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今日はなんの日、食べ物ダンジョンできました  作者: 木嶋うめ香


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北海道ばれいしょの日:ボスのお宝

「まあ、なっちゃったものは仕方がないか」


 武器が電動草刈り機、防具が農作業スタイルでダンジョンに挑んだのは仕方がない。だって私はダンジョン攻略じゃなく裏庭の草刈りをするつもりだったのだから。

 納屋のドアを開けたらそこがダンジョンで、雑草だと思ったらそれが魔物扱いだなんて誰が思うっていうのよ。

 雑草で視界が悪くて、そこに草刈り機があったら刈る一択でしょう? そうしないと何があるのかもわからないって一生懸命に刈ってたらレベルが上がってしまうなんて、そんなの授業で習わなかったしそんな前例あるのかも分からないのに、ダンジョンボス初討伐のお祝に今着てる服が防具扱いでそれがとんでもないものになるなんて想像もしてなかったんだから。


「それにしても、二十五歳は波乱スタートなわけ?」


 二十五歳のスタートは過酷、面白い? いいや、とんでもなくわけの分からないものになってしまったらしい。


「彼氏に三股されたとか、波乱人生は二十四歳で十分経験したと思ってたのに上があったわ」


 経理の専門学校卒業後東京で務めた会社の先輩と付き合って、三股されたショックで田舎に戻って来たのが去年の秋だった。

 二十四歳は田舎での再就職とか心の傷をいやすことに費やしていてやっと最近元気になってきたから、二十五歳になったら婚活始めようと思っていたのに始まりそうなのが探索者生活なんて、ちっとも望んでなかった。

 人生思い通りにいかないものね。

 少し遠い目をしながら落ち着いて周囲を見渡すと、ここは洞窟みたいな造りになってるんだなと遅まきながら気がついた。

 ドアを開けたらジャガイモ、もといボスが襲ってきて慌てて戦ったから周囲を見る余裕なんてなかったのだ。


「ゲームとかアニメだとボスって、ボス部屋の中央で待ってたと思うんだけど殺意満々で襲ってくるんだもんなあ」


 ダンジョンもののゲームやアニメって、それなりに人気があるコンテンツだと思う。

 私も子供の頃にゲームを沢山した。

 階層型のダンジョンの魔物を倒して、宝箱があちこちにあってそれをくまなく探すのが好きだった。弟のみぃ君は宝箱無視して先に進みたいタイプで、私がゲームしてると進み方が遅いとよく言われて喧嘩になったのは良い思い出だ。


「そっか、これ宝箱だ」


 目の前にあるのは、しょぼい木製の箱。

 飾りも何もない、なんなら宝箱的な形もしていない。蓋がパカッと上に持ち上がりそうな、大きさは百六十三センチメートルの私が両手を広げたのより少し小さい巾で、奥行きはその半分、高さは私の足の付け根あたりという、私中に入れるんじゃない? と思える大きさだ。


「何が入ってるんだろ」


 ボス討伐とは言っても所詮一層目のボス、さっきダンジョンに入ったばかりの私が倒せたんだから弱々雑魚ボスだったんだと思うけど、お宝はお宝だから何か記念になりそうなものが入ってたらいいな。


