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世界は不条理で出来ている  作者: 高遠
第一章 始まりのはじまり
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七日間の旅 7

更新遅れてすみません。


御者のおじさんの悲鳴と共に馬車のスピードが落ち、やがて止まった。

地味に寝続けているラットさんを揺すると目を開けた。


「なんか、盗賊に襲われてるみたいよ」

「....なぜ早く起こさない」


ラットさんのため息と周りの微妙な空気がちょっと面白かった。


「貴様ら降りてこい」


黒い布をまいた人が固い声で言った。

板は、外してくれないらしい。

降りれなくないか?

手際が悪いんだかなんなんだか。


「板はずさなきゃ降りれないよ?」


出来るだけ子供っぽくいうとハイガとマグリスさんが吹き出すのが聞こえた。

にゃろう....覚えとけよ。


それを侮辱と取ったのか声を荒げながら板を外して男が入り込もうとした瞬間槍のお兄さんが蹴り落として降りた。

弓のお兄さんとフードの人達も降りていった。

そして、悲鳴と争う音がしだした。


ラットさんに耳を塞がれて驚いた。

これくらい別に平気なんだけど。

訝しげに上を見上げると微妙な顔をしていた。

あぁ、子供を装ったと思ってるんだ。

そんなんするわけないじゃん。

油断を誘っただけなのに。

しばらくして、手をはずされて息をついた。

ハイガ達は外を見に行ってしまった。


「私、年齢ばらしたけど?」

「....早く言え。子供を装ったかと思った」

「ごめんごめん」


窓から外を見ると馬がいた。

ちょっとびっくりした。


「お、おぉ....馬だ」


おっかなびっくり触ると大人しく触られている。

わぁ、かしこい、大人しい、かわいい。

鼻の辺りを撫でると目を閉じて少し押し付けてきた。

やばい、かわいい。


「かわいい」


ぼそりと呟くとラットさんも小さく頷いた。


「人懐っこいみたいだな」

「馬って臆病じゃなかったっけ?」

「あぁ。だが、それぞれ違うから臆病ではない馬もいる」

「へー」


しばらく馬と戯れていると馬の近くから槍のお兄さんが出てきてのけぞる。

案の定椅子から落ちた。


「なにやってるんだ」

「大丈夫か?」

「クルスったらドジね」


ちょっと、ターラさんひどい。

頭をさすりながら起き上がるとラットさんの手に掴まって立ち上がる。


外を見ると馬が槍のお兄さんに頭突きかましていた。

ブルブルいってんだけど。

あの可愛らしさは、どこへ?


「おーい、おいでー」


徐々に離れてい馬に声をかけると近寄ってきた。


「本当になつっこいねー」


鼻を撫でながらいうと槍のお兄さんが馬から距離を取りながら近付いてきた。


「先程はすまなかった。

にしても、すごいな。テイマーでも持っているのか?」


テイマー?と首をかしげてラットさんをみる。


「魔物や動物を使役できる能力だ」

「へー。でも、昔から動物には好かれるしなあ」


家にいるペットとは、みんな仲良しだし。

馬から離れてまだ少し痛む頭をさする。


「少し手伝ってくれ。馬が暴れていてな」


蹴られたら死ぬなと思い少し考える。

まぁ、ハイガいるし大丈夫か。

頷いてから馬車の外におりる。

わぁ、地面血まみれだ。

少し眉をひそめてから前を見るとハイガが馬に乗っていた。

なにしてんだ。

マグリスさんは、馬からじりじりと逃げていた。

なにしてんだ。


「馬車に繋がれた馬が興奮しているらしい」


ラットさんが降りてきていった。

なるほど、馬車の方か。

前の方に歩いていくと別に暴れていなかった。


「なんともないけど。」

「いや、さっきまでバタバタしていたんだが....」


弓のお兄さんがおかしいなあと頬をかいた。

槍のお兄さんも苦笑している。

馬の足下は抉れているし多分本当なんだろう。

手を伸ばして首を撫でると頭を下げてすりよってきた。

人懐っこいなあ。


ラットさんが触っても嫌がらなかった。

多分、血の臭いに反応しているんだろうとあたりをつけて馬から離れる。

1頭の馬が私に近寄ってきた。

多分、馬車の窓にいた子だ。

首にかかっている綱をひいて歩く。

普通についてくるなあ。


「あれ、クルス馬乗るの?」


馬から逃げてきたらしいマグリスさんに聞かれて首を横にふる。


「馬乗れないし無理」


綱をマグリスさんに渡すと微妙な顔をされた。


「僕も得意じゃないんだけど」


でも、馬どうするんだろう。

四頭いる馬はみんな大人しくしている。

ハイガは、楽しそうに乗馬してるけど。


「この馬ってどうするんですか?」


槍のお兄さんに聞くと売るという答えが来た。


「はあ、じゃー、どうぞ。」


綱をマグリスさんから槍のお兄さんに渡すと小さく馬が鳴いた。

不満だといっているようで少し面白い。


「御者さんは?」

「死んだみたい」

「そうなんだ。じゃー、御者出来そうなのは....ハイガか」


大丈夫かなあと不安がよぎる。


「御者は、私がやる。タイグ殿とは話をしたから大丈夫だ。」


つまり、馬車は私たちに。

馬は、冒険者さんたちにってなったらしい。


「じゃー、横座っていい?」

「あぁ、お前がいると馬が大人しいからな」


やったと小さくいってハイガに説明しにいくラットさんを見送った。


「君達は、魔洞窟都市にいくのか?」

「えぇ、まぁ」


マグリスさんの答えを聞いて槍のお兄さんは、少し考えた後にタイグさん、弓のお兄さんを呼んだ。


「なんですか?マイス」

「一応ギルドマスターに連絡しておこう。

彼らは魔洞窟都市に行くらしい」

「なら、早めに行きましょう。」


タイグさんは、ラットさんの所に走っていった。

槍のお兄さん、マイスさんは他のメンバーに説明しにいった。

いや、意味がわかんないんだけど。


「マグリスさん、どういうこと?」

「ん?つまり、馬車が襲われたことと僕たちが無関係で被害者ってことを知らせにいってくれるみたいよ。

多分、一人誰か残って町で説明してくれるよ」

「へー、いい人だね」


いや、こっちじゃ普通なのかな?

よく分からないけど。まぁいいか。


「あのマイスって人多分CランクかDランクの堅実な人なんだと思うよ」

「へー」

「後でギルドについて知ってること教えるよ」

「うん、ありがとう。よろしくお願いします」


分かってないことバレたのかマグリスさんに苦笑された。










「リアとカインを残すが大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます。

ギルドで待ち合わせで大丈夫ですか?」

「あぁ、それで頼む」


ラットさんとマイスさんの話を聞きながらフードの人と少年をみる。

少年がなんか嬉しそうにしているんだけど。

ちょっとよく分からない。

初日から災難にあって私は、ブルーな気分だよ。


「クルス、よろしく」

「ぇ、うん。よろしく」


なんでそんな笑顔なのか本当にわからん。

ラットさんの後ろに隠れて視線をそらす。


「クルスって人見知りする?」

「いや、多分そのうち慣れる」


ハイガが私を見てにやにやしている。

やめてほしい。切実に。

馬に跨がっている二人の視線もなんか痛いし

馬からの視線もいたい。

なんなんだ。


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