第3話 今だからこそ言えることは
たまには大勢で出かけたいよね。
遊園地とかバイキングとかお泊りもいいかもね。
というまさにリア充ライフ的なものを味わってみたいのだ。
なんて要望を出したらあっさりお出かけ気分の美奈都さん。
でも真っ先に静岡娯楽館に行くとは思わなかった。
確かに出かけたいとしか言ってなかったし・・・
いや最初にプールという目的地を言ったはずなんだけど。
・・・え?なんで前回と同じ流れで始まってんのって?
いやいや、あれは流石にあかんて。
ちなみに俺の両親は実家だ。
何回も言うようだがこの学校内に生徒用の家があるのだ。
まぁ教師用のもあるけどな。
で・・・今は公園にいるんですよ。
公園で朝野真昼から実は双子という話を聞いて
固まっていたんだ。
「あ・・・あのさ・・・真昼さん・・・?」
「これを見て・・・。」
見せてきたのは小さい頃の写真だ。
「これがあたしなの・・・。」
するとまだまだ赤ん坊の頃の俺と並んでいる女の子を指した。
しかしそんなことでは俺は信用しきれない。
というか事が重すぎて全く話についていけない。
すると後ろから。
「太郎さん、どういうことです?」
みさちだ、あいついつの間に・・・。
「いつか話さなければと思ったが・・・ばれてしまっては仕方があるまい。」
なんとその後ろには重さんもいた。
「おじさん!いつの間に!?」
重さんの話によると俺の両親は俺たちが生まれて間もなく離婚し
それぞれ別の親に引き取られたようだ。
俺はお父さんに引き取られた、つまり今のお母さんは義理の母。
2歳の時に離婚し、3歳の時に再婚したという。
「どういうことだよ重さん・・・それって・・・。」
シゲさんは俯いたまま。
「じゃあ俺は今まで騙されてきたってわけか・・・。」
俺の中で何かがうごめきだした。
抑えきれないような焦りと怒りが同時に。
真昼とみさちは心配そうに見つめる。
そりゃそうだ、こんな形相の俺を見たことはないのだろうから。
こっちだってまさか夏休みの真っ最中にこんな話に出くわすとは
思いもしなかったんだから。
「真昼・・・明日ちょっと出かけないか・・・?」
「え・・・?」
俺もびっくりしている。
沈黙が続いた中でのこの一言は俺が言おうとしたことじゃない。
本能的、いや何かに言わされたような感じだ。
とりあえずその日は帰ることにした。
「太郎・・・なんて声をかければいい・・・?」
・・・はい?なんの話だ?
まさか美奈都、お前まで後をつけていたんじゃ・・・?
「みさちちゃんと電話越しにお前たちの声を聞いてたんだよ。」
みさちのやつ、どこかきっちりしてると言うか・・・。
悪い意味でファインプレイだよ。
でも美奈都には関係ないし・・・美奈都とは・・・。
「いつも通りでいいよ、大丈夫だから・・・。」
「太郎・・・。」
俺は美奈都の顔を見た。
そこには今まで見たことがないであろう心配そうな顔だった。
その顔は夜まで変わることはなかった。
その夜寝ていたらふと気がつくと美奈都が俺に抱きついていた。
不思議なことに俺の胸元が少し湿っていた。
起こすのもかわいそうなのでそのまま俺は寝た・・・。
そして俺は翌日・・・。
つづく




