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「夕凪」外伝〜あの時の僕は…  作者: 乙花
第1章
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6/14


純平は「夕凪」でよく妹の話をした

実家に帰ってもあまり相手をしてもらえないようで

「嫌われてるのか?」なんて真剣に話していた


仕事でミスするよりも肩を落としていて

僕が笑いながら純平の背中を「ポンッ」と叩いたりしたこともあった


あまりのシスコンぶりに

他のなじみ客にいじられたりもしていたが

みんなそんな純平の可愛いところが好きだった


僕は、自慢の妹だと自信をもって言える純平を

ほんとにいい兄貴だなと思ったし

誰に対しても飾らずに、素直に話せるところを羨ましくも思っていた

 

夕凪で話すことはだいたいくだらないことばかりで

仕事の話をすることはあまりなかった


しかし、それには訳があった

 

一度、大喧嘩をして周りを巻き込む騒動になったからだ

お互いに熱くなり過ぎて、言い合いになってしまった


大人になってからあんな喧嘩をしたことは

後にも先にもあの時だけだ


今思えばあんなに感情をストレートに出せる相手は純平だけだったとおもう


「夕凪」でのことはどれだけ語り尽くしても語り尽くせない


それくらいあの場所には

僕たちの何気ない日々がつまっていたんだ

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