おまけ 松下さんは嘘つき
松下さんは嘘つきだ。
「チョコモナカジャンボって美味しいよね。」
パリパリモグモグ
「うん。僕、このパリパリの皮が好き。」
パリパリモグモグ
「私は昔ながらの“ニシャ“ってした皮のモナカアイスも好きだけどね。」
モグモグ...ング
「そういえば、チョコモナカジャンボのモナカの皮って、本当のモナカの皮と違うの、知ってる?」
「え、そうなの?」
「このパリパリの食感を出すために、材料から作り方まで全然違うらしいよ。」
「そうなんだー。
でも僕、本当のほうの作り方も知らないや。どうやって作るんだろうあれ。」
「......『モナカの木』っていうのがあるのよ。」
「......へぇ〜。」
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「モナカの木は高地に自生する落葉樹でね。その実を使ってモナカは作られるの。」
「へー! だからモナカなんだ。あの独特の風味もそこから来るんだね。」
「昔は日本にもたくさん生えていたけど、環境の変化に弱い木でね。乱開発のせいで日本では姿を消して...。今では100%輸入に頼っているの。
そして、輸入モナカの約八割を占めるチリでも、急速に姿を消しているの。」
「えぇ! 大変じゃん。モナカ、食べられなくなっちゃうの!?」
「そう遠くない未来にね。
実はこのチョコモナカジャンボは、代替原料でモナカを作る、『サステナブルにモナカを食べる』国家プロジェクトの一環でもあるの。
でもこのパリパリ具合では本物には程遠い。先は長そうだね。」
パリパリモグモグ
「そんな深刻なことになっているんだ。
あ、それでさ。どうやってモナカの木からモナカの皮を作るの?」
「モナカの実の皮をね。そのまま使うの。」
「ほうほう。」
「実をパカッて割ってね。中身を出したら、アンコを詰めるの。」
「ふ〜ん。...ん?」
「菊の模様とかね、桜とか、ひょうたんとか。皮に既にデザインされていてね。」...フヒッ
「『白松』って書いてあるのも有ったりしてね。」...プププッ
「んんんん?」
「中には金魚すくいに最適な形の実なんかもあったりして」ケラケラケラ
「あーっ! 嘘だな! 騙されたーぁっ!!」
「アハハハハハ」
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「あー面白かった。ホントに信じちゃうんだもん。」
「酷いよ松下さん。
というか松下さん。しょっちゅう僕を騙そうとするよね?
この前だってほら、
『ヒトは筋力を無意識にセーブしているけど、特殊なトレーニングでそれを外して最大限の力を発揮することができるようになる。専門書に書いてあるの』
って」
「ああ、『北斗の拳』ね。」
「漫画じゃん!!
もう...。君の言うことをどこまで信じて良いか分からなくなってきたよ。」
「でも、私が未来からの生まれ変わりっていうのは本当。」
「それは信じてるよ。」
「え? そうなの? 私が言うのも何だけど、これこそ荒唐無稽な話じゃない?」
「いや、あれは松下さんそのものだから。あの時の松下さんの目は信じられる。」
「......ふふふ。前田君のそういうとこ、すごく好き。」
「本当?」
「これも本当。」
おしまい




