ジュースの空き缶
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昼休み、教室前の廊下で羽多と話をしていたら、制服が汚れた姿でひらりが帰って来た。
「ひらりちゃん、それ、どうしたの?」
「缶ジュース飲んでたら転んでひっくり返っちゃって。」
「バカか?怪我したらどうするんだよ!今日から本番だぞ?
違うだろ?また晴と何かあったのか?
「わかってるよ……」
「飲み物は蓋つきの物だけだって言っただろ?あれだけ俺に徹底しろって言ってたのに……」
「わかってるって言ってるでしょ!!」
ひらりはキレた。キレて、ロッカーを勢いよく閉めて、更衣室へ行った。
その姿を見て羽多が言った。
「春壱、あれは言い過ぎだよ。ひらりちゃんだってわざとじゃないんだし。」
「別に俺は間違った事言ってない。」
そこへ、缶ジュースを片手に晴がやって来た。
「どうしたの?春壱と喧嘩?」
「違うよ。春壱とひらりちゃんが喧嘩して……」
「そう……。」
晴は空き缶をロッカーの上へ置く。それに気づいた羽多が注意した。
「晴喜、ゴミはゴミ箱に捨てなよ。」
そう言って捨てようとすると、晴が止めた。
「あ、これ、こぼれてるから触らない方がいいよ。手が汚れるから。」
「え……?もしかして、晴喜のジュースがひらりちゃんにかかったの?」
「…………。」
晴が一瞬こっちを見た。
「え?ああ、そう。ぶつかっちゃって。」
「あいつは、転んでひっくり返ったって言ってた。あいつは、そう言った。」
わかってる。どうせひらりが嘘を言ったんだ。俺に心配させないように。
「ぶつかったから、転んでひっくり返ったんだよ。」
「あーそうかよ。今日から本番だから怪我だけはさせるなよ。」
「春壱、そんな、晴喜が悪いみたいに……」
羽多が仲裁に入ろうとする。いつもの流れだ。
「まぁ、本当に僕が悪いから。気をつけま~す!」
俺は晴を無視して教室へ入った。
「全然悪いと思ってないその返事、それがいつも春壱を怒らせるんだよ?」
「わかってるよ。」
「わかってないからいつも……」
「いいんだ。多分春壱もわかってる。」
「……え?」
羽多が驚くと、晴も教室へ入る。




