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世界は不条理で出来ている  作者: 高遠
第一章 始まりのはじまり
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七日間の旅 5

ブックマークありがとうございます (*・ω・)*_ _)


神様がいるかもしれないという事実にリアルorz になりかけている私にラットさんが生温い視線を向けてきた。

因みに今、乗り合い馬車の券を買いにハイガとカミウさんとマグリスさんは、奥の建物に行ってしまった。


「まず此木は、常識と大陸のことを知るべきだな」


ぐさりと刺さるその言葉に大人しく頷く。

なんだろう....なんか廚二病にでもかかったのかな。

私すごいカッコ悪い。

なんだろう、すごい恥ずかしい。

普通に落ち込んでいたらターラさんがクスクスと笑った。


「でも、クルスは凄いわ。私には分からないけど貴女の考えは色んなものを壊してしまうような破壊力があるもの。

神の使徒である教会にあんなこと言うなんて私には出来ないわ。」


それは、リアル廚二病乙とでも言われているのだろうか。

いや、違うとは分かってるけどさ。


「教会では、獣人は人の真似をして不当に魔力を得た卑しい者でだから魔力値が低いなんて言われてるから....貴女の考えはすごく素敵だわ。」

「....それは、違うよターラさん。

獣人は、人より優れているから魔力値が低いだけだよ。」


彼女の瞳が見開かれてラットさんもぎょっとした顔をした。

私は、地面にコップを描いて説明する。


「人には限界値があって、それを超えたら化け物もしくは、英雄とか勇者と呼ばれるんだと思う。

人ならざる力だってね。

この限界値を満タンまで入れるのは普通の人には不可能だけど努力次第で九割は入ると思う。

一割はもう神頼みだね。

で、私達人にはこのコップの半分以下四割か三割位しか能力がない。

筋力や反射神経なんかの身体のスペックが獣人とはかけ離れて非力だから。

その半分は、可能性や努力で埋まるんだよ。それでも、この世界で生きるには足りないから魔力を足してやっと半分になる。

それを増やすのも減らすのもその人次第。

でも獣人には、元から生きるために必要なスペックが揃ってる。

五感や身体能力は、人からみたらかけ離れていて妬みや嫉み貰うんだろうね。

そして、その能力はコップの半分近くまで埋まってしまう。でも、それじゃあ少し生きるのに足りない。

だから、魔力を入れたんだよ。

そしたら、器の中には少ししか入らないでしょ?

元から人は、非力なんだよ。

だから、色んなものを作るための力が優れてる。

可能性の生き物と呼ばれるんだよ。

でも、獣人や竜人は力に優れる。

それは、人には届かない贈り物だよ。

エルフは、知識や魔法に優れてる。

その代わり人に近く非力だ。

ドワーフが居るか分からないけど彼らも人に近い代わりに物を作る能力に優れてる。

向こうの知識だからこっちに当てはまるか分からないけど獣人も人もかわらないよ。

何に優れているかで決めつけるのは傲慢以外のなにものでもないよ。」


だから、私は....人を辞めてしまいたい。

あの研究者共と同じだというだけで虫酸が走る。

ターラさんは、小さく小さく笑って泣き出した。

ぎょっとして回りをみたらいつの間にかハイガ達もいてじっと私を見ていた。

うわ、なにこれ居たたまれない。

アワアワしながらターラさんの涙を袖で拭う。

そしたら、ぎゅうっと抱き締められた。

え?なにこれ?え?なに?なんか変なことした?

すがるようにラットさんをみたらラットさんも微妙な顔をしていた。

まぁ、人に近いなんて言われたら嫌か。


「た、ターラさん?どうしたの?

なんか、酷いこと言っちゃった?

ごめんね、本当に常識とか抜けてるから」


おろおろして言うと彼女は、綺麗に笑って言った。


「私、貴女の為に命をかけるわ」

「いやいやいやいや、命は大事にしようよ。

私にそんな価値ないから」


ターラさんは、私を抱き上げて嬉しそうに笑った。

なに?どうしたの?

私、ちょっとドキドキするからその美しい笑顔をしまってほしい。

新たな扉とか開きたくない。










別side


「やっぱり、クルスは変だね」


マグリスは、此木をみてそう言った。

その瞳には悪感情は無く眩しいものをみるように此木を見ていた。


「人にあんなことされたから否定的なだけで本当はただ、僕らのがマシだとでも思ってるんだと思ってたよ。

まさか、人に疎まれる僕らの力を贈り物というなんてね」


マグリスは、エルフと人のハーフでそれを心底嫌っていた。

穢らわしいとさえ思っていたらしい。

だが、人間の此木の言葉はどんな人間よりも力があった。

聞いているだけで全てをかけて守りその夢を成し遂げさせたいと思わせるほど。

魅了でも使っているのかと疑うが此木はただ純粋だ。

本当に、人は劣っていると思っている。

それは、教会に聞かれたらその場で殺されても仕方ないほどの言葉だ。

亜人を人より劣っているとする教会からすれば此木の考えは恐ろしく穢らわしいだろう。


「....あいつは....少し怖いな」


カミウが此木を真っ直ぐ見つめて言う。

だが、それは....


「ただ、レントゥスの頼みのために国潰そうって奴が怖くないわけないだろ?

悪く言えば狂ってる。

あの研究で死ぬ目にあったのに普通の精神保ってんだぜ?

俺達以上に異常だ、あいつ。

でも、それでもいい。あいつが俺達のために戦ってくれるって言うんだからな。

もう引き返せない場所にいる。

俺らに夢を見せたんだからな。」


ハイガは、此木を評価していた。

飄々としながら見定めあの時の言葉が嘘ならば殺すつもりで一緒に東に来たのだ。

それは、ラミにもユランにも伝えていた。

この世界を引っくり返そうという言葉にのせたのだから何処まで夢を追えるか見たかったのだ。

獣人は、弱い奴が嫌いだ。

弱者は強者に従うのが当たり前の世界。

人間に逆らえないのは怖いからだ。

なにをされるか分からない。

反撃をすれば仲間が死ぬ。

その緊張感はやがて恐怖に変わり執拗に人を怖がりだしたのだ。

弱肉強食の獣人は、人に屈した。

それを引っくり返そうって言うのがまさか人だとは世界中の誰も思わなかっただろう。


「俺は、あいつを後ろで見続ける。

どうなるか、どんな世界を見せてくれるのか気になるからな。」


ハイガは、獰猛な狼のように歪んだ笑みを浮かべた。


「僕も彼女を支えるよ。知らない知識を知りたいからね。

なにを知りなにを見てなにを成し遂げるか気になるし」


マグリスは、翠の瞳を細めてハイガに言う。

そんな二人を見てカミウは気の毒そうに此木を見た。


「俺は、お前たちに潰されないようにあの子を守るよ。流石にお前らに狙われるのは可哀想だ」


彼らのことを知らないのは暢気にターラの涙を拭う幼い少女だけ。

人より厄介なのは獣人だと後に語ることになるとは気付かない少女は、その後ろで三人に敵意を向けるエルフにも気付かなかった。


主人公、利用組と保護者組に囲まれるの巻きでした。

シリアス連載するとほのぼのゆるゆるした話が書きたくなりますね。

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