどいるー?」

「いらなーい」

「周りのひとはー」

「いる?」

「いらねー」

「いらないってー」

「わかったー」


少し離れてはいるけど、そんな声張る必要ないと思うんだけどなあ。


「クルス、あの子苦手なの?」


ターラさんがきのこを食べながら聞いてきた。

美女にきのこってなんか面白いな。


「んー、ちょっと苦手。

なんか、へんな感じするんだよね。」


探りをいれてる感じじゃないんだけど。

油断はいけないって勘は言ってるしなあ。


「...お前なんで、人にはできて獣人には出来ないんだよ」

「知らないよ、直感だし」


ハイガの呆れた顔から視線を外してルイの実をかじる。

....あまい。


夜番をハイガとマグリスがすることになり他の人は馬車のなかで寝た。








翌日、朝早くに起きると馬を見に馬車から出た。

ハイガとマグリスにおはようと言ってから木に繋がれた馬に近寄る。


「おはよう」


脚を畳んでいる馬と立っている馬に声をかけると小さく鳴き声が返ってきた。

二頭の鼻を撫でながら癒される。

生き物ってかわいいよね。


「なつかれてんなー」


ハイガが近寄ってきて立っている馬の鼻を撫でた。


「動物には昔から好かれるんだよ。

犬とか猫とか鳥とか」

「すげーな」

「そう?」


軽く首を撫でると立ち上がって馬を馬車に繋げる。

すんなり立ち上がってついてきてくれるから本当に頭が良いんだなあと感心する。


「すげー、あっさり繋ぐな」


ハイガも馬を繋げながら少し感心したように言った。


「昨日、外すとこ見てたから。

わりと簡単でびっくりした。」

「まぁ、鞍つけるよりは簡単だよな」


雑談しつつ戻るとラットさんが下りてきた。


「もう、少ししたら出るぞ。」

「馬は、繋げたから大丈夫」

「そうか、助かった」


ラットさんは、伸びをしてから御者台に向かっていった。

多分、確認のためだろう。


「クルス、おはよ」

「おはよう、カイン」


みんな馬車から出てくるとまず伸びをするのがなんか面白い。


「ターラさんたちもおはよう」

「おはよう」


みんなずっとフードをしているの邪魔にならないのかな?

寝るときもはずさなかったし。

私も寝るときはフードしたけど。

寝顔とか見られたくないし。


しばらくして、また馬車に戻り私は、御者台に登った。

朝の空気が気持ちがいい。

今日は、何事もないことを祈る。

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