表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/47

40.幸せな時間

「――産まれ、そう、です⋯⋯っ!」

ミラは掠れる声で呟く。

そこへ、クロエに呼び出されてやってきた、医者とクロエがやってくる。

「ミラローズ妃殿下をベッドの方で休ませてください! お湯と新しい布を⋯⋯!」

ミラの様子にすぐに察した医者は、すぐに指示を出す。クロエが慌ただしく動いていく。

ノアは医者の指示を受けて、ミラをしっかり抱えて寝室へと移動し、そっとベッドへ下ろす。

ベッドに横になったミラローズを、さらに激しく、波のように押し寄せる激しい陣痛が襲う。

「――っ⋯⋯うっ⋯⋯ぅう⋯⋯っ!」

あまりの激しい陣痛の痛みにミラは左右に寄り添ってくれている2人の手をガシッと無意識のうちにしっかりと掴んだ。

「――ミラっ、ここにいるからねっ」

握られた手をしっかり握り返し安心させるように言葉をかける。だが、反対の左手はルーカスを握っている。それを見た瞬間、ノアはルーカスを睨む。

「⋯⋯ルーカス、なんでお前まで手を握っているんだ。離せ。というかなぜ当然のようにいるんだ」

「何言ってんだ、俺が握ってるんじゃないし、ミラが俺の手を握って離さないんだから、離せと言ったって無理だろ。俺が居ちゃ悪いか?」

分かりやすく、嫉妬しているノアを煽るような言い方をしているルーカスとのちょっとした言い争いが始まる。

当然のようにノアは魔力の濃度は上がっていく。

「俺に対するその気に食わない気持ちで、滾ってるその魔力ミラにあげろよ。さっきほどは必要ないだろうけど、必要してるんだ」

「――ッ⋯⋯言われなくてもわかってるよ!」

ノアは怒りに震えながらも、鎮静化させるほどでは無い限界まで高まっている魔力を、深く口付けを落としその魔力を流し込むように深く、深く落とす。

その魔力は先ほどのものよりはかなり劣るものの、ミラを満たすには十分なもので、体の内側から満たされた。

二人の騒がしい⋯⋯でも世界一頼もしい掛け合いにミラの恐怖は消える。

提供を終えたあともノアの嫉妬の火は収まらない。

口付けを離したノアは、なおも左手を握られているルーカスを睨みつける。

「――いつまで握っているんだ離せよ」

「だから〜、ミラが握ってて離さないからだって。俺が握てんじゃないんだって。俺に言うな、バカ王子め⋯⋯」

「――あ⋯⋯っ、!う、うっ⋯⋯っ!?」

ふたりが争いを再開したその時だった。

ミラがこれまで以上の苦痛の声があがる。

ふたりはハッと同時に、ピタッと言い争いを止め、ミラの方へ視線を向ける。

「――ミラローズ妃殿下、もう一息ですよ!」

と医者の声がかかる。

一方部屋の外では国王陛下、王妃を含め王城に務めるほぼ全ての人が『今か今か』と扉の前で様子を伺っていた。

時折聞こえていたノアとルーカスの声に国王陛下は呆れつつ、も待っていた。

――オギャー、オギャー

と産まれた子の声が聞こえ部屋の外でも歓喜の声が上がる。

「⋯⋯う、産まれた?! 」「産まれたようだ! 」誰もが喜びの声をあげ、中にはそのままの勢いでその場に居ないものへ伝えにいこうとするものも。

外も賑やかな歓喜に包まれる中、部屋の中にも歓喜の声が上がる。

「――ミラっ! 頑張ってくれてありがとうっ!」

ミラローズの右手を両手で包み込んで握り、見たことないくらいの笑顔を向けた。

疲れ果てて肩で息をしながら、幸せそうに微笑みかえす。

そんな感動の中、ミラの左側にいて手を握られていたルーカスは、その手をそっと持ち上げて手の甲へキスを落とす。

「――ミラ、よく頑張ったな。お疲れさま」

と労いの言葉とともに。

その瞬間、ノアの顔にピキっと青筋が立つ。怒りに魔力が滾りそうにはなるものの、本日何度もミラのために暴走状態をさせているため、落ち着いてしまっている魔力は、もうこれ以上は高まらない。

「ルーカスー!! お前なぁーっ! 何やってんだ!」

「――はいはい、落ち着けって。ミラに魔力分けてあげろよ、そして我が子を見ろよ」

ルーカスはくすくすと楽しそうに笑いながら、軽く流すように言った。

「⋯⋯っ、わかってるよ」

落ち着いている魔力をミラ自身を回復させるために口付けをし、流し込む。

いつも通りのただ優しい魔力がミラローズの身体を満たしてゆく。

「ミラ様、ノア殿下、こちらがお二人の、お子にございますよ」

出産後の処置を終えた、クロエが綺麗な布に包まれた小さな赤ん坊を2人の間に差し出した。ミラローズの横にそっと置かれた我が子は2人に似て可愛い顔した女の子だ。

「ノア様、とても可愛いですね」

「――そうだな。本当に、俺たちの子どもなんだな⋯⋯」

幸せな時間。愛おしい我が子の頬をそっと、指先で撫でた。ノアは我が子とミラをギュッと抱きしめた。そのままノアは限界でパタッとミラと我が子を挟むようにしてベッドへ倒れ込むと目をつぶり「ごめん、ミラもう限界。ちょっと休ませて」と静かに言うと寝てしまう。

「ノア様、ありがとうございます」

ミラは寝てしまったノアの頬にチュっと口付けを落とした。


数日後――、

ミラは出産後ということでしばらく静養していたのだが、すっかり元気を取り戻し、ノアも体力の限界まで魔力を使っていたので、あれから丸一日寝てしまっていたが、ノアもそれでとりあえず回復したものの、ミラと一緒に数日間静養していた。

「ミラ、これからもずっと一緒に生きていこう」

「――はい、もちろんです」

我が子を腕に抱きながらいつもの定位置で幸せを噛み締める。

2人の日常は戻っていた。子どもが居ても、変わらずに、一緒に図書館へ籠って本を読んでみながら過ごしていく。

本編はこれにて完結です!


読んでくれている方、ありがとうございました!

初めましての方も、是非最初から読んでくれたら嬉しいです。

どうでしたでしょうか?

たのしんでいただけたでしょうか?

こんな長く書いたことなくて新鮮でした!


他の作品も読んでくれたら嬉しいです。

文章能力ないんで支離滅裂?かもですが。


というわけで読んでくれた方本当にありがとうございました!

番外編で、いくつかその後のふたりと子どものことみたいなのとかもかけたらいいなと思っているので、その時はまたよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