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おまけ 松下さんはいつだって松下さん
結婚しても松下さんは僕のことを『前田くん』と呼ぶ。
だから僕も松下さんを『松下さん』と呼ぶ。
「なんで?」
「前世の世界ではもう夫婦別姓なの。だから慣れちゃって。」
そうなんだ。
「結婚するとね。二つの名字が一つに減っちゃうでしょ?
それを何度も何度も繰り返していくうちに、100年後には名字がものすごく減っちゃったの。
『松下』なんてもうないの。もう日本人の半分が『鈴木さん』と『佐藤さん』だったの。」
「へー。」
「それは不味いってことでね。政府が夫婦別姓を決めたの。でもそれでも減っちゃて。
私のいた時代には、子供には好きな名字をつけて良いっていう法律までできちゃったの。
おかげで『小鳥遊』なんて、逆に激増したの。」
「あー、みんな珍しい名字をつけたくて、結局珍しくなくなっちゃったんだ。」
「そうそう。」
「なるほどね〜。
...ところで松下さん。」
「なあに?」
「この話、どこまでが本当なのかな?」
「.........君のことが好きってとこまでは本当。」
相変わらず松下さんは嘘つきだ。
おしまい




