表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/84

# 第三部・春編 ## エピソード82 ### 「締切は愛より強いです」









# 第三部・春編


## エピソード82


### 「締切は愛より強いです」


---


三月下旬。


---


旅行から帰って数日。


---


恒一は職員室で新年度の準備に追われていた。


---


大量の書類。


---


恒一

「終わる気しねえ……」


---


スマホが震える。


---


夏音


「助けてください」


---


恒一


「どうした」


---


夏音


「人生最大の危機です」


---


恒一


「重いな」


---


夏音


「編集者が怖いです」


---


恒一


「何した」


---


夏音


「締切を三週間過ぎました」


---


恒一


「お前が悪い」


---


既読。


---


夏音


「先生まで敵です」


---


---


翌日。


---


夏音は出版社に呼ばれていた。


---


会議室。


---


静か。


---


目の前には一人の女性。


---


黒川真琴。


28歳。


---


黒髪。


眼鏡。


仕事ができる顔。


---


そして。


---


笑顔。


---


その笑顔が怖い。


---


黒川


「夏音先生」


---


夏音


「はい」


---


黒川


「締切は」


---


黒川


「愛より強いです」


---


夏音


「申し訳ありません」


---


即謝罪。


---


黒川


「旅行でしたか」


---


夏音


「……はい」


---


黒川


「恋人ですか」


---


夏音


「はい」


---


黒川


「なるほど」


---


メモする。


---


夏音


「何を書いてるんですか」


---


黒川


「敵の情報です」


---


夏音


「敵じゃないです」


---


---


数時間後。


---


打ち合わせ終了。


---


夏音はぐったりしていた。


---


スマホを取り出す。


---


夏音


「生きてますか」


---


恒一


「それこっちの台詞」


---


夏音


「編集者に怒られました」


---


恒一


「当たり前だ」


---


夏音


「慰めてください」


---


恒一


「原稿やれ」


---


既読。


---


すぐ返信。


---


夏音


「先生」


---


恒一


「ん?」


---


夏音


「冷たいです」


---


恒一


「締切守れ」


---


---


そのやり取りを見ながら。


---


夏音は少し笑った。


---


疲れていた。


---


打ち合わせも大変だった。


---


でも。


---


こうして連絡する相手がいる。


---


それだけで少し元気になる。


---


---


夜。


---


原稿を書いていると。


---


スマホが震える。


---


恒一


「頑張れ作家」


---


一文だけ。


---


短い。


---


でも。


---


夏音は思わず笑った。


---


夏音


「はい」


---


そして。


---


もう一度キーボードに向かう。


---


言葉を書く。


---


未来を書く。


---


その先にはきっと。


---


読者もいる。


---


でも。


---


まず最初に読んでほしい人がいる。


---


教師の恋人。


---


自分の一番最初の読者。


---


朝倉恒一だった。


---


### 次回


## エピソード83


### 「編集者、恋人を尋問する」


黒川、ついに恒一と遭遇。

夏音が真っ青になる事件が発生する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