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「夕凪」外伝〜あの時の僕は…  作者: 乙花
第2章
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距離感

その後、度々パン屋で顔を合わせたが

彼女はいつも屈託なく僕に話しかけてきた


「新作のパン、公園のベンチで食べましょう」

「あそこのコーヒーおいしいから

それを買ってからにしませんか?」

 

そんな風に自然と人を巻き込む感じが

純平を思い出させた



ベンチではあまり会話はしなかった


それは話したくないからというわけでも

元々無口な方だからというわけでもなく


彼女に大事なことが話せていない


それが引っかかってしまって

何を話しても薄っぺらな会話になる

気がしていたからだ


彼女は大して話をしない僕に

必要以上に話しかけることはせずに

「居心地のいい距離感」を保ってくれた


そんなとこも純平に似ている


そのいい距離感が

人との関わりから逃げてきた僕の心を解きほぐしてくれた


日曜日の朝、公園でゆうとパンを食べる時間

あの静かな時間は僕にとって大切なものになりつつあった


それと同時に…

僕と純平が同僚だったことをいつ話せばいいのか…

その時をはかりかねていた




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