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和やかなお昼休み

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お昼休みに、非常階段前で私は、絵を描きながら台詞の練習をしていた。そこへ、晴君がやって来た。

「何ぶつぶつ言ってるの?」

「あ、晴君……。役の台詞の練習。」

「そうなんだ。」

何を、どう話していいかわからなかった。


「この前……この前は、ごめんね。もうしないから安心してよ。」

私が警戒していたら、晴君は謝って、少し笑った。

「いいよ。大丈夫。ヘラヘラされるよりよっぽどマシ。」

「やっぱりムカつく。やっぱり姉妹だね。」

悩んでも仕方ない。思いきって、晴君に訊いてみる事にした。

「あの、晴君はやっぱり……まだお姉ちゃんの事……」

「好きじゃないよ。」

私はほっと胸を撫で下ろした。と、思ったらすぐに、

「嘘。まだ好きだよ。」

「え!?」

ドキッとした。心臓に悪い。


「あははははは!リアクション最高!」

「ちょっと!からかわないでよ!」

晴君は爆笑した。

「ごめん。ごめん。反応が面白くて。つい……」

晴君は涙を拭いて、笑い終えた。

「何描いてるの?」

晴君はスケッチブックをのぞいて来た。私はスケッチブックの絵を隠した。

「落書きだよ。」

「見せてよ。」

「……ダメ。」

「いいじゃん。」

「ダメだよ!あ!」

晴君は私からスケッチブックを奪い取る。


「これ……」

見られた…………!

「あ!あの、これは、剣道部の練習見たら格好いいな~って思ったから……」

「上手いね。」

意外だった……。もっと、別の事を言われると思った。こんな……つまらない絵を見たら……。

「…………ありがとう。そうだ、晴君も剣道やってたんだよね?もうやらないの?」

「やらない。」

食い気味の即答だった。


「まあ、そうだよね。晴君にあんまり剣道のイメージないな~って思ってた。」

「じゃ、やろうかな。」

「え?」

あまのじゃくだなぁ…………。


「だって、剣道やればひらりちゃんに格好いいって言ってもらえるんだよね?」

「え……?うん。まぁ、ハル君だったら背高いからきっと格好いいだろうし。」

「勝てるようになったら見に来てよ。スケッチブック持って。」

もしかして、描いて欲しいのかな?

「え?すぐに見に行くよ?」

「ダメ。ひらりちゃんには格好いい僕だけ見てて欲しい。」

そうゆう所は相変わらずなんだ。


「あははは。私はダメな所も見たいけど?」

「あははは、ホント意地悪だな~」


二人で笑った。その時は、本当に和やかに。笑ってた。


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