↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
187/300

「光の球」


森を抜けた瞬間だった。

一つの光が木々の隙間を貫いた。

ドォン!!

爆発音が森中へ響く。

「戦ってる。」

サナージュは音のした方向を見る。

「行こう。」

三人は一斉に駆け出した。

木を飛び越え、草を踏み分ける。

開けた場所へ出ると、一人の少女が数人の能力者に囲まれていた。

少女は両手を前へ突き出す。

淡く輝く球が生まれた。

球は一直線に飛ぶ。

ドォン!!

相手の一人が吹き飛んだ。

だが残る二人は止まらない。

「終わりだ!」

炎が迫る。

少女は後ろへ下がる。

逃げ場がない。

サナージュは飛び出した。

「そこまでだ!」

炎がサナージュへ向かう。

ドクン。

能力が発動する。

炎は弾かれ、そのまま放った本人へ跳ね返った。

「ぐあっ!?」

もう一人が光の刃を放つ。

カキィン!!

それも弾く。

「なんだこいつ!?」

サナージュは相手との距離を一気に詰める。

そして額へ軽く指を当てた。

「デコピンだ。」

ゴッ!!

「があああああ!!」

男は頭を押さえて転げ回る。

残る二人も顔色を変えた。

「化け物だ!!」

二人は逃げようとする。

サナージュは静かに言う。

「逃げるなら追わない。」

「でも、また誰かを襲うなら止める。」

三人はそのまま森の奥へ逃げていった。

静けさが戻る。

少女は警戒したままサナージュたちを見る。

「……助けたつもり?」

「そうだ。」

「どうして?」

「困ってたから。」

少女は少し眉をひそめた。

「変なの。」

サナージュは少女を見る。

未来でも光の球を使う能力者はいた。

村を焼いた犯人を追い続けた頃、一度だけ戦った相手。

だが名前までは知らなかった。

「一つ聞いてもいいか。」

「何?」

「俺たちの仲間になれ。」

少女は目を丸くした。

「……は?」

「俺は殺し合いを終わらせたい。」

「だから仲間が必要なんだ。」

少女は呆れたように笑う。

「意味分からない。」

「普通は相手を仲間に誘わないでしょ。」

「普通じゃないからな。」

ささは思わず笑った。

「それは確かに。」

ロイスも肩をすくめる。

「こいつ昔からこんな感じなんだろうな。」

「未来では違ったけど。」

サナージュは小さく呟いた。

少女はじっとサナージュを見る。

「あなた、本気なの?」

「ああ。」

「なら。」

「まず名前を教えて。」

サナージュは頷いた。

「俺はサナージュ。」

「こっちはささ。」

「ロイス。」

少女は少しだけ迷う。

そして静かに口を開いた。

「……マリア。」

サナージュは初めてその名前を知った。

「そうか。」

「マリア。」

「今日からよろしく。」

マリアはため息をつく。

「勝手に決めないで。」

「でも。」

「嫌じゃない。」

そう言って、小さく笑った。

こうしてサナージュたちは四人になった。

和解への旅は、また一歩前へ進み始めた。

面白ければブックマーク評価お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。