【第十話・後編】母の手紙と、少ない内容
「ママから手紙なんて、何か月ぶりだろ?」
そう言ってワクワクしながら手紙を開いたメリアは固まった。
『やっほーママだよー!来週そっち行くから!じゃっ!』
「………少なっ⁉」
「なんて書いてある……一行しか書いてねえじゃねえか」
思わずの内容に、テディも呆れた様に言った。
「ふむふむ来週、黒き森の魔女様が来るのか」
「そうそう、来週ママが来る……って、いつの間に後ろに!?」
なんかいつの間にか戻ってきていたライルを、メリアはぎょっとした顔で見た。
「これは、早めに式の準備をしておかね……」
「しないって言ってるでしょうがっ!」
そう言ってメリアはライルの脛を蹴る。
「いったっ」
が、痛くなったのはメリアの方だった。
「さて、それでは我はもう行かねば!準備で忙しいからなっさらばだっ!」
「っーーー結婚はしないからなっ!絶対!」
「いや~楽しみであるな~!」
「駄目だこいつ何も聞いてねぇ」
そう言って出て行くライルを呆れたように見ていた。
「……止めなくていいのか?」
「良いでしょ、何時もの事だし……最悪誰か止めてくれるよ。たぶん」
「たぶんでいいのかたぶんで」
「しょうがないでしょ、ボクじゃ止められそうにないんだから」
そう言うとメリアは肩をすくめた。
「……さて、あれは一旦もう置いておいて、こっちだこっち」
そう言うとチラッと横目で二つある箱を見た。
「……何かなこれ」
「お前が頼んだ奴じゃないのか?」
「違うよ。大体からして、ボクが必要なものあったらお店に直接買いに行くじゃない」
そう言うとメリアは、箱の文字を見る。
どちらも茶色い包装紙で包まれ、それを麻紐で結んだ物だ。
「えっと、送り主は……あ、こっちはママか。何送ってきたんだろ?で、こっちは……あれ?宛先かすれてる……」
「開けてみれば分かるんじゃねえか?」
「それもそうだね」
そう言って、メリアはまずママ……ノルティから送られてきた箱を開けた。箱の中には、一個の大きな丸い石が入っていた。
「ああっ!これ前にボクがママに欲しいって言ってた……ドッペルの核だ!ん?何か紙入ってる……」
『PS:なんか旅先で拾ったからついでに送っておくよ!』
「……PSって手紙の最後に書くものじゃないかなぁ。まあでも、嬉しいな」
そう言って、メリアは微笑んだ。
「さて、それじゃもう一個。こっちは何が入って……」
そう言って包装紙を開き、中の箱を開けたメリアは一瞬で閉じた。
「おい、中に何が入ってたんだ?」
その様子を疑問に思ったテディがそう尋ねた時……
「あ!そうだ、メリアよ我が送った荷物は届いたか?我の体から落ちた石で作った婚約指輪だ、是非大事にして……」
「こんなの送ってくるなー!!」
「うわぁああ!投げるなーーー!」
そう言って、メリアはライルに向けて箱ごとぶん投げたのだった。
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