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距離感
その後、度々パン屋で顔を合わせたが
彼女はいつも屈託なく僕に話しかけてきた
「新作のパン、公園のベンチで食べましょう」
「あそこのコーヒーおいしいから
それを買ってからにしませんか?」
そんな風に自然と人を巻き込む感じが
純平を思い出させた
ベンチではあまり会話はしなかった
それは話したくないからというわけでも
元々無口な方だからというわけでもなく
彼女に大事なことが話せていない
それが引っかかってしまって
何を話しても薄っぺらな会話になる
気がしていたからだ
彼女は大して話をしない僕に
必要以上に話しかけることはせずに
「居心地のいい距離感」を保ってくれた
そんなとこも純平に似ている
そのいい距離感が
人との関わりから逃げてきた僕の心を解きほぐしてくれた
日曜日の朝、公園でゆうとパンを食べる時間
あの静かな時間は僕にとって大切なものになりつつあった
それと同時に…
僕と純平が同僚だったことをいつ話せばいいのか…
その時をはかりかねていた




