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第1話 推しカプの片割れに憑依しちゃいました!?


 朝の眩しい光で目が覚めた。

 視界がはっきりしてくると、夕べの出来事は夢じゃなかった事が理解できた。

 知らない天井に知らない部屋。

 見慣れない顔に隣にいる推し小説の主人公。


 いやいやおかしいよね。

 なんで私が小説の世界に来る必要があるの?

 もしかして文葉は死んだのか?

 誰かなんとか説明してくれよ!


『ええい!うるさい!』  


 突然頭のなかに声が響いてきた。

 そして目の前が真っ白な世界へと変わっていた。


 『せっかく朕の世界を豊かにしてくれそうな人材を引き抜いたというのに、うるさいぞお前!』

 『いや、えっと貴女はどちら様でしょう?』

 『朕はこの世界の神リサメじゃ!』 

 『神様?』


 こんな小さいロリみたいな人が?


 『お前!失礼なことを考えておったよのう?』


 げ、バレてる。


 『いいえ、そんな事はありません』

 『まぁいい。お前にはこの世界の均衡を保ってほしいのじゃ!』 


 え、なんで私に?


 『どうしてですか?』

 『いや、知り合いの世界を偵察していたら朕の世界で起きた恋路を小説に書き表したものに対して「私がその世界にいってやり直したい」と思っている都合のいいやつがいたから憑依させたのだよ』 

 『そんなことして大丈夫なんですか?それにもとのルナはどうなったんですか?」

 『実はもうとっくにルナの心は壊れていたんだよ。それを回復させる間だけでいいからさ』

 『そう言われても⋯。じゃあ、文葉は死んだってことですか?』

 『死んでいない。君の大学には休学すると伝えてある。それからルナとアヤハ、君たちの魂は融合していていつでもお互いの体になれるからさ!じゃ頑張ってねー』


 その言葉を残して神リサメは消えた。

 気づけばルナの部屋へと戻っていた。


 そうして私は推しカプの片割れとして生きていくことが確定しました。

 いや、こう言う時ってさ主人公とか、悪役令嬢とかになって破滅フラグを回避したり溺愛されたりするのが普通じゃないの?

 あとはモブになって推しをバッドエンドから回避させたりとかさ。

 なんでよりによって冤罪で追い詰められて心中してしまう義姉なわけ?


 ふぅ、一旦落ち着くんだ私。

 さっき文葉の姿になれるとか神様が言ってたけど本当なのかな?


「文葉に戻れー!」


 すると眩しい光が現れ自分の姿が変化して行った。

 鏡で自分を見ると、本当に文葉の姿に戻っていた。


「マジか…」


 まじまじと自分の姿を見つめている時だった。


「ルナ…?おはよう」


 アリスが起きてきてしまったのだ。

 慌ててもとのルナの姿に戻る。


「アリスッ、お、おはよう」


 やばい焦りすぎて声が裏返ってしまった。


「さっきまで誰かいたの?」

「誰もいなかったよ。私がドタバタしてたからそのせいかもしれないわ。起こしちゃってごめんなさいね」


 ふ、普通に話せた!

 よしこの調子でいくぞ。


「ううん、大丈夫よ。でもどうしてこんな朝早くに起きていたの?」

「学院に向かうための準備日だもの!早く起きていたほうがいいでしょう?」

「そう?それならいいんだけど。じゃあお手洗いに行ってくるね」

「⋯うん?」


 テンパって部屋から駆け足で出たのはいいものの、アリスの寝起きの破壊力は半端なかった。

 私が男だったら襲っていたかもしれない。

 アリスを他の男に渡すのは正直嫌だが、ユーリ様の話をするときはめちゃめちゃ嬉しそうなんだよな。

 まさに恋する乙女って感じで。

 だからこそ、私はルナ=フォンテーヌとして、義姉としてアリスのそばで守るんだ。


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