番外編5. その後のふたり
一夜の過ちでミラローズを危険に晒した、ノアは、どうしたら、魔力だけを取り込めて、過ちを起こさないか。そのことを、ミラが相変わらず病気について調べている横で魔法についての本を読みながら考えていた。
「ノア様、見てください、かわいいですよ」
「そうだね。⋯⋯ミラに似てかわいい子になるね」
2人の近くには産まれたばかりの赤ん坊がゆりかごに揺られて眠っている。その顔を見たミラが言った。
「⋯⋯ママに似てかわいいってアリザ」
子どもの名前は『アリザ』に決まった。幸福や喜びみ満ち溢れると言う意味のある言葉でノアとミラローズにとって幸福で幸運の象徴であり、周りからの喜びの象徴であるのでアリザと名付けられた。愛称はリズ。
すっかり定位置の図書館の『ミラローズ妃殿下専用』となったスペースには、今やまだ気の早いキッズスペースみたいなのが出来上がっていた。そこに今はゆりかごが置いてあり、アリザはその中にいる。
「⋯⋯あ。これだ」
「ノア様? どうかしましたか?」
「⋯⋯いや、なんでもないよ」
探し求めていた答えを見つけてしまった瞬間声にしてしまったが、今はまだミラには教えずにいよう。今じゃない。教えなくても、実践すればいいだけだ。
見つけたページを熱心に読み込んだ。魔法の使い方、自らへかける魔法と他人にかける魔法。上手く組み合わせれば、これからはミラを危険に晒すことは無くなると悟った。
「⋯⋯うーん。もうここにある病気に関することは調べ尽くしちゃいました」
「そうなのか? まぁ毎日調べてたもんな? ⋯⋯ミラ魔力足りてる?」
「⋯⋯え? 足りてますよ、毎日くれるじゃないですか」
当然でしょ、みたいな答えにノアも苦笑する。最近は毎日少しづつあげている。途切れることはないだろう。
「⋯⋯そうだよねー。⋯⋯でも、これ試していい?」
「⋯⋯? これって、ノア様が読んでた、本⋯⋯ですか?」
「うん。答えはいいや試させて」
さっそく許可を得る前に、隣に座っていたミラをひょいと持ち上げたノアは、膝の上に自分と向き合うようにして乗せた。
さっき読み込んだ、本の魔法をミラのお腹に手を当てて詠唱する。光がポッと現れ、えとスっと消える。
次は自らにかける制約魔法を唱える。
「⋯⋯ノア様?」
不思議そうに覗き込んでくる顔がまじかにある状態で理性に耐えながら自らへと制約魔法をかけ終えると、ミラローズの首筋にキスを落とす。それを合図に濃厚な深いキスを繰り返す。
「ん⋯⋯っ! ノ、ア、様? これ以上は⋯⋯」
キスの合間に訴えてくるが、すーっと目を細めるとさらに濃厚なキスを落とした。
「⋯⋯大丈夫。今かけた魔法が守ってくれるはずだから」
「⋯え、あっ⋯⋯んんっ⋯⋯」
しばらくしていなかった濃厚な触れ合いにミラは少し戸惑いつつも受け取るしかなかった。
「⋯⋯まっ、て、リ、ズがみて、ます、よ⋯⋯っ!」
「⋯⋯大丈夫だよ。まだ、わからない」
逃れようとらするミラは身を捩り抜け出そうするが、そうはさせたくないノアは腕にグッと力を入れ抱きしめる。彼女が、力が抜けてしまうくらい深く深く口付けを落とした。
「⋯⋯っ、んっ⋯⋯のあ、さま⋯⋯あっ、まっ⋯⋯」
「待たない。俺にもっと溺れればいい」
肩で息をし始めた彼女の魔力はかなり満たされただろう。だか、それだけじゃ終わるけじゃない。さっきかけた魔法は、『キス以上の方法』でリスクを負わないための魔法だから。
それから、もう濃厚な触れ合いを続けた。
久々な濃厚な触れ合いにノアは火がついた。もう止まれない。
◇
濃厚な触れ合い『キス以上の方法』をして満足したノアはミラをしっかり抱きしめている。
「⋯⋯ノア様の、バカっ! 」
ノアはミラのバカと怒っている顔も可愛いと思う。ぎゅーと抱きしめてミラの肩口に顔を埋めて苦笑を漏らす。笑ってしまえばもっとむくれて怒るだろう。それすらもかわいいけど、甘えも聞いてくれなくなる。
「⋯⋯でも、ミラ。これで魔力が十分満たされただろ?」
「そうですけど⋯⋯! ほんとにリスクないんですか?」
「ないよ。見てみなよこれ」
濃厚な触れ合いの前にノアが見ていた本を渡される。読んで見ると魔法に関する本のようだ。
たしかにリスクはないようだけど⋯⋯。
「⋯⋯リズに、きょうだいつくってあげられないですよ」
「いいよ。俺は、ミラを失う方が嫌だから。もう、あんな絶望も、恐怖も味わいたくない。ミラが俺の傍にずっと居て欲しい。それで愛せるならそれ以外はいらない」
「⋯⋯リズもいらないって言ってるように聞こえますよ? でもそうは思ってないこと知ってますけど。リズはもう大切な家族です」
「⋯⋯うん」
ミラの言葉にノアは頷いた。
ノアにとってミラを失うことが最大の恐怖。今だってあの時の絶望は消えはしない。だから二度と味わないように制約魔法をかけて。
『ミラをあらゆるリスクから避け、ちゃんと愛していつまでも身体を守る』それが自らにかけた魔法。
そんな両親の深い愛と秘められた誓いの横で、娘アリザは、ゆりかごに揺られてすやすやと眠りつづけるのだった。
ノアとミラの子どものアナザーストーリーを書くことにしました!
リズちゃんのおはなです。
良かったら読んでくださいな、
それではまた、




