人生初の経験
なんだかんだいったって、大抵のことはうまくいくようになってるさ。
そうそう…
いくら金を、まあ二万ほどとられたって。
一応死なないようには、世の中なっている。
二万とられたっていうのも、どこぞのヤンキーからかつあげをうけたわけだが。
かつあげなんて一体何年ぶりだろう。2年と6ヶ月
くらいだろうか。
どうやらそれほどたっていないようだ。
とはいったって、すぐ近くに超有名ヤンキー校があるような場所に住んどいて2年6ヶ月もかつあげにあってないというのはすごくないか?
というのも、2年6ヶ月前のこと。俺は人生初となるかつあげにあった。超有名ヤンキー校の制服を着た、男子高校生二人にからまれたわけだが。なんとその時の所持金が二百円。まあ、いつでも俺の財布の中は千円以下だが。それからというもの、なかなかかつあげにあわない。ヤンキー総会で俺の二百円伝説が広まったのだろうか。
が、しかーし。これまた、人生初、俺の財布には伝説の百倍…二万円が入っている!いや、入っていた!
中学受験に受かった妹にお祝いの品を買ってやろうということで、親が管理していたお年玉を使おうと
していた。まー、もちろん二万使う気なんてさらさらなかったのだが。持ってみたかった…財布に入れてみたかった…二万円。
しかしその二万円は今頃どこぞのヤンキー共のふところに入っていたりする。
ここで一句。
二万円 あぁ二万円 二万円
ここに俺のエピソードをつければ大賞をとれるんじゃなかろうか…というのは調子にのりすぎかもしれない。
さて、どうしようか。親に言うべきなのか?
でも俺だって一応男だぞ?…一応?
男としてのプライドはある…つもり…だ…。
女子からは人畜無害のレッテルを貼られているが…。
なんかだんだん自信がなくなってきたぞ!?
もとから無かったけど。
どーしよー あぁどうしよう どーしよー
ホントにどうしよう。ルックスも頭も普通な上、ボキャブラリーも超少ないときた。
ってそんなことより、金!!
どーする、どーなる、佐々木 零!!
あ、自己紹介遅れました。
俺の名前は佐々木 零。
普通の中の普通の学力で、至って普通の県立高校に通う高校一年生。ちなみに、彼女いない歴16年。
今は3月。俺の高1生活もふっつーに過ぎ去ろうとしている。
と思った矢先にこれだ。
ほらね、かつあげにあうようなヤツだから彼女できないでしょ。まず、モテないでしょ。人畜無害のレッテル貼られるでしょ。変なところ歩いてるでしょ。
…………ん?? 変なところ??
ここ、どこ?(笑)
右を見ても、左を見ても、レンガ造りの西洋風のお家?が並んで建っていて、煙突からは煙が立ち上っている。今自分が立ち尽くしている道のずーっと先を見ると…し、城?
まさにおとぎ話。メルヘンチックなお城がでかでかと建っている。
一言でいえば、ここはテーマパークのような場所。
っていうかテーマパークだろ。じゃなきゃここはなんなんだ。
しかし問題はそこじゃない。
一体何があって、どんな経緯があって、俺はこの場所にいるのか。それが一番の問題だった。
頭からっぽのまま歩いてきて、知らないうちに知らないテーマパークに入っちゃったのか!?
うわー、どーしよ。俺、お金持ってないのに。
とりあえず、テーマパークの人に見つからないように入ってきた場所を探すか。そして、黙って出よう。
とはいうものの、どこから入ってきたのかもわからない。探しようがないかー…。
まず、テーマパークというのはわかるが、どこのどんなテーマパークかもわからない。
覚悟を決めて、ここの人に聞くしかないか。
そこに西洋風コスプレをした女の人が家からでてきた。きっとテーマパークの役者さんだろう。
「あのー、すみませーん。」
女の人はビクッとしてこちらに振り向いた。
そして、まじまじと俺を見つめる。
ひょっとして怪しまれているのだろうか。まさか、もう金を払ってないとバレたのか!
「まあ!!」
急に女の人は声をあげて、持っていたかごを落とした。俺もビクッとしてしまう。
すると急にひざまずかれた。そして…
「へ、陛下…。」
…………はい?
ちょ、大丈夫なの、この人。
あ、なんかの演出??
そーいうことかー。でも嬉しいな、演出でも陛下なんて呼ばれるなんて。
どーやらいい役をあてられたようだ。
すると、いたる家からコスプレをしたお兄さんお姉さんがでてきて、口々に
「へいかー」
と叫ぶ。
なかなかいい気分だ。一生に一度あるかないかの経験だろう。
そして、たたえられている。
それはやりすぎなんじゃ…
これ、ホントに演出だよね?それともドッキリ??
マジで俺、どーなんの?(笑)




