↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/41

第二十四話 分家四人の葛藤

悠太が去ったあと。

四人は、しばらくその場に立ち尽くしていた。

「…………」

「……考えてみて、か」

一人がぽつりと呟いた。

「……驚いたな」

「ああ。まさか、あんなことを言われるとは思わなかった」

本家からお付きに指名されれば、従うしかない。

それが当たり前だった。

「……本当に、変わったお方だな」

普段から発言の少ない一人は、その言葉にひそかに頷いた。最初に「よろしく」と言葉を返され

た日から、どこか違うと思っていた。

「そうだな」

再び、沈黙が訪れる。

やがて、一人が口を開いた。

「……お前たちは、どう思う?」

「…………」

「誠人様のことは信頼している」

「……俺もだ」

「命を救っていただいたことも、一度や二度じゃない」

四人は、それぞれに頷いた。

「……だが」

その一言に、全員が顔を上げた。

「……覚えているだろう。俺たちと同期だった、あいつのことを」

「…………」

「……ああ」

誰もが覚えていた。

優秀な術師だった。

同期の中でも頭一つ抜けた実力を持ち、将来を期待されていた。

そして、本家のお付きに選ばれた。

だが、その才能を妬んだ主人によって、昇進の道を閉ざされ――最後には、すべてを失った。

「……あいつほどの実力があっても、ああなったんだ」

「…………」

「お付きになれば、俺たちの人生は主人次第になる」

「……分かっている」

「誠人様を疑っているわけじゃない。ただ……」

言葉が途切れた。

しばらくして、別の一人が口を開いた。

「……俺は、誠人様があのようなことをするとは思えない」

「……ああ。それは俺も同じだ」

「だが、先のことまでは分からない」

「…………」

四人は黙り込んだ。

やがて、一人が小さく笑った。

「……それにしても」

「……ん?」

「考えてみて、だなんてな」

「…………」

誰も答えなかった。

答えるまでもなかった。

「……不思議なお方だ」

「……ああ」

四人は、悠太の去った方へ目を向けた。

「……とにかく、よく考えよう」

「そうだな」

「……せっかく、考えることを許してくださったんだ」

「…………」

四人は静かに頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。