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「夕凪」外伝〜あの時の僕は…  作者: 乙花
第1章
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5/14

居場所

それ以来

僕と純平はその店に足繁く通った


お互い一人暮らし

遅くに帰って、一人でコンビニ弁当を食べるのはあまりにも味気ない


残業後、僕から誘うことも多かった


出会って間もなくは

純平のペースに巻き込まれたくないと一線を引いていた僕だったが

純平は誰に対しても「いい距離感」をわかっている男だった


僕たちが行く時間は

もう客も少なく、ほとんどが馴染みの客だった


「おお!きたきた」

「お前たちが好きそうな刺身、取っておいたよ」

まるで家に帰ってきたような安心感があった


純平はよく上司のモノマネをしたりして、場を盛り上げた

そういう空気を作るのが本当にうまかった


純平にとっても、僕にとっても

肩肘張らずにいられる

心地よい場所になっていた



ほぼ毎日のように「夕凪」へ行き

自宅に帰ったらすぐシャワーを浴びて

泥のように眠る


平日はその繰り返しだった


だけど

休みの日に純平と会った記憶はほぼない


純平は休みの日には必ず実家に帰っていた

なにやら可愛い妹がいるようで

つい顔を見に帰りたくなるということだった


その感覚は全くわからなかった

妹がいたら僕もそういう感覚になるのだろうか…

そんなことをいつも思っていた


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