「お宝はなーんだろな!」


 なんとか蓋を斜めに持ち上げて、中を覗き込みつつ蓋を箱の後ろに落とす。

 ガタンッという蓋が石の地面に落ちた音がして、それと同時に蓋だけ消える謎仕様に驚きながら、箱の中身を見て脱力する。


「なにこれ、フライヤー? 鉄板? え、包丁とスライサー?」


 なんでダンジョンで調理器具、しかもフライヤーって、家電? え、ダンジョンにそんな概念があるのと首を思い切り傾げる。

 調理器具が箱に横並びに入っている。

 鉄板もフライヤーもかなり大きい、業務用と言われても驚かない大きさだ。


「魔道具フライヤー、魔素か魔力で動く。望んだ揚げ加減で調理できる。油不要。スイッチを押しながら作りたいものを思い浮かべる」


 持ち上げると、電源ケーブルがついてないし、なんならボタンも一つしかない。

 というか、今私こんな大きなものをひょいっと持ち上げているんだけど。

 これも身体能力向上のお陰なのだとしたら、日常生活が大変になりそうだ。


「全部魔道具」


 鉄板も魔道具と出た、しかも全部使用者が私と、家族限定になっていて譲渡不可。つまり不要でも売れない。

 スイッチを入れると、鉄板は宙に浮かびながら調理してくれるらしい。包丁とスライサーは、切れ味抜群、手を切る心配なし。自動刃研ぎ機能と洗浄機能付き、抗菌となっていた。

 箱の中から全部取り出すと、箱は音もなく消えてしまった。

 ダンジョンのお宝ってこういうものなんだね、いや絶対おかしいよ。こんな面白魔道具ダンジョン事情に疎い私だからかもしれないけど、聞いたことない。


「はぁ、驚いたらお腹空いてきた」


 ボスを倒したからなのか、他に魔物が出てくる気配はない。

 まあダンジョンの入り口からここに来るまで、魔物なんて全く見てないけど。


「水って出せたり……するんだ」


 汗かいたから水飲みたい、手も洗いたい。

 水欲しいなと、考えたら指先から水がでた。


「手のひらに水をためられるね、ちょい上からも出せるね」


 確かにこのダンジョンの中なら任意の魔法が使えるって説明だったけれど、これでいいのかダンジョンさん。

 いや、使い勝手がいいのはありがたいのか? これってこのダンジョン限定で、他のダンジョンではスクロールで覚えた魔法のみ使えるみたいだし、つまり私は今のところ他のダンジョンでは魔法が使えないってことだ。

 深く考えるのは止めよう、私はこのダンジョン以外で活動するつもりはない。だからここで便利に使えるならそれで十分だ。

 ありがとうダンジョンさん、良いスキルをくれました。

 否定は良くないと思い直し、水が出せるならとアイテムボックスからジャガイモを二個取り出してみる。

 

「調味料ないけど、なぜか鉄板にトング付いてるしやってみるか」


 ちなみにお皿もない。

 食べるのは手掴みになる。


「まずは洗ってー、まな板ないけどスライサーはあるから皮むいたのをフライヤーに直接入れていけばいいよね」


 スライサー、細切、中切りと薄切り、刺身のつまくらいの千切りと、一枚のスライサーで使い分け出来るらしいので、薄切りを選択してフライヤーの中に落としていく。

 水にさらしてないけれど、上手くできるだろうか、不安だなぁ。


「水にさらしてないけど、美味しいポテトチップになりますように」


 ポチッとスイッチを押しながら、お願いすると頭の中に『味付けは塩かコンソメかのり塩』と声が響いたので、反射的に塩を選択してしまう。


「水が出てきた?」


 ジャガイモ一個分。

 多分男爵芋だと思うものを薄切りしたものが、今やプカプカ水に浮いている。

 

「え、水にさらしてくれてるの? 凄い」


 思わず拍手すると、するすると水がどこかに流れていき、ぶおおっと風がジャガイモの表面を乾かす。そして次は油が出てきて、お芋が揚がるいい匂いが漂ってきた。


「お腹すく匂いだ」


 揚げ物の匂いって、お腹すいてる時は暴力的すぎる。

 じいっとフライヤーを見つめていると、油がどこかに流れていき、今度は何か白いものが振りかけられて揚がったジャガイモによい感じにまとわりついていく。


『チーン』


 どこぞの電子レンジみたいな音がしたと思ったら、大きな葉っぱに盛られたポテトチップが私の両手にのせられていた。


「凄い。いただきます、……うわっ熱々うまぁ」


 揚げたてポテトチップだ。

 滅茶苦茶歯ごたえが良くて、揚げ加減バッチリすぎる。

 誰かビール! と叫びたくてもここはダンジョンのだからそれは無理だ。


「うますぎるぅ。これは鉄板も」


 行儀悪いかもだけど、フライヤーの蓋を閉じてその上に葉っぱに盛られたポテトチップを置いてから、もう一個のジャガイモの皮を剥いてこっちは細切りを選択して鉄板に落とす。

 塩をつけてくれたぐらいだから、こっちも上手く作ってくれるはず。

 私は期待してるよ、鉄板さん!


