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妹
純平は「夕凪」でよく妹の話をした
実家に帰ってもあまり相手をしてもらえないようで
「嫌われてるのか?」なんて真剣に話していた
仕事でミスするよりも肩を落としていて
僕が笑いながら純平の背中を「ポンッ」と叩いたりしたこともあった
あまりのシスコンぶりに
他のなじみ客にいじられたりもしていたが
みんなそんな純平の可愛いところが好きだった
僕は、自慢の妹だと自信をもって言える純平を
ほんとにいい兄貴だなと思ったし
誰に対しても飾らずに、素直に話せるところを羨ましくも思っていた
夕凪で話すことはだいたいくだらないことばかりで
仕事の話をすることはあまりなかった
しかし、それには訳があった
一度、大喧嘩をして周りを巻き込む騒動になったからだ
お互いに熱くなり過ぎて、言い合いになってしまった
大人になってからあんな喧嘩をしたことは
後にも先にもあの時だけだ
今思えばあんなに感情をストレートに出せる相手は純平だけだったとおもう
「夕凪」でのことはどれだけ語り尽くしても語り尽くせない
それくらいあの場所には
僕たちの何気ない日々がつまっていたんだ




