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「夕凪」外伝〜あの時の僕は…  作者: 乙花
第2章
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12/14

気づき

いつでも話すタイミングはあったはずだ

なのに僕は話さなかった


最初にあのレストランで

言わない方がいいと思ったのは

初対面だったことと

ゆうが兄の死を今どんな風に受け止めているのかがわからなかったからだ


その時はそう思っていた

だからその後も言わない選択をし続けた


だけど本当は

ゆうのことを思っているようで

僕は…自分の心を守っていたように思う


あれから10年が経とうとしているが

もしゆうがまだ純平の死を乗り越えられていなかったら

そのゆうの気持ちを感じてしまったら


僕は…どうなるだろう

自分の無力をまた強く感じてしまうかもしれない

その時僕は、今のこのゆうとの温かい時間さえも遠ざけたくなるかもしれない


それが…怖かった



僕の弱さが

言わない優しさを隠れ蓑にしていたんだと思う


 

あの海でのゆうの言葉が…

そんな僕の弱さに気づかせてくれた


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