「ジャガイモのガレット、バターと塩でお願いしますっ!」


 こんもり鉄板の上に置いたジャガイモを見つめつつ、スイッチをポチッと押すとジャガイモの上に何か粉が少々振ってきて、混ぜてないのに綺麗に粉をまとったジャガイモが丸く平たくなっていった。


「焼けてる」


 アイテムボックスから麦茶のボトルを取り出して飲みながら、ポテトチップをつまみつつ出来上がりを待つ。


「え、ひっくり返った」


 片面がこんがり焼けた頃、ポンとジャガイモがひっくり返りもう片面を焼き始めた。


「なにこれ、凄い」


 ポテトチップを食べるのも忘れて見入っていると、こちらも『チン』と音がして、葉っぱのお皿に盛られ、素朴な木の箸付きで鉄板の上に鎮座した。


「え、火が入り過ぎちゃうんじゃ……熱くない」


 慌てて鉄板の上からガレットが盛られた葉っぱを持ち上げようとしてみると、鉄板は使ってませんよとばかりに冷えていた。

 

「ん? ほんのり温かい。え、冷めないようにってこと?」


 本当に謎仕様すぎる。


「分けわからないけど、とりあえず食べる。いただきまーす」


 箸を使ってガレットを一口大に取り分け口に運ぶと、滅茶苦茶良いバターの香りと塩気に「ビール下さいっ」と叫びたくなる。


「なにこれ、美味しすぎなんですけど」


 夢中で食べてあっという間に完食し、麦茶で喉を潤していると、葉っぱも箸も消えていた。

 本当に謎仕様過ぎる。


「あぁ、お腹いっぱい。なのにダンジョンから出たら草刈りが待っている」


 ジャガイモだけとはいえ、どちらも油を使っているのだから動かないのは駄目だ。


「ここから出よう」


 お宝を一つ一つアイテムボックスに収納すると、フライヤーの影に古そうな紙をくるりと巻いて紐で縛ったものが落ちていた。


「なにこれ、取説? え、生活魔法を覚えますか? 覚えられるなら覚えたいけど。うわっ」


 私って警戒心が無さすぎだと思う。

 みぃ君に知られたら、正座させられて延々お説教されるかもしれない。

 なにせ、私は何も考えずに紙を拾い紐を解き、何も考えず覚えたいと言ってしまったのだから。


「えええ、頭ぐるぐるするぅ」


 気分はジェットコースターを十回続けて乗った後のよう、いやそんなに続けてジェットコースターに乗ったことなんかないけど。

 眩暈を起こしたような、乗り物酔いしたような気持ち悪さにしゃがみ込み、少し経って落ち着いたところで自分を鑑定すると、習得魔法に生活魔法(水、火、洗浄)と出てきた。


「うわあ、魔法覚えられるスクロールだったんだ。あれって巻物……うん深く考えるのは止めよう。ダンジョンさんがスクロールだって言ったらあれはスクロールなんだよ」


 例えぺらっとした紙が一枚巻いてあるだけに見えても、いや巻いてるんだから巻物なんだ。そうだよ十分スクロールだよ。

 紐を解いただけで魔法が覚えられるなんて、最高だね。


「後で情報色々調べないとなあ。ああ、探索者の覚醒したって申告しないといけないし、ダンジョンが出来たってのも言わないといけないんだ。私のお盆休みダンジョン関係で潰れそうだ」


