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世界は不条理で出来ている  作者: 高遠
第一章 始まりのはじまり
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仲間たち 4

前半癒し回です。

私も主人公のいう可愛ければ良し派です。


なにか声が聞こえた気がして目を開けると知らない子が居た。

びっくりしてじっと見ていたら猫の耳をピクリと動かして悲しそうな目をした。


「その....ごめん、なさい」


茶髪のボブってかわいいなあと思いマジマジみたのが悪かったのか謝られた。


「へ?....あー、その耳触っていい?」


ボブに猫耳に揺れるふわふわのしっぽ。

涙目の可愛らしい栗色の大きな瞳。

少し焼けた肌がまた愛らしい。

手が猫手なら完璧萌えキャラである。

いや、むしろアリだ。可愛いは正義。


「....ぇ....?」


目を見開いて凝視されたけど私は耳に釘付けになっていた。

犬派猫派?って言われるけど私は、かわいければ全て良し派です。

うさぎ、りす、ネズミ、猫、犬、狼、カンガルー、ヘビ、トカゲ....みんな違ってみんな良いのです。

家で飼ってたのは、アメショとペルシャの雑種のはにわ様とシベリアンハスキーの部長だ。他にも亀とか鳥とかいるけど。

ネーミングセンス?あぁ、兄が悪いんだよ。


「........ど、どうぞ」


頭をおずおず近付けてきた彼女に癒されながらそのふわふわの耳を触る。


「....ふわふわ」


さわさわと熱心に触っていると少女は、クスクスと笑った。

でも、このさわり心地は最高だ。


「クノギ様、食堂に行きましょう」

「....クノギさま?」


そんな様付けされるような人間じゃないんだけど....

耳から手を離して彼女を凝視した。

聞き違いだと思いたかった。


「私達を外に出してくれた方ですから」


へにゃりと優しく笑う姿は愛らしく年相応な可愛らしさなのに瞳だけは暗い色を残している。

この愛らしい少女は、あの地獄のなかにいた被害者なのだ。

普通に見えても実は違うのかもしれない。

その笑顔の裏には、地獄の中をみた鬼が巣くっているのかもしれない。


「....私は、なにもしてないよ。」


そう、私はなにもしてない。

ただ、感情のままに人を殺した犯罪者だ。

後悔もなにもないことが....それが、少しだけ怖い。

ベットからおりてから気付いたが服が変わっていた。

起きたときも気付かなかった....。

白いワンピ擬きから灰色の長袖のワンピースになっていた。

....似合ってないと思うのだが....仕方ない。


「あ、名前....」


少女を見るとまたへにゃりと笑った。


「ラミといいます。クノギ様」

「あー、様付けしないで普通に話して欲しい....ダメ?」


そういうとラミは困った顔をした。

そんな困るようなことなのだろうか?


「クノギ、ちゃんは....なんか普通だね」


地味に傷付くな....普通って可愛い子に言われるとなんか泣きたくなるよね。

曖昧に笑おうとして頬がひきつる。

そういえば、なんか顔が固い気がする。

顔を撫でるがなんともない。

....魔眼の後遺症かなにかだろうか。


「じゃぁ、下に行こう」

「ん、尻尾触って良い?」

「....歩きながらね」


苦笑されたけど気にしない。

ふわふわな尻尾を触りながら廊下に出たらラットさんが奇妙なモノを見る目で私を見ていた。

....まるで不審者をみるような瞳だったので仕方無く尻尾を手放した。


「お前....歩いて大丈夫か?」


副音声に頭おかしいんじゃね?と入っているように聞こえたのは気のせいだ。

例え目がそう語っていても言われなければセーフだ。


「なんか、所々記憶飛んでるけど大丈夫。」


それは、大丈夫なのか?というラットさんとラミにひらひら手を振って平気と返す。

階段を下りると様々な種族が集まっていた。

なんとも言えない空気が私達を見つめる目によってピンと張り詰めた。

....なにこの空気感。学級裁判思い出すんだけど。


「このちっこいのに俺達が助けられたとかなんの冗談だよ。」


焦げ茶色の髪と犬耳の少年?青年?が吐き捨てるようにいうとまた空気が張り詰めた。


「ラットさん....なに、この状況」


小さく袖を引っ張って聞くが返ってくるのはため息だった。

いや、私がつきたいんだけど。ため息。


「だか、こいつが外部闘技場の奴等を殺してくれたから俺達はここにいるんだ。」


確かに私が殺したけど今はその能力は使えるか分からないんだよね。

召喚の仕方知らないし。

それに、私の身体能力も五感も昔に戻ったみたいだから守ることは難しい。

ゲームみたいにステータスとでも言えばいい訳じゃないだろうし。

こっちの人が召喚したのを落ち人って言ってるらしいけど私は、落ち人というか事故かも知れないしなあ。


「ねぇ、みんなはどうしたいの?」


そもそも目標が無いからうだうだしてるんじゃないだろうか。

だったら、目標を決めてしまえばいい。

私は....ミクフィリア王国を壊したい。

あの国を滅ぼすためなら例え無関係な人でも私は殺すだろう。


様々な瞳が私に向けられる。

それは、疑心暗鬼や人間に対する不信や憎しみこれからの不安などに染まっている。

でも、それでいい。

いくつかの瞳は、もうなにかを決めているようだし。


「私は、国を滅ぼすよ。」


パキリと空気が割れる音がした。

ラットさんとラミも私をみて目を見開いている。

これが普通の反応なのかな....

首をかしげれば周りは目が落ちるんじゃないかってくらい目を見開いていた。

なにかおかしいだろうか。

ラットさんを見上げると微妙な顔をしていた。

後悔と驚きと悲しみがごっちゃになったみたいな微妙な顔。

ラットさんのせいじゃないのにね。

そんなこと、私もレントゥスも知ってるのに変な人だ。

奇妙な沈黙を破ったのは昨日、いや夜中に会った灰色の青年だった。


「お前は、亜人の味方をするのか?」


碧い瞳は、細くなり獰猛な色を写している。


「するよ。貴方達を救うと大切な人に誓ったから。

貴方達が笑って生きていける町を都市を作ると友達に約束した。

それが叶わないなんて思わない。

世界に絶対は有り得ない。

荒唐無稽だと思うなら、願って努力して戦って勝ち取ればいい。」


ただ、それだけの話だ。

そう、覚悟を決めてしまえばいい。

他がなにも見えなくなるほど。

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