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番外編6.――3年後

すっかり成長したふたりの子。3、4歳

名前 アリザ(愛称はリズ)

お転婆で、自由奔放、好奇心旺盛

生まれてこれたことが幸運という意味で着いた名前。

人形を買ってもらう(ノアに)話。


 ある日の昼下がり。

 太陽が登り、綺麗な青空の中今日はノアとミラローズの子どもが、3歳を迎えた。

 城内ではパーティを開くことになっており、皆が慌ただしく準備している。

 ミラたちも準備を行いたいところだが、元気いっぱいな娘を見ているものがいないので、2人は娘アリザと共にいることに。

 数日前、アリザは誕生日どうしたいのか聞くと、『お出かけしたい!』といった。

 なので、出掛けることになっているのだが、ミラはお留守番(準備の方に行く)で話はついたはず、なのだが⋯⋯。

「ミラ、本当に平気? 」

「平気ですよ、朝いっぱいくれたじゃないですか」

「それでも心配だ。ミラ置いていくなど⋯⋯」

 心配性なノアがなかなか行こうとしてくれない。これでは買い物に行けない。とリズの願いが叶わない。

「もう、ノア様。それなら私も行きますよ。そしたら問題ないでしょう?」

「ダメだ! ミラはここで大人しくしててくれ」

「なら、早くリズと行ってきてください。私はここでみんなと準備を手伝って大人しく待ってますわ」

「おとーしゃまはやくいますよー。じゅんびできまちた」

 ノアの上着の裾をぐいぐい引っ張りながら「できまちたよ! おとーしゃま、はやく〜!」と言っている。

 妻からも「私も行く」と脅され、娘からは足元で急かされ、降参するしかなかった。ノアは盛大にため息をつくと、リズを片手でひょいと抱き上げた。

「⋯⋯わかった。行ってくる。ミラ無理しないで」

 ノアは出掛ける間際に、ミラへ深く口付けを落とす。幼い我が子の目を塞いでいる。

 塞がれたリズはキャッキャして楽しそうにしている。

 何度も深く口付けを落とされた、ミラの顔が真っ赤になったのを見て満足気に娘を抱いて、ようやく街へと繰り出して行った。


 活気溢れる城下街へやってきたノアとリズ。

 ノアは王太子ではなくなったものの王子であるその美貌を隠すようにフードを被っているが、リズは王女だと言っても、幼さ故にお構いなし。お転婆ぶりを発揮していた。

「わぁー! おはないっぱいだよー、おとーしゃま」

「こら、わかったから走るな、手も離すんじゃない」

 小さな娘に振り回されながら、歩いていると、あるおもちゃ屋の前でリズが足を止める。

 外からよく見えるお店の特等席に飾られた、リズとほぼ大きさの変わらない、白いひつじのぬいぐるみがちょこんと座っていた。

「⋯⋯あれ、欲しいのか?」

 声をかけるとこくんと頷くと、お店の中へ入ってぬいぐるみを手にしようとするが⋯⋯ショーウィンドウは手にできないようになっている。

 そこへお店の店主がやってきてリズの前にしゃがみこみショーウィンドウを指を指し聞いてきた。

「こんにちは、小さなお客さん。これが欲しいのかな?」

「⋯⋯うん」

「そっか〜。⋯⋯⋯⋯はい。どうぞ」

 楽しげに答えるとショーウィンドウを開け、そのぬいぐるみをリズへ手渡した。

「わぁー! ありあとごじゃいます。もこもこちててかわいい!」

 自分とほぼ大きさの変わらぬ人形を抱きしめて万遍の笑みでお礼を言う。ノアはその笑みが、最愛の妻ミラローズと重なって見えた。

「⋯⋯これをくれ」

 お代を渡し、嬉しそうに抱きしめる娘を見ていると、「モコちゃん!」とさっそく名付けていた。

「⋯⋯リズ。それで満足したか? 帰るぞ。ミラが待ってる」

「うん! おかあしゃまに、みせてあげなきゃ!」

 リズはノアと手を繋ぎ、『モコちゃん』を抱いてお店を後にした。


 王城へ戻ると、広間がミラとメイドたちの手によって、美しく飾り付けられていた。

「⋯⋯ノア様、リズ、おかえりなさい」

 出迎えたミラローズをみた瞬間、アリザはノアの手を離し、ノアが動くよりも先にミラの方へ走った。

「おかあしゃまー! みてー! モコちゃん!」

「⋯⋯あら、モコちゃん言うのね? かわいいわ」

 そんな2人の様子を見ていたノアもミラに近づきすぐさまミラを両腕に強く抱きしめ、その首筋に顔を埋めた。

「はぁー⋯⋯ミラだ。無事だった? 何も無い?」

「大丈夫ですよ。もう心配しすぎです」

 ミラは呆れつつも、愛おしそうにノアの背中に手を回す。その足元で、大きなモコちゃんを抱えながら両親の様子をニヤニヤとリズが眺めていた。

「⋯⋯おとーしゃまはほんとうに、おかーしゃまがいちばんなんだからー!」

 3歳児のたどたどしくも的確なツッコミが響き渡る。広間にいたくろえやメイドたちが一斉に笑う。

 こうして3歳になった『幸運の姫』のアリザをお城のみんなで祝う、温かい誕生パーティが始まった。リズの腕の中には、ノアに買ってもらったばっかりの白いひつじのモコちゃんが、これから始まる賑やかな日々を祝福するように静かにたたずんでいるのだった。


アナザーストーリー書きます!


リズちゃん中心の話になります!

良かったら見てください!


これにて完結!ってことにこちらはなります。

そちらでもしかしたら番外編みたいなのでノアとミラのなにか書いたりあるかもしれないけど、

こちらの本編はこれにて番外編含め完結!にします!

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