第4話 思い切ったことも大事なんだ
「太郎・・・なんて声をかければいい・・・?」
昨日、家に帰ってドアを開けた第一声がこれだ。
びっくりした、本当のびっくりしたよ。
まさかみさちがあの時電話越しに俺たちの会話を美奈都に流していたとは。
全くもって想定外だった。
というか盗聴行為に当たるんじゃないんですか?
まぁそれはともかく今日は真昼と腹を割って話すことにした。
しかし俺は内心焦っている。
実の家族に生徒としてこの学校で出くわすなんて
思いもよらなかったんだ。
お父さんは徳山工業で働いている。
お母さんは専業主婦だが手作り品をネットショッピングで発売している。
どちらもお金には抜かりがない。
でも家は普通の家なんだ。
「住まいは普通でもやってることは普通じゃないからな。」
と友達に言わしめるほど貯金がある。
まぁこの話はここでいいとして
問題としては今日どこ行くかだ・・・。
カラオケ・・・ってどういう心境でいけばいいかわからんし
そもそもこんな気まずいのに盛り上がるわけないだろ。
じゃあ・・・近くの公園にでも行こうか・・・。
と思って公園に行ったら真昼の姿が。
「真昼・・・。」
真昼はなんだか照れくさそうにしていた。
ベンチに二人で座るが言葉が出てこない・・・。
「あのさ・・・」
と、ここで俺の口から言葉が出てきた。
もう本能でしゃべっているのだろうか・・・。
「俺たちが家族だったってみんなに言っていいものだろうか。」
「う・・・ん・・・。」
まぁ戸惑うのも無理はない。
そりゃあいきなり「俺たち実は兄弟だったんだ!」なんて言えば
「うっそ〜!まじで!?」か「も〜、太郎ってやつは〜」って
軽いノリか笑い話になるかもわからないし
下手したらスルーって可能性もある。
それに証拠がこれだけっていうのも無理がある。
「ねぇ・・・太郎・・・。」
と、真昼は唐突に口を開いた。
そして笑みを浮かべて
「私たちの関係は私たちだけの秘密にしよっ!」
いきなり元気になったみたいだ。
その言い方だと俺たちが恋人みたいじゃねえか。
雰囲気はそうだったかもしんないけどさ・・・。
「だな、別に誰かにどうこう言う問題じゃないもんな!」
そして俺たちは何かが吹っ切れた。
公園で俺たちは一生懸命遊んだ。
こんな元気いっぱいに遊んだのは久しぶりだ。
そして夕方になって帰った・・・。
お互いすごい笑みだった。
こんな笑顔で帰るのが、こんな元気に遊ぶのが
こんなに楽しかっただなんて・・・。
そんな楽しみは家に帰れば
「オンギャーッ!またここだぁー!」
うん、期待通り美奈都はゲームをやっている。
「美奈都、まさかお前ずっとゲームやっていたんじゃ・・・。」
「アタボーよ、私にとってゲームとは人生なんだ。」
何て返せばいいんだ。
「それより太郎、どうやら吹っ切れたようだな。」
「え・・・?」
どういうこと・・・まさか・・・またみさちが・・・?
「なんだよ、昨日と違ってすごい元気な顔だったから・・・。」
「あ、そういうこと・・・。」
俺の中で何かが切れた。
「よーし!美奈都!今日はゲーム三昧だ!」
「なんだよいきなり・・・よ〜し!上等だゴラァ!」
この子本当に女の子かよ。
しかし俺たちは本当に何かから吹っ切れたようだ。
そんな毎日が続くといいな。
つづく
今日はかなりアイデアが出てきましたね。
スランプが怖くて仕方ないとです。




