公園にハマるチビたち
「父ちゃんこれすげえ!グルグル回る!」
「アルトお兄ちゃんもっと押して!」
セバスと冷蔵庫を屋敷に運び、設置が完了して公園に向かうとすでに遊んでいる子供たちとヴァルグがいた。
「あ、春樹兄ちゃん!これ楽しい!ありがとう!」
フィンが回るジャングルジムで楽しそうに遊んでいたが俺に気が付いて近寄ってきた。
「楽しんでるようでなによりだ。ヴァルグ、家にシルヴィアはいるか?」
「いるがどうしたんだ?」
「いや、子供たち用の服なんかを買ってきたんでな渡しておこうと思って」
「助かるよ、多分毎日遊んですぐ汚すからな。俺たち獣人は魔法が苦手だから浄化とかも使えないし」
確かに浄化魔法は便利だよな、ダンジョンでも浄化魔法があるだけで長く探索でき、女性にも人気だと聞いたことがある。風呂が面倒な時や洗濯すらすぐ終わるなんて、俺も欲しい。
そして俺はヴァルグたちの家に向かった。
「おーい、シルヴィアいるか」
「あら春樹様どうなさいました?」
「いやこれ子供たちの服だ。だがこの世界に獣人はいなくてな、シッポ用に穴が空いたりしていないんだ。裁縫道具はあるんだができるか?」
「ええ、主婦としてお針子もできますわ。チビたちに気を使って頂きありがとうございます」
「こちらこそ俺のスキルで呼んでしまってすまないな。まさか一家全員とは思わなかったが離れ離れとかじゃなくて良かったよ。それで1つ聞きたかったんだが、前の世界でいつ亡くなったとかどうやって亡くなったとか記憶はあるのか?」
「いえ、ありませんわ。私たちがどうやって生活していたかとかどこに住んでいたかなどは覚えているのですが。多分ですが一家全員、それもチビたちも一緒となると強盗とか盗賊とかの類でしょう。神様の配慮で記憶を消して頂いているのかもしれませんね」
「そうか、言いづらい事を聞いてしまった、すまない。今後もちょっとした事でもいいから何かあれば言ってくれ」
「それなら1つだけよろしいでしょうか?セバス様から畑の野菜などはまだ収穫出来ないので春樹様が食事を買ってこられみんなで食べているとお聞きしたのですが、材料さえ用意して頂ければお作りいたしましょうか?」
「っ…いいのか?」
「ええ、今までも作っていましたし今のところ私はすることがあまりないですからね。そのくらいはさせてください」
「ありがとう助かるよ。作る場所は屋敷のキッチンを使ってくれ、後で食材などは準備しておくよ」
すっかり忘れていたが料理を作れる人も必要だったよな、シルヴィアがいて助かった。さすがのセバスも料理は無理だろうからな。
それにしても家などは金がかからないにしても家具や家電に金がかかるな、初期投資とはいえ後から稼いで回収できるか不安になってきた。
貯金がなければこのスキルを手に入れても何もできずただ一人で自給自足するだけで終わっていた可能性すらある。ブラックだったとはいえ給料が良かったことだけは感謝しなければいけないな。
ところでアイちゃん、箱庭レベルを3にするにはどうしたらいいかな?
『箱庭レベルを3にするには住人を10人まで増やすか建築物を10個設置することで可能です』
1度承認された兄貴なんかは住民として換算されるのかな?
『はい、1度でも承認された方は住民扱いになります』
それなら俺や兄貴にセバスとアルト、ヴァルグ一家にドワーフのガンナー合わせて9人。
それとも屋敷に木の小屋、新しく設置した家3軒に工房と公園で7軒。ガンナーが工房で寝泊まりしながら自分の家を建てると言っていたから残りの家は2軒あるし、ここは住民をあと1人増やして……いや従者1人増やすのもありか。それなら屋敷の空いているところに住めば家はまだ残しておけるしな。
俺は屋敷に戻りセバスに従者を1人増やすことを伝えた。
「セバス、メイドを1人増やそうと思う。あと1人増えれば箱庭のレベルがあがるんだ」
「ご主人様、ガチャでメイドが出るのが確定しているのですか?」
「いや、今なら可愛いメイドが出てきそうな気がしているだけだ!」
「……ご主人様は可愛いメイドがお好きなんですね」
っ、アルトよそんな目で見ないでくれないか。ハーレムのためには可愛いメイドは必須なんだ!
「アルト、ご主人様を見習ってはいけませんからね」
「はい!わかりました!」
「そこ!聞こえてるからね!」
「聞こえるように言ってるのです」
「セバス!」
本当にこの従者たちは遠慮というものをしなくなってきた。堅苦しくなく気が知れていいが、困ったもんだ。可愛いメイドは正義だというのに。




