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episode11 第4収容所襲撃計画

 第4収容所は第6収容所に比べると、罪の重い囚人が入るので警備も重くなっている。帝国イリューク。第6収容所よりも遠くにある。今回は混乱に乗じるために休む暇なんてない。イリュークはデッドパークほどの敷地はないがビルのような、13階の高い塔のような石造りになっている。前回と計画自体はあまり変わらない。1.2,階と12、13階は兵士の階だ。最後に塔を崩して終わり・・・という感じだ。

 

 「とりあえず、全員で1,2階の兵を片付ける。そのあと全ての階のドアに昨日と一緒だな。これをとりつけていく・・・分かったか?」

 「今回は形が違うからな〜。大丈夫かな?」

 「第6収容所の片づけでそこまで人事は十分でないはずだ。ある意味でチャンスなんだ!」

 「そうかなぁ。」

 「とりあえず、3、4階はシース、5、6階はピック、7、8階はウィン、9階はセイラ、10階は俺が担当だ。」

 「非常用の鉄の階段から行くから、上階の担当の方が登るまできついが・・・数はこなさなくてもいい。」

 「ん。了解。」

 「爆弾足りるのか?」

 「今作っている。」

  

 連続での襲撃計画は結構ドタバタだ。俺はあのあと少しだけ眠った。それでまた会議やら爆弾作りやらを

していた。きっと皆あまり寝ていないだろう。いや、・・・眠れたわけがない。 そして俺達は、そのまま列車に3時間揺られ、イリュークに着いていた。昨日の疲れも癒えていないがやるしかない・・・。 


 「行け!!」

 俺達は昨日とは変わった襲撃作戦で、収容所を奇襲した。さすがに新人ばかりは置かないか・・・昨日よりは確実に腕の立つ兵がいる。まとめて縛り上げて通報できないようにする。1、2階を占拠すると、俺達は各階に散った。

 同じく爆弾をくくりつけていく。俺は2階分担当だから急がないと・・・!

 「うわああああ!!!!」

 叫び声だ!!誰だ?!下の階・・・!!ピックか!!俺は急いで階段を駆け下りた。

 「ピック!!どうした!!」

 「ウィン!!チルドレンが・・・!!」

 「この!!」

 俺はチルドレンを塔の外に剣で切り捨てた。

 「悪い・・・油断した・・・まだいるぞ!気をつけてくれ!」

 「ああ。大丈夫か?しかし何でチルドレンが?」

 「分からない・・・。」

 「!!!やばい!!ピック!!!伏せろ!!!」

 「え?!」

 「いいから!!!」

 ウィンがピックの頭をわしづかんで押し伏せた。その瞬間、くくりつけた爆弾が爆発した!!! 


 「う、うわあ!!」

 爆風で飛ばされそうになる。

 「な、なんで・・・?!タイマーは30分後だし、こんなに大きい爆発は・・・」  

 「チルドレンが爆弾を齧ってたんだ!体液に引火した!誘爆する!!逃げろ!!」

 「ま、まじ〜〜?!」

 続いて爆発が続く。爆発は予想以上の大きさだ。どうやら雲行きがよくない。

 「まずいな・・・これじゃ最上階の兵士に気づかれる・・・!イエローが・・・!」

 「うわああああ!!チ、チルドレンが・・・!!」

 「シースの声だ!!」

 「くそっ!!」




 


