待ちに待ったメイド?
爆死というのは当たるまで引けば爆死ではないのだよ、と誰かが言っていた気がする。
そう、メイドが欲しい。なら出るまで引けばいいじゃないということだ。
だからといって66連何も出ないのは話が違うじゃないか。次は77連目だ…
──ガラガラガラガラポンっ
(N)薬草
(N)薬草
(R)銀インゴット100kg
(SR)元王宮家政婦長 マーサ 62歳
(N)パン10個
(N)木材
(N)パン10個
(N)木の木剣
(R)初級ポーション
(N)木材
(N)花の種
「やった!可愛いメイ……ドが」
「当たりですな」
「良かったですねご主人様!」
「……違う」
「違いません」
「お初にお目にかかります坊っちゃま。元王宮家政婦長をしておりました、マーサと申します」
どうしてこうなった。確かにメイド……いや、メイドのトップの家政婦長が出てきたのは嬉しいことだ。だが62歳のトップじゃなくて見習いでもいいから若いメイドの方がいいだろう!700ポイントも使ったのに!
「よろしく頼むよ……マーサ」
いや、優秀なのは間違いないんだ。ポジティブに捉えよう、本来なら俺みたいな一般人にはありえないような従者たちが揃ってきたんだ。アルトはまだ見習いとしてもいずれ立派な従僕になるだろうし、すでに家令としてのセバスや家政婦長のマーサ。この上ない人選だ。後は若手が増えれば指導係もいることだし完璧、そう全てここまで完璧なんだ。
「セバス、マーサに説明頼んでもいいか?俺はレベルアップした箱庭を詳しく調べてくるよ」
「かしこまりました、こちらで説明は済ませておきます」
よし、俺は一旦部屋に戻り現実逃避してこよう。今日の夜は枕を濡らして寝ることになるだろう。
アイちゃん、箱庭レベル3になったけど何が出来るの?
『森林エリアの解放が可能になりました。解放には100ポイントが必要です』
▽箱庭レベル3
【エリア】 平原 森林 ※解放には100ポイント
【地形編集】
【畑生成】
なるほど、森林エリア解放の他には特にこれといった追加機能はなしか。
従者ガチャで77連して1800ポイントになったがレベルアップで2800ポイントになったし解放してもいいな。
森林エリアではなにができるんだろう?
『モンスターや動物、木の実や薬草など色々な物を狩ったり採取したりすることが可能です』
「子供たちがいるのにモンスターなんて危なくないのか!?」
ついつい念じれば話せるのに、びっくりして声に出してしまった。
『エリアに結界が張られているのでモンスターや動物は森林エリアから出ることはありません。また、モンスターを倒しても一定時間でリポップする仕組みになっています』
てことは、森林エリアに入らない住民は安全で、冒険者などが森林エリアに入ってモンスターや動物を狩れば安定して食料が手に入るってことか。俺は戦闘スキルを持っていないから不安だが、肉なんかが無料で手に入るって考えればこの街でもだいぶ助かるよな。
まあとりあえず森林エリアの場所を決めてしまおう。さすがに咆哮とかうるさかったら子供たちも怖がるかもしれないし、住宅街からは離すけど歩いて行ける距離にしよう。
後でみんなには森林エリアを解放したことと、子供たちが間違って入らないように言っておかないと。入らないように柵なんか作れないかガンナーに頼んでみるか。
俺は一旦現実の自分の家に戻り食材とガンナー用に酒を買ってきた。ドワーフといえば酒が好きだって有名だからな。
「ただいまみんな」
「おかえりなさいませご主人様。マーサには説明が済んでいます」
「助かったよセバス。マーサも改めてよろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします、坊っちゃま」
「……マーサ、坊っちゃまはやめないか?」
「あら、どうしてでございますか?」
「俺はもう24なんだが」
「まあ!私からしたら赤子とかわりませんね」
「もう、好きにしてくれ。それより食材を買ってきた、冷蔵庫に入れておくからシルヴィアが料理する時には手伝ってやってくれ」
「いずれ食事は分けるのですよね?」
「多分そうなるな。今はヴァルグ家に冷蔵庫とか家電がないから一緒に食べるが、家電がそろったら家族一家で食べたいだろ。だから、それまでだ」
「かしこまりましたわ、それ以降は料理人が来るまで私が料理担当を致します」
「ありがとうマーサ、助かるよ」
それから俺はガンナーがいる工房に向かった。