 墓参りと草刈りくらいしか予定なかったけど、それにしても辛い。

 ダンジョンの探索者の覚醒なんて、自分には絶対関係ないと思ってたのになあ。


「探索者やるのって、強制じゃないんだっけ? でも家にダンジョンがあって探索しないわけにいかないもんなあ」


 ダンジョンブレイクしたら困る。

 一層目だけみたらブレイクしそうにないけど、そんなの素人目だからそう見えるだけかもしれない。


「駄目だ疲れてきた、帰ろう。出口探さなきゃ」


 立ち上がりぐるぐると洞窟っぽいところを探検すると、繊細な円形のレース編みの模様見たいなものが壁に一つ描かれているのを見つけた。


「ええと、これがスイッチなのかしら」


 本で見た魔法陣ってもっと簡単に描かれていたけれど、これも魔法陣って奴なのだろうか。


「なんでボス部屋の入り口はドアで、出るのは魔法陣なのかしらね」


 どこに飛ばされるか分からないのに触りたくないけれど、入ってきたドアは消えてるし他にドアらしきものはない。

 とすると、これに触らないと移動できないんだろう。


「ええと?」


 頭の中にまた声がした。


『ダンジョン入り口に出たい。二層目に移動したい。ダンジョンの説明を聞きたい。のどれかを選択してください。どちらを選択しても一層目のボス討伐記録は登録されます』


 もう声にも慣れた。

 慣れたけど、説明ってなに?

 

「説明お願いします」


 私取説は読まずに進めてくタイプだけど、これはスキップしちゃ駄目な話だと思う。


『ダンジョンの説明を選択しました。このダンジョンは本日新しく誕生しました。なんの日ダンジョンです。一層目はその日の食べ物記念日に関係する動植物、つまりその食べ物に関係する魔物が出現します。魔物を討伐すると経験値と魔物のドロップ品が出ます。二層目からは弱い魔物が出て、それまで出た一層目の魔物もランダムで出現します』


「食べ物記念日ってなに?」


 日本には記念日が色々あるのは知ってるけど、そんなに食べ物限定で記念日ってあるものなのだろうか。

 あれ? つまり、今日はジャガイモに関するなにがしかの記念日だから、ジャガイモが出たってことなの?


『この一層目で出る魔物は、世界中の何処かのダンジョンで一般的に出る魔物です』


 そう言えば食べ物が採取出来るダンジョンって結構あるんだって、聞いたことがある。

 それが食料問題を解決しているって、ニュースにもなってた記憶もある。つまりこのジャガイモはダンジョン産で売れるってことだ。

 よし、調べて売ろう。探索者協会で買い取りしてくれるかな?


『なんの日ダンジョン初入場特典として、この称号を持っている人が魔物を狩った際に、二分の一の確率で望みの食べ物がドロップします。これは記念日、討伐済かどうか関係しません。また魔物のドロップ品は無くなりません。これはなんの日ダンジョン、他ダンジョン共通です』


 え、それって、ケーキが食べたいって思いながら魔物を刈ると、ドロップ品でケーキが出る?

  

「ダンジョンって気前いいんだね。助かるわ」


 何せ田舎の会社勤め、給料が安いのだ。

 私は前職経理だったから、田舎では比較的再就職が探しやすかったけれどいかんせん安い。

 だから食費が抑えられるなら助かる、ものすごーく。

 家の畑で作ってる野菜と、米以外が買わずに手に入るならありがたすぎるって話だ。


『出来たばかりのダンジョンのため、なんの日ダンジョンでは初入場称号持ち以外の者が魔物を狩った場合ドロップ品は十回に一回しか落ちませんが、初入場称号持ちは毎回ドロップ品が落ちます。このダンジョンでは初入場称号持ちに悪意を持つもの、妬みを持つものにはドロップ品は落ちません』

「どういうこと?」


 私だけ滅茶苦茶優遇されてない?


