第二十七章 南蛮海軍との初遭遇
日本海軍の旗艦「安土丸」が完成してから数ヶ月。
堺・長崎・敦賀の造船所では次々と軍船が建造され、
日本海軍は十隻の艦隊を持つまでに成長していた。
その頃――
南シナ海で異変が起きた。
長崎からの急使が安土城へ駆け込んだ。
「殿――南シナ海で日本の商船が襲われました!
襲ったのは、スペインのガレオン船と思われます!」
柴田勝家が怒りを露わにした。
「南蛮め……日本の商船を狙ったか!」
丹羽長秀が静かに言う。
「殿……これは、南蛮世界が日本海軍の力を試すための挑発にございます」
信忠は立ち上がった。
「……ならば、応じよう。
日本海軍を南シナ海へ向かわせる」
■日本海軍、初の遠征へ
長崎の港では、海軍奉行が声を張り上げた。
「海軍、出航準備!
旗艦・安土丸を先頭に、十隻の艦隊を編成せよ!」
港の町人たちは興奮した。
「日本海軍が海へ出る!」
「南蛮の船を追い払うんだ!」
「信忠様の海軍が世界へ進む!」
巨大な帆が上がり、
安土丸はゆっくりと港を離れた。
その姿は、まるで海を割る巨獣のようだった。
■南シナ海の緊張
数日後、日本海軍は南シナ海へ到達した。
そこには――
巨大なガレオン船が三隻、商船を囲んでいた。
海軍奉行が叫ぶ。
「敵船、距離三百!
スペインのガレオン船と確認!」
安土丸の甲板に緊張が走る。
鉄砲隊
大砲隊
航海士
水夫
全員が息を呑んだ。
柴田勝家が海軍奉行に言った。
「撃つな。
まずは日本海軍の存在を示せ」
海軍奉行は頷き、旗を掲げた。
「日本海軍、ここにあり」
その旗は、南蛮船にもはっきりと見えた。
■南蛮海軍の反応
ガレオン船の甲板では、スペイン軍人たちが騒然としていた。
「日本海軍だと……?」
「巨大な軍船だ……!」
「大砲の数が我らより多い……!」
「日本は海軍を持ったのか……!?」
船長が叫んだ。
「日本は陸軍だけの国ではなかったのか!?」
副官が震える声で言う。
「このままでは戦になりましょう……!」
船長は歯を食いしばった。
「日本海軍の力を試すしかない……!」
■初の海戦、始まる
ガレオン船が砲門を開いた。
海軍奉行が叫ぶ。
「敵船、砲撃準備!
全艦、戦闘配置!」
安土丸の大砲隊が砲門を開き、
鉄砲隊が甲板に並んだ。
柴田勝家が静かに言った。
「信忠様は戦を望んでおらぬ。
だが、戦を避けるためには、
“勝てる力”を示さねばならぬ」
海軍奉行は頷いた。
「安土丸、前進!
敵船との距離を詰めよ!」
巨大な船体が海を割り、
安土丸はガレオン船へ向かって進んだ。
スペイン軍人たちは息を呑んだ。
「日本の船が突っ込んでくる……!」
「大砲の数が我らの倍だ……!」
「このままでは沈められる……!」
■日本海軍の砲撃
海軍奉行が叫んだ。
「第一砲門、撃て!」
轟音が海を揺らし、
安土丸の大砲が火を噴いた。
砲弾はガレオン船の帆柱を粉砕し、
船体を大きく揺らした。
スペイン軍人たちは叫んだ。
「帆柱が折れた!」
「日本の砲撃は南蛮より正確だ!」
「このままでは沈む!」
ガレオン船は慌てて帆を下ろし、
退却の準備を始めた。
■日本海軍の勝利
海軍奉行が叫んだ。
「敵船、退却!
追撃はするな。
日本海軍の力を示せれば十分だ!」
安土丸は砲撃を止め、
ゆっくりと進路を変えた。
スペインのガレオン船は、
傷ついた船体を引きずりながら南へ退いていった。
日本海軍は――
初の海戦で勝利した。
■世界の衝撃
スペイン
「日本海軍は南蛮のガレオン船を退けた……!」
「日本は海でも強い……!」
ポルトガル
「日本の大砲は南蛮製より正確だ……!」
「日本は海洋国家になる……!」
オスマン帝国
「日本は海軍を持った。
これは世界の勢力図が変わる」
明
「日本は南蛮を海で退けた。
アジアの新しい盟主だ」
世界はついに理解した。
日本は海でも止められない。
■信忠の決意
安土城の天守で、信忠は静かに呟いた。
「父上……日本は海を渡りました。
南蛮の船を退け、
世界へ進む力を示しました。
これからは、海の天下です」
琵琶湖の風が安土城を揺らし、
新しい時代の始まりを告げていた。
南蛮海軍との初遭遇――
それは、日本が“世界の海”へ踏み出す決定的な一歩だった。




