表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
175/300

「コレクションズ」


森の奥を歩いていた。

サナージュは不満そうだった。

「帰りたい」

「無理」

「帰る」

「死ぬ」

「帰りたい」

「しつこい」

ささは呆れたようにため息を吐いた。

サナージュは木の根に座り込む。

「だって意味わかんないだろ。昨日まで普通だったんだぞ」

「みんなそう」

「俺はみんなじゃない」

「でも参加者」

「嫌だ」

「残念」

サナージュは地面に寝転がった。

ささはそんな彼を見下ろす。

「本当に危機感ないね」

「そうか?」

「そうだよ」

ささは腰のポーチから何かを取り出した。

小さな水晶だった。

「ほら」

「何それ」

「コレクションズ」

「こ、れくしょんず?」

「能力を持った道具」

サナージュは起き上がる。

「能力を持った道具?」

「そう」

ささは水晶を握った。

すると光が溢れる。

次の瞬間。

空中に水の球が現れた。

「うおっ!?」

「飲む?」

サナージュは恐る恐る受け取る。

飲む。

普通の水だった。

「すげぇ」

「便利でしょ」

「便利だな」

「これは水を作るコレクションズ」

「そんなのあるのか」

「いっぱいある」

ささはさらに見せる。

小さなナイフ。

傷薬。

片眼鏡。

指輪。

様々な道具。

「全部能力持ち」

「ずるくね?」

「集めた」

「どこで」

「倒した相手から」

サナージュは少し黙った。

倒した相手。

つまり。

殺した相手。

ささは気にした様子もなく続ける。

「私はコレクターだから」

「人を倒して集めたのか」

「うん」

サナージュは複雑な顔をした。

だが今は深く考えなかった。

その時だった。

ガサッ。

茂みが揺れる。

二人は振り向いた。

誰もいない。

だが。

また揺れる。

ガサガサ。

ささの目が鋭くなる。

「いるね」

「敵?」

「多分」

サナージュは緊張した。

心臓が早くなる。

ドクン。

ドクン。

嫌な予感がした。

そして。

茂みから男が飛び出した。

大剣を持っている。

筋肉質な大男だった。

「見つけたぞォ!!」

サナージュは固まる。

男は迷わず剣を振り下ろした。

「死ねぇ!!」

ガァン!!

剣が弾かれる。

男が目を見開いた。

「何!?」

サナージュも目を見開いた。

「あ」

発動した。

能力だ。

無敵。

ささが叫ぶ。

「サナージュ!」

男が再び剣を振る。

ガン!

ガン!

ガン!

全部弾かれる。

だが。

四撃目。

ズバッ。

剣が腕を切った。

「あああああああ!!」

血が飛ぶ。

サナージュは悲鳴を上げた。

男が笑う。

「能力切れか!」

ささが舌打ちした。

「インターバル」

「え?」

「能力に隙がある!」

男はさらに剣を振る。

ズバッ。

太ももが裂ける。

「ぎゃあああああ!!」

サナージュは転がった。

痛い。

熱い。

怖い。

死ぬ。

そう思った。

ドクン。

心臓が跳ねる。

次の瞬間。

ガキィン!!

剣が弾かれた。

能力が戻った。

男が驚く。

「またか!?」

ささが飛び出す。

「はああああ!!」

蹴り。

男の顎が砕ける。

さらに回し蹴り。

骨が折れる音が響く。

男が吹き飛ぶ。

だがまだ生きていた。

「ぐっ……」

「しぶとい」

ささは男の喉元に手を当てる。

サナージュは見た。

ささの目を。

何の迷いもなかった。

ザシュ。

喉が切り裂かれる。

血が噴き出した。

男は崩れ落ちる。

動かなくなった。

静寂。

サナージュは震えていた。

「……死んだ?」

「死んだ」

「お前」

「何?」

「慣れてるのか」

ささは少しだけ空を見た。

「慣れた」

その言葉は妙に重かった。

サナージュは何も言えなかった。

自分の腕から血が流れている。

痛い。

怖い。

だけど。

それ以上に。

目の前で人が死んだことが頭から離れなかった。

そしてささは静かに言う。

「サナージュ」

「……」

「次は自分でやることになる」

サナージュは何も答えられなかった。

面白ければブックマーク評価お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