『これはどのダンジョンも同じです、そのダンジョンの初入場称号持ちはそのダンジョンで最大優遇が受けられます。一番は経験値増大です。ランダムで二から百倍の経験値増大となります』

「百倍って凄くない?」


 どこのアニメの主人公よ、あ、でもその人が初入場の称号を貰ったダンジョンだけなのか。

 それならそこまで、って思う人もいるのかな。

 私はこのダンジョン以外入らないと思うけど、普通探索者は専業でやるからあちこちのダンジョンに入るもんねえ。


『その他初入場、初討伐の称号持ちの方への特典がありますので、都度確認ください。これで説明を終わります。ボス部屋の魔法陣では質問を受け付けておりますので、必要な場合は魔法陣にお尋ねください。同じボス部屋での質問は一日一度になります』


 そこで謎の声の話は終わった。

 随分人間臭い説明だった、どこかのサイトで問い合わせする時に出てくるオペレーターのチャットの返答よりも人間っぽかった気がするよ。


「え、つまり私はこのダンジョンに入っている限り優遇されるってこと? ついでに出来たばかりだからダンジョンブレイクはしばらくない? 良かったあ」


 ホッとしすぎて座り込みそうになり、思い直して魔法陣に手をつける。


『ダンジョン入り口に出たい。二層目に移動したい。どちらかを選択してください。どちらを選択しても一層目のボス討伐記録は登録されます』


 今度は説明を聞くが無くなっているから、ダンジョン入り口に出たいを選択する。

 エレベーターに乗った時みたいな衝撃があり、目の前の景色が洞窟から、草っぱらに変わる。


「帰ってこられたぁ、良かった」


 ダンジョンの入り口、つまり納屋に通じてるドアを出てそのまま外に出る。


「う、安心したらトイレ行きたくなった」


 草刈り機を納屋に置いて、そそくさと納屋の隣にあるトイレに入る。

 都会に住んでる人には驚かれるけれど、私の家には昔の汲み取り式トイレを水洗洋式トイレにリフォームしたものが外にある。勿論家の中には普通に洋式トイレがある。

 床はコンクリート、掃除は大雑把に水洗い出来るけど流れるのは排水溝ではなくトイレの外だ。

 床を水洗いした後ざざっと水分を拭ったら、後はドアを開けっ放しにして乾燥させる。

 欠点と言えば、夜は虫が来る。だけど、家の中にいる時は家のトイレを使うから問題はないのだ。

 リフォームするか外のトイレを無くすか考えて、家族全員残す方を選んだ。

 農作業後にトイレ使う時便利なんだもの、汲み取りなら使うの躊躇するけど、ちゃんと水洗だしそれなら便利な方がいいじゃない。

 農作業してドロドロの服で急いで家の中に駆け込みトイレに入るって、結構大変なのよ。

 なにせついついトイレを我慢しつつ農作業しちゃうから、本当外のトイレ無くさなくて良かったって使う度に思うくらいに重宝してるのよ。


「ふう、やっと落ち着いた。ああ、草刈りしないと」


 本来の目的、裏庭の草刈り。

 これをしないと、今日の作業は終われない。


「カロリー取ったから動かないと」


 揚げたてのポテトチップは美味しかった。

 ジャガイモは文字通り売るほどあるし、いつでも美味しいポテトチップが食べられる。

 だが、憂いなく食べるためには体を動かしてカロリー消費しないと駄目だ。


「頑張ろう」


 のろのろと納屋に戻り、草刈り機を持って裏庭に移動する。

 汗をかいて服が汗で濡れる度洗浄の魔法を使いながら、裏庭の草刈りをした。

 したんだけど、ダンジョンさん。草刈り機ってダンジョンの外でも魔道具扱いなんでしょうか? 凄いするすると草が刈れてしまったんですが、おまけに刈った後の草勝手に集まって私のアイテムボックスに入っちゃったんですが。

 これでいいの、ダンジョンさん。


 こうして私の二十五歳はスタートを切ったのだったんだけど、本当にこれでいいの?

 ダンジョンさーん!

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