 ―10階

 「イエロー!!どこにいるの?!」

 セイラはイエローの声を聞き10階にいた。煙が上がってくる。

 「テロリストだ!!!」 

 「やれ!!殺せ!!」

 「女だ!!」

 セイラは剣で兵士を切っていくが、数が多く、下の階から上がってくる煙も濃くなっていた。

 「っ!!」

 咳き込んだ隙に、セイラの腕から剣が弾き飛ばされた。

 「今だ!!やっちまえ!!」 

 後ずさり、金網に黒髪にカツラが引っかかる。そのままずるりとカツラが取れ、金の髪が露になった。

 「!!お前・・・!」

 兵士がセイラの髪を鷲づかみにする。

 「やっ・・・!!」 

 「金髪・・・金の目!!貴様、政府のお尋ね者だろう!?何でこんなところにいるかは知らないが、お前を生け捕れば・・・謝礼がもらえるって話だぜ!」

 「離して!」

 「おとなしくしろ!!」

 兵士は警備の為持っていたスプレーを懐から取り出し、セイラの顔に手掛けた。

 「・・・っ!!」

 頭がぐらりとする。そこに兵士から腹部に拳が入れられ、セイラはそのまま前に倒れこんだ―。


 

 誘爆が止まらない。上階も爆発し始めた。

 「くそ・・・!!」

 「もうだめだ。撤退だ!!」

 「でも・・・イエローとセイラが・・・!!」

 「・・・俺が行く。」

 「?!間にあうのか!?」

 「ピック・・・いいから、行ってくれ。みんなによろしく伝えてくれ。」

 「ウィン!!待て!!お前も・・・死んじゃうかもしれないんだぞ?!俺は、嫌だ!やだよ!!!」

 「イエローはウィッシュテールのリーダーだ。こんなところで死なせない。・・・セイラは覚えていないかもしれないけど、借りがあるんだ。それに、俺は・・・守るっていったんだ。あいつに。」

 「ウィン!!!」

 「頼んだぞ!ピック!生きて帰れよ!!生き残ったら必ず連絡するから・・・!!」

 「ウィーーーーーーーン!!」


 

 

 ―最上階―

 「キディ様!!偵察のところ申し訳ございませんが、テロです!!急遽お逃げください!!」

 「何だと?!さっさと片付けろ!!」

 「いや・・・もうこの収容所はだめです!!」

 「何だと?!」

 「キディ様!!」

 「何だこんな時に!!キディ様は今から避難されるんだ!!後にしろ!!」

 「あ、いや、もうしわけございません・・・!政府指定の探し人を発見いたしまして・・・!」

 「探し人?よくやったが、私の管轄ではないな。」

 「そうだ!こんな時に!貴様もさっさと避難するんだ!!」

 「で、でも金髪の女で・・・謝礼をいただけると・・・」

 「金髪の女だと?!どこにいる?!連れて来い!!」

 「はい!!こちらに!!よいしょ・・・眠らせたのですが・・・」

 「キディ様、しかしこの塔はもう・・・」

 「・・・確かに・・・この顔だ。ははは・・とうとう戻ってきたか。」

 「・・・キディ様?」 

 「屋上に救助をよべ。彼女もマテリアルに連れ帰る。」

 「は、はい!!!」

 「しかし・・・こんなところでまたお前に会えるとは・・・。」

 「キディ様、この女は・・・お尋ね者では?」

 「ふふ。君には政府から謝礼が出るだろう。」

 「ほ、ホントですかー!!」 



人がところどころに倒れている・・・。それを横目に俺は鉄の階段を駆け上った。セイラ・・・!イエロー!どこだ・・・?!爆発音が響いている。自分の仕掛けた爆弾が自分の命を脅かすなんておかしな話だな。

 

 俺は無言で兵士を薙ぎ払った。声もなく、地上に落ちていく。左目が・・・心臓が熱い。俺を止めないでくれ。今は、手加減なんて出来そうにない。体中が煮えたぎっているようなんだ。

 不思議と、俺はセイラが居る方向が分かっていたような気がした。何故かセイラの気配を感じていた。だからただひたすらに邪魔をする者を切り払って、上を目指していた。最上階・・・!!ドアを開ける。そこに・・・セイラがいた!!

 「・・・!セイラを・・放せ・・・!!」

 「・・・な、何だ貴様は!!キディ様、お下がりください!」

 「その返り血、テロリストか?!この女の仲間か?!」

 「彼女を・・・離せと言ってるんだ!!」

 俺は兵士に切りかかった。一気につぶす!!!二人の兵士を切り倒し、奥の偉そうな男の首に狙いを定める・・・!!

 「何?!」

 「これは早いな・・貴様、何者だ?」

 「・・・今のは・・・?」

 確実に剣は当たっていたはずだった・・・だが何か柔らかいものに・・・弾かれた・・・!!

 「うん?貴様・・・レッドアイか。ネームとコードナンバーを言え。任務を間違ってはいないかね?」

 「俺は政府の犬じゃない!!!」

 「おかしいな。・・・貴様は・・・」

 「うるさい!!!」

 奴の手から何かが・・・触手のようなものが伸びて、俺は首を掴まれて壁に叩きつけられた。

 「ゴホっ・・・な・・・っ」

 良く見ると、奴の腕には見たことのないチルドレンが巻きついている。チルドレンを操っているのか・・・?!まさか・・・そんなことが可能なのか?

 「・・・意思があるのか?・・・なんだ貴様は?レッドアイではないのか?」

 「は・・・離せ!!!」

 「暴れるな。この触手はそう簡単には・・・」

 「うおおおおおお!!!」

 俺は触手を両手で千切り剥がした。チルドレンの体液があたりに飛び散る。剣を拾う。こいつは何だ?!チルドレンを自在に操るなんて・・・!!

 「貴様!!」

 セイラを抱き起こす。何かやられたのか、これだけの騒ぎの中で目を覚まさない・・・!

 「セイラ!!起きろ!!!」

 「その女は渡さん!!」

 「・・・何故セイラを狙うんだ?!」

 「貴様には関係のないことだ!貴様はここで死ぬのだから!!」」

 左手にもチルドレンを仕込んでやがる・・・!!触手が俺えておこうに向かう。避けきれない・・・!剣で防げるかどうか・・・!!その時、セイラが目を見開いた。一瞬火花が散った気がした。バチッという音と共に、剣に当たる前に触手が弾かれた!

 「?!」

 何が起こったんだ?!とりあえず助かった・・・!俺は間髪いれず奴に斬り込んだ。

 「ぐああああああ!!」

 止めを刺してやりたいが、もう時間がない!!

 「うぃ、ウィン・・・。」

 「大丈夫か?!セイラ、イエローは?!」

 「ごめんね。イエローはいなくて・・・」

 「そうか・・・分かった、逃げるぞ!!」

 「貴様、ただで済むと思うな!!絶対に殺してやるからな!!!」

 その時、建物が大きく揺れた。崩れ始めたんだ・・・!!下に降りるか・・・!!しかしもう時間が・・・!! 

 「ウィン・・・。みんなは?イエローは?」 

 「・・・・心配するな。皆無事に逃げた!」

 「そう・・・良かった。」

 「次は、俺達が逃げるんだ!」

 

 俺は屋上の鍵を壊した。政府の施設なら戦闘機の一つくらい・・・と思ったら1つだけ、かなり古い飛行型戦闘機がおいてあった。皆逃げ出す時に立派なものは使ってしまったんだろう。当然か。

 「乗れ!!セイラ!」

 錆付いたドアを開け、セイラを乗せる。

 「頼むぜ・・・」

 鍵穴を壊して回し、スイッチを入れる。ガラガラと頼りない音を立てて羽根が回りだす。一応戦闘機の操縦は兵士の時に勉強した・・・。が、型が古すぎて余りよくわからない・・・。燃料はあまりないが、飛ぶくらいはあるだろう・・・。ここにいたら確実に終わりだ!!

 「いくぞ!!しっかり掴まってろ!」


 古い飛行型戦闘機はぐらつきながらも飛び立った。

 「ウィン、すごい・・・!飛んでる!」

 「ああ・・・。」 

 炎上する第4収容所に夜の街は照らされていた。手の力が抜ける。体中が心臓になったようだ。熱い。

 「ウィン・・・?」

 俺は、操縦官をもつ手が震えるのを感じた。景色が霞んでいく。

 「ウィン!?」


 セイラの声が、遠くに感じた。

 

 「ウィン!!!!!起きて・・・!!!」

 


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