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17バッハ バハムートちゃんプルプル攻防戦

 バハムートちゃんはグヌヌしていた。 勿論ニューフェイス麒麟ちゃんの事である。 麒麟ちゃん?何故そう呼ぶか気になったリーダ諸君、見た目バハムートちゃんより幼児な麒麟が麒麟ちゃんでないわけがない。 いいね。

 人の齢にして6歳位、バハムートちゃんが見た目正統系美少女なら麒麟ちゃんはおっとり系の美少女なのだ。 その、ぼんやりぃとした眼で毒吐いてほしい大きいお友達はたくさんいることであろう。

 

 さて、麒麟ちゃんはフェンリルが大層お気に召したらしい。 まぁ、清楚で可愛くていい匂いで柔らかくておっぱい大きかったら、嫌う人探す方が難しいよね。

「……旦那、オレちょっと考えてるんすけどね……」

 麒麟ちゃんの事が面白くない第2号である。第1号はもちろんバハムートちゃんである。 フェンリルにじゃれついてる麒麟ちゃんを見てこっそりバハムートちゃんに耳打ちする。

「麒麟様って自分の事『ボク』って言うじゃないっすか、見た目からボクっ娘かと思ってたけど、実は男って事ないっすかね?」

 真顔である。 じゃれあってても、おねぃさんと幼女ならまだ許容ではあるが、ショタなら話はかなり変わってくる。 男子は園児あたりで既に興味を持つものである。おっぱいに。 さりげなく無邪気に触っているのが実は計算されたモノであったなら、それはギルティである。

「ふむ、そうだな……よし、我が確認してきてやろう」

 バハムートちゃんはさりげなく麒麟ちゃんに近づきにこやかに聞いてみた。

「お主、ちんちんついておるか?」

 パ────ン!!とバハムートちゃんは顔を赤くした麒麟ちゃんに平手をお見舞いされてふっ飛ぶ。 女子はいくつであろうとデリカシーのない下ネタには厳しいのだ。

「そういえば、我も幼女だけど『我』と言っておるではないか!!」 爆笑していたイフリートはしこたま怒られた。

「そもそも麒麟は優しい精獣ではなかったのか?! とんでもなく凶暴ではないか!」 

「ボク、いいこやめた!」

 イヤ、やめるなよ……バハムートちゃんとイフリートは心の中でつっこんだ。

「……いいこにしてても、何も、護れなかった……」

 しょんぼり俯く麒麟ちゃんを取り巻く空気がどんより重くなる。 バハムートちゃんとイフリートは今コレ出すのはなんかズルいなと思ったが、事情が事情なだけに突っ込めずにいた。 そんな麒麟ちゃんの頭をフェンリルは優しく撫でてあげながら言う。

「いいこじゃなくていいんですよ」 えへへと愛らしい笑顔を浮かべてフェンリルの胸に顔を埋める。 これでふりだしに戻ると思いきや、麒麟ちゃんはバハムートちゃんを見る。

「ねぇ、バハムート」

「ぬ?なんだ?」 思わず構える、パ──ンは相当堪えているらしい。

「これ、ちょうだい」 フェンリルに抱きつきながら言う。

「な────」 バハムートちゃんとイフリートは絶句する。

「ふ、ふざけるな!! フェンリルは我の配下だぞ!いい加減にしろ!」

「お前にはそいつがいるからいいでしょ、ちょうだい!」 イフリートを指差しながら言う。

「では、お主には此奴をやろう」 そう言いながらイフリートを差し出す。

「此奴はこれでいて、なかなかのママみがあるぞ。 存分に甘えるがよい!」

「そいつヤダ、硬い」

「我だって柔らかい方がいいわ!」

 やいのやいの、もはや内容は子供のケンカではあるが、押し付けあわされてすっかり白目の面白くないイフリートは反撃の一手にでる。

「あれれ〜〜?そんな事言ってるけどいいんすか〜? 旦那も麒麟様もオレの魅力わかるのはまだまだ早いっすからね〜、あと10年もしたらそっちの方からスキスキ〜抱いて〜〜って、◯◯を◯◯して擦り寄ってくるっすよ」

 腰をくねらせながら笑うイフリートはとんでもなく恐ろしい眼で3人から睨みつけられて、ガクブルしながら撤退を余儀なくされた。 惨敗である。

「よし、わかった! ではフェンリルに選ばせよう! これなら問題はないな?」

「わ、わたくしですか……?」

 動揺するフェンリルの前にちょこんと2人は正座して、つぶらな瞳をキラキラさせながら見つめる。

 バカめ!まさかフェンリルがこの我を選ばないわけがないであろう。うむ、バハムート教だしな。 

 バハムート教ってなんぞ?と言っていたくせに、自分でもよくわからないモノに縋り出した。 チラと麒麟ちゃんを見る。 捨てられた子犬のようにフェンリルを見つめている。なんなら少しプルプルしてる。 どこぞの世界でいうなら、チワワの必殺技である。

 此奴、自分を可愛く見せる術を熟知しておる……恐ろしいコ!! バハムートちゃんは白目にならざるを得ない。 

 ま、まさか我を選ばないなんて事はないよな……? 我こんなに可愛いんだぞ? バハムートちゃんは青ざめ違う意味でプルプルし出した。 

 一方フェンリルはというと、言うても自分の世界の神様の様な存在2人に言い寄られているのだ、心に決めてる人がいてもそりゃ迷うよね。両方ともプルプルしてるし。

 ……あぁ、まさかわたくしにこの様な夢のような事が起こるなんて…… そっと2人を見る。どちらもプルプルしていた。

 ダメ!選べない!わたくしにはどちらかを選ぶなんて!! でも……もし、許されるのであれば……お二人を、お二人とも選ぶ事ができるのだとしたら───フェンリルは3人での夢の様な時間を想像した。 それはあまりにも夢女子全開な妄想で、フェンリルは大量の鼻血を噴出して前のめりでキュン死した。 コイツも大概だなとイフリートは苦笑した。


 フェンリルのキュン死で勝負どころではなくなった2人は、結局引き分けという形で決着はうやむやになった。


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