§98 次はのんびり海水浴?
「さて、次は海なのだ」
皿その他を片付けたところでアン先輩がそう宣言。
不意打ちで始まる生着替え大会。
心の準備が出来ていなかったので少々ダメージが……
ささっと端に寄って壁の方を向いて心を無にして着替える。
「それじゃ先に行っているぞ」
そう声をかけて外へ。
外は太陽がガンガンに照っていてまさに夏。
でも風はそこそこ爽やかだ。
のんびり砂浜の方へと歩いて行く。
同じような水浴着姿の人も結構いる。
朝、貝とかを採った時はそんなに人はいなかったのだけれど。
敷物に座っていたり海で泳いでいたりと結構な人出。
まさに海水浴場という感じかな。
ビーチパラソルとかサンシェイドとかは無いけれど。
どの辺に陣取ろうかな。
そう思って砂浜を見ていたところ。
「ホクト、早すぎるのだ」
アン先輩がゴザと木箱をかかえてやってきた。
慌ててゴザの方を持つ。
アン先輩は強靱種だから重さは平気。
でも身体が小さいのでゴザとか大きい物は持ちにくい。
「アン先輩、その木箱は?」
「ドリンク入り氷箱なのだ」
つまりクーラーボックスと。
魚を入れている物より一回り小さい。
「どの辺に陣取りましょうか」
「岩場に近い方が楽しめるのだ。調味料も入れてあるのだ」
さてはまだ貝とか採るつもりだな。
そんな訳で岩場に近い場所にゴザと木箱を下ろす。
残りの皆さんもやってきた。
「朝と違って結構人がいるね」
そう言ったラインマインの水着は綺麗な水色。
普段の服は地味な色が多いので結構新鮮だ。
そう言えば女性用の水浴服は鮮やかな色が多いな。
ヘラもメルも同じく水色のデザインが違う水浴服。
他には派手な赤とかオレンジなんてのもある。
無論紺色とか黒とかもあるけれど。
「ラインマインの水浴服姿に見とれているのか?」
アン先輩の台詞で我に返る。
「いや、水浴服は色々な色があるんだなって。普通の服は地味な色が多いのに」
「派手な色は染料が高価だし染めるのが大変なのだ。水浴服程度のサイズで無い限りコスト的に大変なのだ」
なるほど、そういう訳か。
「それで水浴服の感想はどう?」
ラインマインに聞かれてどきりとする。
水色のシンプルなワンピース型。
いわゆるスクール水着をもうすこしライン細くして肩紐止めにしたタイプ。
標準よりちょっと発育がいいラインマインにはよく似合っている。
「似合っているよ」
そう言うのはちょっと恥ずかしいけれど。
「本当?」
「本当だって」
「はいはい、そこまでなのだ」
アン先輩にそう話を切られる。
正直助かった。
「さっきの貝を採るのだ。あの道具も追加制作したのだ」
そんな訳でオイスターナイフもどきを持って再び岩場へ。




