「最初の仲間」
ささは静かに息を吐いた。
「未来の話は信じる。」
「でも、一つだけ約束して。」
サナージュは頷く。
「何?」
「一人で全部背負わないこと。」
サナージュは少しだけ笑った。
「努力する。」
「努力じゃなくて約束。」
「……分かった。」
ロイスは二人を見ながら頭をかいた。
「まだ全部は信じきれない。」
「でも。」
「お前の目は嘘をついてる目じゃない。」
サナージュはロイスを見る。
「ありがとう。」
ロイスは照れくさそうにそっぽを向いた。
「礼なんか言うな。」
「俺はまだ信用されたわけじゃないだろ。」
「いや。」
サナージュは首を横に振る。
「俺はもう信用してる。」
ロイスは驚いた。
「は?」
「未来ではお前は敵だった。」
「でも。」
「今は違う。」
「未来を変えるなら、まず俺が信じないと始まらない。」
ロイスは黙った。
その言葉が胸に刺さった。
「……変な奴だな。」
「よく言われる。」
少しだけ笑いが生まれる。
重かった空気が少し軽くなった。
その時だった。
グゥゥゥ。
ロイスの腹が鳴る。
沈黙。
ささが吹き出した。
「ふふっ。」
ロイスは真っ赤になる。
「笑うな!」
「いや、ごめん。」
「緊張感が一気になくなったから。」
サナージュも思わず笑ってしまう。
「まずは飯にしよう。」
「そうね。」
三人は森の中で木の実や果物を集め始めた。
未来では殺し合いばかりだった。
こうして穏やかに食事を探す時間はほとんどなかった。
サナージュは空を見上げる。
青い空だった。
「この景色を守りたい。」
誰にも聞こえないほど小さく呟く。
ささが隣へ来る。
「何か言った?」
「いや。」
「独り言。」
「そう。」
ささは優しく笑った。
その笑顔を見て、サナージュは思う。
未来ではこの笑顔を失った。
だから今度こそ守る。
絶対に。
食事を終え、三人は森を歩き始めた。
「未来ではこの先に何があるの?」
ささが尋ねる。
「参加者が集まる集落がある。」
「そこで多くの人と出会う。」
「敵もいる。」
「でも。」
サナージュは真っ直ぐ前を見る。
「今回は敵じゃ終わらせない。」
「全員と話す。」
「全員と和解する。」
ロイスは苦笑した。
「簡単じゃないぞ。」
「分かってる。」
「でも。」
「俺は諦めない。」
サナージュはそう言って拳を握る。
未来はまだ白紙だ。
復讐のために進んだ未来とは違う。
今度は和解のために歩く。
その一歩を踏み出した瞬間、森の奥から爆発音が響いた。
ドォォン!!
三人は同時に足を止める。
「戦闘。」
ロイスが呟く。
サナージュは静かに頷いた。
「行こう。」
「今度は助けるために。」
三人は爆発のした方向へ走り出した。
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