仲間たち 6
「待て、どういうことだ?」
ハイガが困惑した声をだしラットさんが私の手をとって確認し出す。
筋肉とか反射神経とかかな?
わからないけど。
「その代わりに、禁術をもらったの
....使い方はまだわからないけど。
あの時まで耐えてきたものが全部無くなっただけだよ。
早めに、反射神経とか気配察知を鍛えないとね」
苦笑い気味に言ってみたけど、多分私の表情は動かない。
「あと、表情筋とかも固まっちゃったみたい。
まぁ、なんとかなるだろうけど」
なんとかしないとコミュニケーションが取りにくくなるし。
「....成る程な。違和感あるはずだ。
声だけ感情があって不気味だったからな。それでか。」
「クノ....クルスちゃんは私が守るから大丈夫だよ。」
「いや....そこじゃないだろ。禁術は、命を削ると言われているんだぞ?」
三人でガヤガヤしだしたのをみて少し嬉しくなった。
みんなとうまくやっていけそうだ。
「ラットさんがいうのは、大丈夫だと思う。
代償は、支払ったから。
多分だけど命を削るのは、アレだけだし」
死神を召喚した時に感じたものはきっと命を....魂を削る感覚だったのだろう。
対価と代償さえ払えれば一夜で国を消せるだろう。
それをやれば、私は消えてなくなるだろうけど。
「....まぁ、とりあえず今はこの国を出て力をつけることを目標にしないとな」
ハイガは、目標をたてると周りに説明しに席をたった。
「この国出たらどこいくの?」
ラットさんに聞くとため息がかえってきた。
なんなんだ。
「東の国、パルヴィースだ。
通称魔物の国。魔人と魔物と亜人と人間が住んでいる国だ。
ここよりは、マシとはいえ向こうも差別はあるがな。
向こうに渡るには、人数が多いから別れることになる。
東と西と北。この三つに一度散らばって行方をくらます。
西の国は、トレンテ。水上都市だから魚人系が多い国だな。
だが、海賊になる奴が多いからこっちも差別はキツイかもしれん。
北の国は、メチェーリ。夏ですら薄い長袖を着て過ごす国だ。冬は、生きた心地がしないらしい。差別はないというか出来ないな。生きるだけで精一杯の国だ。だからか亜人が逃げるときは北にいく奴が多いな。大半死ぬが」
「........結局一長一短ってやつだね」
死が隣り合わせの魔物の国か海賊がいる中々生きるのが想像しにくい国か寒さで死ぬ国か。
わぉ、嬉しくないラインナップ。
「俺とお前は東側決定してるからな」
「へ?」
「亜人が多くて身分証明が作れる国だしな。
あそこは、自己責任が全てだ。弱肉強食ってやつだな。」
「お、おぉ」
まさかの冒険者フラグ。
一番いやな職業にランクアップですね。
まぁ、召喚の練習出来そうだしいいか。
「ラットさん戦えるの?」
ふとした疑問をラットさんにいうと嫌そうな顔をされた。
「治癒師だと言ってるだろうが。
風の魔法も使えるが弱い魔物を殺せるくらいの威力しかない。」
「あぁ、なるほど。回復要員」
怪我をしたらラットさんへってやつか。
そしたら、意外と東は楽かもしれない。
「まぁ、護身程度なら戦える分お前より強いぞ」
「地味に苛つく」
ラミは、北に決定しているらしい。
向こうに、ツテがあるのだとか。
その年でツテとかスゴすぎる。
私のツテなんて精々本屋から新刊連絡がくるくらいだ。
守るって言ったから向こうで頑張るね!と笑顔で言われた。強い。
「今日で二日目だからな。今日中に出ないと不味いな」
私は、丸一日寝ていたらしい。
....うん。申し訳無いな。
「クジやって決めた。東は六人、西も六人、北は、八人だ。
三年たったら東に集まるぞ。
それまでに、力付けて亜人の人脈を広げろ。
こいつの夢に乗るなら真面目に必要だぞ。
俺らの町なんて、考えたことなかったし。
....やってやろうぜ。あいつらに目にモノみせてやろう」
応と威勢良く言うとみんな笑顔で私をみた。
部屋に戻るついでのように頭を撫でられたり頑張れよと声をかけられた。
....あんたら一時間くらい前は殺気だってたじゃん。
そんなんで大丈夫かよ....。




