結婚・出産
ロス五輪から失意の帰国後、メンバーに驚きの発表が。結婚と妊娠、しかも相手は。
半年後には無事に出産する。
ロス五輪が終わり、七海は帰国後1週間休養をもらった。
復帰の日、七海が話があると、さくらと陽菜を呼んだ。
藤森も同席していた。
陽菜「なんか、嫌な予感」
さくら「えっー引退とか? よしてよ」
七海が切り出した
「実は私...」
さくら「なに、なに?」
陽菜「はやくう!」
「藤森さんと結婚することにしました!」
陽菜「へ?なにそれ?」
さくら「ちょっ、意味わかんない」
「それと、お腹に赤ちゃんがいるんだ」
陽菜「えええっつ?」
さくら「うわー、マジでぇ?」
二人は驚きを隠せなかった。
はるな「いつから、いつから?」
さくら「どうして?」
藤森が話した。
「つき合うようになったのは、七海が大学卒業して寮をでてからだよ」
陽菜「そうか、びっくりだね。でも、おめでとー」
さくら「うちらの中で第一号、良かったね」
陽菜「幸せになっていいんだよ」
「ありがとう。歓迎してくれて」
七海は小5で光が岡園に来たが、両親とはすこぶる仲も良かった。放火殺人で突如失ったのだ。親子のぬくもりはしっかりと覚えていて、家族がずっと欲しかったのだ。
藤森は、七海より13歳上だが、実年齢よりかなり若く見える。世界陸上には補欠のリレーメンバーだったのが、主力のケガ等で出番が回ってきてメダルを獲った。しかも20代後半での出場で、チャラい外見とは違い苦労してきたのを知っていた朝倉が滝野川大の監督に推薦し、学長の石橋が承認した。3人を受けれて半年後に前妻とは離婚していた。児童養護施設出身でバスケ部だった3人がストイックに陸上に打ち込む姿を観て、改心し、いつのまにかチャラさはなくなっていた。大学卒業して、自由に恋愛をしても良くなった3人で、七海と気が合ったのだった。
さくら「みーなな、陸上は辞めるの?」
「いや、辞めないよ。1年かちょっとしたら、戻るつもりだよ」
陽菜「そっか、良かった」
その頃、結衣は越前ナイトゲームスという大会に100mで出場し、追い風2.0mの絶好の条件で10.97の日本新、日本人女子で史上初の10秒台をただきたしていた。
▽半年後
産婦人科
「おぎゃぁ、おぎゃぁ、おぎゃぁ」
助産師「はーい。元気な赤ちゃん、産まれましたね。ママでしゅよ」
七海「ぜぇ、ぜぇ、ありが..とう...ございます」
藤森「七海、ホントによく頑張った。ありがとう」
13時間の難産だったが、2942gの元気な男の子が産まれた。
藤森も立ち会っていた。
七海「赤ちゃん、かわいいね」
藤森「ああ、小さいし、でも元気な子で良かった」
1週間後、七海は赤ちゃんと一緒に無事に退院した。
その数日後、藤森と七海の自宅にさくらと陽菜が訪れた。
さくら「みーなな、おめでとう!」
陽菜「これ、どうぞ」
「ありがとう。うれしい」
藤森「気を使わせてすまないね」
さくら「いいえ。フジさん、丸くなった?」
陽菜「赤ちゃんは?」
「うん、今寝てる。こっちきて」
隣の部屋に行くと、ベビーベッドに赤ちゃんがちょこんと置かれているかのように眠っていた。
陽菜「かわいいー」
さくら「天使だねー」
陽菜「名前はなんていうの?」
「陸翔だよ」
陽菜「へぇ、かっこいいね」
さくら「まさにサラブレッドだね」
陽菜「どっち似?」
さくら「パパみたいに将来茶髪はだめよ」
藤森「おい! いいじゃないか」
「ダメに決まってるでしょ!」
ハハハハ
新しい生命が皆を幸せにした。七海は実の両親を亡くし、光が岡園の父のような本橋も亡くしていたから、特別な想いがあった。
「ところで、リレーはどうなってるの?」
さくら「えっ?うん、まぁ、ボチボチかな」
「何それ、大丈夫?」
陽菜「うん、ちゃんとみーななが戻ってくるまでウチらで日本記録縮めておくよ」
「はるはる、頼もしいわね」
2人は家を後にした。七海不在の穴は大きく、リレーも個人種目もふるわなかったが、心配させたくないと思って言わなかったのだ。
つづく
◎登場人物
田原七海/みーなな 166cm 知恵袋
藤森健次郎 滝野川大監督 元世界陸上リレーメンバー
中川さくら/さくちん 158cm あねご肌
桜井 陽菜/はるはる 175cm 物静かな美人
充電によりトリオが欠けて、さらなるステップアップに新しい学びに出る。




