演出?ドッキリ? い、異世界…??
この状況をどう言えばいいのだろう。
普通の中の普通の男子高校生が
「へいかー」
とたたえられているこの状況。
最初はテーマパークの演出かと思ったが、見ず知らずの高校生をいきなり王様役にあてたりするだろうか…ということはこれはドッキリ? それしか考えられない。
でもここで「ドッキリですよね?」とかいうKY発言はテレビ的にもよくないんだろうからやめておこう。
しかしどーするべきなんだ??
とりあえず今わかることは『ドッキリ大成功』の文字を見たら、すかさずビックリ演技をしなければならないということ。うわー、できるかな。この大根役者に。リアクション芸人みたいにオーバーにした方がテレビ的にはいいのか?
端から見ればくだらないことだが俺にとっては超重要なことを考えていると、また遠くからいいかげん聞き飽きる言葉が聞こえた。
「陛下!!」
しかもなかなかのイケボで。
軽快な音とともに振動も伝わってくる。
う、馬だ…。馬に乗ったイケボ持ちイケメンが俺の方に向かってくる。
やめてー、近づかないでー、コンプレックス刺激されちゃう…
イケメンは馬から華麗に降りると、華麗に歩いて、華麗にひざまずき、華麗に俺の手を取った。
イケメンだとなんでも華麗に見えてしまう。
「陛下、お待ちしておりました…。」
イケメンが俺をじっと見つめる。
しっかしイケメンだなー。外国人? 髪は金髪に近い綺麗なクリーム色。瞳は鮮やかに晴れた空の色。綺麗な髪は少しのびていて、後ろ髪は肩につくぐらい。まさに王子様ってカンジ。服装はそんなに豪華じゃないけど、周りの村人らしき人々よりは少し良くできているかな。それに腰には剣をさげている。兵士かな? こんなイケメン、よく見つけてきたなあ。
「陛下、お久しぶりでございます。このアルレート、陛下のご帰還を心よりお待ちしておりました。」
へー、アルレートっていうんだー。名前までカッコいい。それより今、久しぶりって言った? あれ、どっかで会ったことあったかなー。いやでも、もし会ってたらこんなイケメンわすれるわけないだろう。それとも、テレビ側のそういう設定?? なに、のるしかないの?これ。ま、まあとりあえずあわせとくか。
「お、お久しぶり、です…」
するとアルレートは口をへにょっとまげて不思議そうな顔をした。
「なぜ敬語を使われるのです?」
「あ、ごめん、なさい。アルレート、さん?」
するとアルレートは豪快に笑い出した。
「どうなされたのです?陛下。私のことはアルと呼ばれていたではありませんか。」
「あ、いや。どーも、アル…」
まてまてまてまて…これはホントにテレビの設定か? なんか複雑にしすぎだろ! あわせる側も大変だぞ!?
なんかこれ人間違いしてんじゃないの?
もうこれは勇気をだして聞くしかなくね??
もーいい!! 俺は聞くぞー。テレビなんて知ったことか。
「あのー、これー。ドッキリですよね?? ひっかける人、間違えてると思うんですけどー…」
周りが騒然とした。あー、やっぱりドッキリだった?
「へ、陛下…ドッキリ?とは何ですか??」
………は!?
「あの、もうかくすのはキツいと思いますよ?(笑)」
「も、申し訳ありません…私にはさっぱり理解が…」
………?
「いや、ここはどこのどんなテーマパークで、なんて番組なの…?」
「テ、テーマパァ…?テレビ?? さきほどから陛下は一体何を? そ、それからここはまだ名も無き国だとしっているでしょう。」
「はあ!? ここは日本だろ!?」
「にほん…とは何ですか??」
おいおい、こいつ大丈夫か? そんな、ただ歩いてただけで外国に来れるわけないだろ!!
そうだ、ケータイ!!
俺はポケットの中から高校になって初めて買ってもらったスマホを取り出した。
………け、圏外…
おいおいおいおいおいおい!!!!!!!!!
マジでここ日本じゃないのか!?
「へ、陛下。その板のような物はいったい何なのですか?」
「板のようなものって…これか?」
俺はアルの目の前でスマホをふった。アルは黙って頷く。ちょっとまて、スマホを見たことがないのか?
「あのさ、ここは何大陸の何州??」
「コードラス大陸の北の方ですが…しゅうとは何でしょう。」
「………ここ、地球だよな…??」
「地球とは、何でしょう?」
これ、まだドッキリ続いてんだよな??
じゃなきゃ、そんな…
マンガやアニメじゃあるまいしー(笑)
あはは、そんな。
いきなり異世界なんて、ありえねーだろー!!??




