「集落」
サナージュ達四人は森の中を歩いていた。仲間になったとはいえ、お互いまだ探り合っているような空気だった。
「ねぇ。」
マリアが口を開く。
「何だ?」
「どうして私を仲間にしたの?」
サナージュは少し考えてから答えた。
「和解したいからだ。」
「それだけ?」
「ああ。」
マリアは呆れたように笑う。
「変なの。」
「よく言われる。」
ささが吹き出した。
「確かに変。」
ロイスも肩をすくめる。
「俺もそう思う。」
四人は少しだけ笑った。
そんな時間がサナージュには嬉しかった。
未来では得られなかった時間だった。
だからこそ守りたかった。
しばらく歩いていると、遠くに集落が見えた。
木で囲まれた小さな集落。
煙も上がっている。
「やっと着いた。」
ロイスが言う。
しかし歩いても歩いても距離が縮まらない。
「……あれ?」
マリアが立ち止まる。
「近づいてない。」
ささも気付いた。
「能力ね。」
サナージュは静かに頷いた。
「結界だ。」
未来でも見た能力だった。
集落全体を覆う結界。
近付こうとすればするほど離れてしまう。
普通の方法では入れない。
サナージュは一歩前へ出る。
「マリア。」
「何?」
「光の球を出してくれ。」
「いいけど。」
マリアは掌に光の球を作り出した。
サナージュはそれを受け取る。
そして能力を発動した。
ドクン。
身体が淡く輝く。
「その球を結界にぶつける。」
「え?」
サナージュは光の球を結界へ叩き込んだ。
バキィィン!!
透明だった壁に大きな亀裂が入る。
さらに拳を振る。
ガシャァァァン!!
結界は粉々に砕け散った。
「壊れた!?」
マリアは驚く。
「無敵能力ってそんな使い方もできるの?」
四人は集落へ足を踏み入れた。
だが人影がない。
家はある。
畑もある。
生活している跡もある。
それでも誰一人姿を見せない。
「隠れてる。」
ロイスが小さく言う。
サナージュは集落の中央まで歩いた。
そして大きく息を吸う。
「聞いてくれ!」
「俺たちは戦いに来たんじゃない!」
「バトルロワイヤルを終わらせたい!」
「だから話し合いに来た!」
静寂が流れる。
数秒後。
家の扉がゆっくり開いた。
一人の老人が杖をつきながら姿を現す。
「その言葉……。」
「本当なのか?」
老人はサナージュ達を真っ直ぐ見つめていた。
四人も老人を見つめ返す。
集落との最初の対話が始まろうとしていた。
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