表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
進学先は異世界でした ~俺の異世界学園生活記  作者: 於田縫紀
#7 凍結要請と魅力的なお誘い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/216

§39 皆さんに結果のご報告

 パヴァリア先生と別れ、実験室に戻る。


「あれ、早かったね。どんな用だった?」

 ラインマインがそう声をかけてきた。


「アルのお父さん達と会って来たよ。ちょっと疲れた」

「うそ、まだ出ていってちょっとしか経っていないよ」


 その反応が気になったので聞いてみる。

「ちょっとってどれ位?」

「うーん、普通に歩いてここから体育館まで行く程度」


 精々五分というところか。

 もっと時間がかかった気がしたのだけれども。

 取り敢えずどっと疲れが出てきた。

 俺がいつも使っている席に倒れ込むように腰掛ける。


「僕の父が出てくるとは穏やかではない事態だな。何事があったんだ」

「蒸気機関と内燃機関の知識は凍結。最高首長会議全員臨席の上でそう言われた」


 ちょっと間が空いたのは最高首長会議という単語のせいだろうか。


「理由はそれらの知識が開発された場合、その後の社会環境の悪化が無視できない事になるからだそうだ。その辺の事象は俺が前にいた世界でも実際に起こっている。だから納得出来ない訳じゃない。

 その代わりかどうかは知らないが、一つ土産を貰ってきた。魔法都市シルダへのお誘いだ。夏休みを使って技術研究会員全員で行ってこいという事だ。シルダへの出入り許可証は必要枚数発行してくれるそうだ」


 あえて五枚とは言わない。

 その辺は必要あれば本人が言ってくれるだろう。


「何、それは本当か!」

「本当なの!それは」

 アルとヘラが真っ先に食いついてきた。


「シルダへは僕もまだ行った事が無いんだ。是非見たいと前から思っていた」

「商人も出入り出来ないですしね。シルダで無ければ生産出来ない魔法物品の商取引も基本的にアムで行われていますし」

「楽しみなのだ、それは」

 アン先輩もそんな事を言っている。


「アン先輩は魔法使いだから行く気になれば行けるんじゃ無いんですか」

「シルダは特別。出身者か魔法研究者しか入れない」

「そういう訳なのだ。だから一度は行ってみたかったのだ」

 そうなのか。


「でもシルダは遠くない?アムまでだって普通は荷馬車で二泊三日かかるんだよ。アムからシルダまでは川船しかないし、距離だったかなりあるし。ここからなら行くだけで一周(6日)近くかかるんじゃないかな」

 ラインマインの冷静な意見。

 確かにアムからシルダまで直線距離で百五十離(150km)近くある。

 しかも上流に向かう川船では相当時間がかかるだろう。

 夏休みは一月だけれども、その三分の一以上は移動日という事になりかねない。


 でも。

「心配いらない。周日は選ぶが許可証が出るなら移動は一晩だけ」

 メルがそんな事を言う。。


「どういう事だ?」

 アルもその辺は知らないらしい。


「ここからは許可証が出るという前提。口外無用」

 やっぱりメルはシルダについて色々知っている模様だ。


「ああ、勿論だ」

「うん、わかった」

「了解しましたわ」

「わかったのだ」

 俺も頷く。


 メルはそれを確認すると口を開いた。

「専用の高速魔法船がある。カイドーからシルダまで一晩」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