「怒り」
ルクスはレグルスの話を聞いていた。
ドクの過去。
生まれた時の事故。
裁判の真実。
全てを。
そして沈黙した。
しばらく何も言わなかった。
頭の中で整理していた。
だが。
次の瞬間だった。
机を叩く。
大きな音が部屋に響いた。
「ふざけんな!!」
ルクスは怒鳴った。
レグルスを睨む。
怒りで身体が震えていた。
「赤ん坊だぞ!?」
「何も知らねえんだぞ!?」
「それで犯罪者扱いかよ!」
怒鳴り続ける。
レグルスは黙って聞いていた。
ルクスも分かっていた。
レグルスは悪くない。
どうにもならないことも。
全部分かっていた。
それでも。
怒りが止まらなかった。
止められなかった。
ドクの顔が浮かぶ。
いつも笑っている。
優しい。
誰より優しい。
そんな奴が。
理不尽な理由でここにいる。
ルクスは拳を握る。
そして決めた。
迷わなかった。
「俺はドクを解放させる」
レグルスは静かに聞く。
ルクスは続けた。
「ドクは無実だ」
「それを世間に知らせる」
「絶対にだ」
その目は本気だった。
レグルスは少し笑った。
そして椅子にもたれる。
「そうか」
短く答える。
ルクスは続きを待った。
レグルスは言う。
「ならまずは地球を守れ」
「幹部と会う機会を作らないとな」
ルクスは眉をひそめた。
そして聞く。
「お前警察だよな」
レグルスは頷く。
「そうだ」
ルクスはさらに言う。
「警察が殴ることを勧めていいのかよ」
部屋が静かになる。
レグルスは少し考えた。
そして笑う。
「これは俺自身が言ったことだ」
「警察の俺は関係ない」
ルクスは呆然とした。
その答えは予想外だった。
だけど。
嫌いじゃなかった。
むしろ。
格好良かった。
気付けば笑っていた。
そして思う。
初めてだった。
心の底から。
この人みたいになりたいと思ったのは。
ルクスは初めて。
尊敬する人を見つけた。
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