漆話 モドラナイ...
鈴音も教室の雰囲気を以上に感じたのだろう。戸惑っているように見えた。
「皆、ど、どうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!!これは何?」
香苗は泣きそうでしかし怒りの感もある表情で、鈴音にスマホを突き出して画面を見せる。
先ほど俺に見せたあの画像だ。
「あぁ、これか。誰かに取られてたんだねー。まいったまいった」
鈴音は問題がないような感じにおちゃらけた様に言う。
「だからコレは何!!」
香苗の方はもう限界の様だった。怒りを抑えきれていない。
香苗の怒りの雰囲気を感じ取ったのか、教室内の一部の人は不安の情を顔に出す。
俺も不安、恐怖、後悔。あらゆる感情が冷や汗を垂らす。
だが、鈴音は違った。この状況でも笑顔を顔に張り付けていた。
「コレはね、昨日清明君と今話題のカフェにいったときの写真だよ」
「私が聞きたいのはそこじゃないよ!!二人でカフェ行くのはまだいいよ。でもね、なんで二人でカップル用の飲み物を飲んでるの!!」
俺はやましいことは一切ないはずなのに、下を向くしかなかった。
いや、うん。なんでカップル用飲んでたんだっけ?
まぁいいや。どうなたって、もう終わりなんだ。
「あぁ、それはね。実は、私と清明くんは付き合ってるんだ」
「はぁ?この状況で嘘はやめてくれ」
思考するよりも先に口が動いていた。それも慌てたような口調になってしまっている。
あぁ、失敗した。これじゃあ、肯定しているような物じゃないか
「え...」
香苗はただ茫然と虚空を見つめるだけだった。
鈴音を見てはいるのだが、焦点がいまいち合っていないかのように見えた。
そして、目からジワリと涙を浮かばせて走って教室を出た。
俺はそれを追いかけることができずにただその後を見るだった。思考が停止していたのだ。
だが、追いかけるべきと思い行こうとしたところを、鈴音に腕を掴まれる。
「行かないで...」
少し悲しそうな声だった。でも、
「ごめん」
鈴音の手を振り払い香苗を追いかけた。
▲▽▲▽▲▽
教室に向かうと清明くんが扉の前に立っていた。
気まずいと思いつつも、そこに近づく。だって、私が仕掛けたモノだろうから。
行くと教室内は不信や怪訝の感情で冷えきっていた。
何も知らない設定なんだから、とぼけないとだね
「皆、ど、どうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!!これは何?」
香苗は怒りと悲しみの表情で怒りのこもった言葉を放つ。そして、私にスマホを突き出して画面を見せる。
私が信玄に撮らせてあの画像だ。
「あぁ、これか。誰かに取られてたんだねー。まいったまいった」
私は何も知らないけれども、驚きもしない様に言った。
「だからコレは何!!」
香苗の方は怒りが限界に達したのか、結構な声を発す。
清明くんは香苗の言葉に当てられたのか冷や汗を垂らす。
けれども私は、あえて笑顔でいた。
そうすることで、香苗の感情を逆なですることができる。
「コレはね、昨日清明君と今話題のカフェにいったときの写真だよ」
「私が聞きたいのはそこじゃないよ!!二人でカフェ行くのはまだいいよ。でもね、なんで二人でカップル用の飲み物を飲んでるの!!」
清明くんは弁解ができないと思ったのか、俯いた。
ここで決めよう。もうこの一言を言えば関係は崩れ去る。
私は清明くん以外の全てを捨ててでも。手に入れるって決めたんだ。
「あぁ、それはね。実は、私と清明くんは付き合ってるんだ」
「はぁ?この状況で嘘はやめてくれ」
清明くんは直ぐに否定する。少し悲しいな。
でも失敗だね、清明君。そんな慌てたように否定しては、肯定するも同義だよ。
「え...」
香苗はただ茫然と虚空を見つめるだけだった。
鈴音を見てはいるのだが、焦点がいまいち合っていないかのように見えた。
そして、目からジワリと涙を浮かばせて走って教室を出た。
清明くんは追いかけることをせず、ただ茫然と香苗の走っていった方向を見つめていた。
だが、追いかけようとした。
行ってほしくない。私を置いていかないで。彼女を追いかけないで。
「行かないで...」
気が付くと清明くんの手を掴んで、言葉を放っていた。
「ごめん」
清明くんは私の手を振り払い香苗を追いかけた。
あぁ、行ってしまった。
▲▽▲▽▲▽
なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで
なんで、鈴音と付き合っているの?
ねぇ、なんで。
なんで、私じゃないの?
なんで、裏切ったの?
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
二人が仲睦まじそうに飲み物を飲んでいるのを考えるだけで、嫌になる。
もうやだ、誰か助けて。
お願い、助けて。
もう誰も信じられない。
政宗くんには元気そうな面に裏がありそうで怖いし。清明くんは私が告白したのに、その裏では鈴音と付き合っていたようだし。鈴音は私が告白するって言ったのに何も言ってくれなかった。
もう、誰も信じられない。
もう、誰も愛せない。
でも、誰かに助けてほしい時に第一に思い浮かぶのが清明くんだなんて...
「誰か、助けてよ...」
「ごめん」
私の目の前に立っているのは清明くんだった。
何で来ちゃうの...




