表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/202

ダンジョン攻略1

5 ダンジョン攻略1

『カンカンカンカンカンッ』だが・・・矢は側面からだけではなく、頭上からも降り注いできているようだ・・・長くは持たないだろうな・・・。


「矢を打ってきている方向へ構えても照準が定まりません・・・、恐らく撃っても当たらないでしょう。

 前方の魔物を倒して前へ進んでいくしかなさそうです・・・、僕たちが進んできた後ろのルートは光が消えているので、恐らく後退禁止でしょうね。」


 源五郎が最大限まで大きく広げた盾を斜めにして弓を構え、照準を合わそうとするが、あきらめたようだ・・・なにせ、側面から矢を射ている相手は全く見えないからな・・、下手をすると装置か何かで射ている可能性だってあるぞ。


「よし分かった・・・引き続き前方魔物への攻撃を頼む・・・、俺は一気に間を詰めてみる。」


「了解しました!」

「わかったぁー・・・」


『ダダダダッ』2人の返事と同時に勢いよく駆け出す・・・、左右からの矢攻撃は無視だ・・・鋼鉄の鎧を着ているためか、ちょっとチクチクするだけだから、まあいいだろう・・・。

『ダダダダッ・・ダッ』助走をつけてから前方の魔物めがけてジャンプする。


「ぐぅぉー」『ザッパァーンッ』左の頭が、またもや水流を吐き出した・・・が、俺の跳躍の勢いを殺すまでには至っていない・・・そのまま勢いに任せて落下していく。


「ぐらぁー」『ピッキィーンッ』今度は右の頭が強烈な冷気を吐き出した模様だ・・・、先ほどの水流で水が滴っていた俺の下半身は、一瞬で白く凍り付いた。

 まずい!・・・と思ったが、ここは空中・・・方向転換など無理・・・ええいままよ・・、そのまま真ん中の頭めがけて足先から突っ込んでいく。


「ぐわぁおぉー!」

『ガッ・・・ドッゴォーンッ』真ん中の頭が大きく口を開いて待ち構え、俺の足めがけてかぶりつこうとした瞬間、表面を覆っている氷のおかげか牙が通らずに滑ってしまい、そのまま俺の両足はのどの奥にまで突き刺さる。


「ぐぉぉぉーんっ!」

『ブンブン・・ブンッ』たまらず真ん中の頭は何度も首を大きく振って、俺の体を吐き出そうとするが、のど深くまで突っ込んだ体は簡単には吐き出せない。


『シュパッシュパッシュパパァーンッ』今がチャンスとばかりに何とかバランスを保ちながら、真ん中頭ののど元めがけて剣を突きまくる。

『バリバリバリバリッ・・・ドゴォーンッ』『シュシュシュシュシュ・・グザグザグザグザッ』左右の頭めがけて、レイの魔法と源五郎の矢がさく裂しているようだ。


「きゅぅーむ・・・・」

 やがて魔物は断末魔の悲鳴を上げて、そのまま消滅した。


『タタタタタッ』「やりましたね!」

 すぐに源五郎とレイが盾で防御しながら駆けてくる・・、相変わらず左右から矢が雨のように降り注いでいるのだ。


「矢が刺さってるよー・・・。」

 レイが鎧の脇腹に刺さっている矢を抜いてくれる。


「ああ・・・修復したばかりの鎧が、すぐにこんなだ・・・。」

 蓮鳥にも腰部分を噛まれてダメージを負ったが、さらに追い打ちをかけるように穴だらけになってきた。

 確かに魔物のレベルもハイレベルだから、鋼鉄の鎧くらい何の防備にもなっていないというのは仕方がない。


「今度はこっちだな・・。」


『カンカンカンカンッ』光の矢印は、今度は右方向を示しているので盾でガードしながら先を伺う・・・魔物がいたサークル内には矢は降り注いでいなかったのだが、矢印のルートが表示された途端に始まった。

 更に1mほどの狭い幅に限って飛んでくるため、密度がこれまでよりもはるかに濃いようだ。


「光で示したルート幅分だけ大量に矢が飛んできますからね・・・、見たところ床はありそうですが・・・回り込めるかやってみますか?」

 源五郎が、光のルート脇をつま先で探りながら振り返る。


「いや待て・・・危険だ・・・。」


「でもこのままじゃあ・・・じり貧ですよ・・・、盾で防ぐにしても、これだけ密度が濃いと・・・流石にいくつかは食らってしまいます・・・。」

『ダッ・・ヒュー』そう言ってルートを外れて駆け出そうとした源五郎の姿は、一瞬で床に吸い込まれて行った。


「ダーリンッ」

「源五郎ッ・・・、レイッ行くぞ!」

 はぐれるわけにはいかないので、すぐに源五郎が進んだルート脇へと駆け出す。


『ダダッ・・・ヒュー・・・・・シュタッ』真っ暗闇の中で、それでも何とか気配を感じて着地が出来た。

『パチッ』『パチッ』俺がライトを灯すと同時に、隣もライトを付ける。


「おおっ・・・、いたか・・・ここは?」

『ドスンッ』「いたたたた・・・」

 すぐにレイも落ちてきた。


「ああ・・・やっぱりさっき脱出した落とし穴だな・・・中継ボックスが入ったリュックもそのままある。

 上のルートを外れると、常にここへ戻ってくるのだろう・・・そうだ、ちょっとクエスト票を見てみるか・・・。


 3つ頭犬・・・炎、水、冷気の魔法攻撃・・・GA、噛みつき攻撃・・AAか。

 防御力は物理・魔法ともにCAとなっているから、炎など吐きまくるが、噛みつき攻撃に特化している魔物という訳だな。


 それでも魔法攻撃をいつまでも食らっていても大丈夫ともいえないだろし、一気に間を詰めて牙に注意しながら攻撃だな・・・。

 よし、さっ・・・戻ろう。」


「はいっ」

『パタパタパタッ』『シュパパシュパッシュパァーンッ』通路に出ると、またもや幾つもの飛行物が襲い掛かってくる。


「ううむ・・・レイッ・・すまないがまた頼む・・。」

「はーい・・・、煉獄(バーナウト)!」

『ボワッ・・・ドゴー・・・』通路を埋め突くばかりの火の玉が奥へと走っていく。


 どうやら落ちるとまた魔物たちは復活して襲い掛かってくる仕組みのようだ・・・、まあ、雑魚魔物だからどうという事はないのだが、うっとおしい。


「また頼むよ・・・。」

「はいはい・・・煉獄(バーナウト)!」

『ボワッ・・・ズッゴー』通路の突き当りの階段の登り口でレイが魔法を唱え、巨大火の玉が階段に沿って昇っていく。


「行くぞっ」

『ガチャッ』『ダダダダッ・・・』階段を折り返して昇った踊場からドアを開けると、一目散にまっすぐ前に駆け出す・・・案の定、光の矢印はまっすぐ前へと続いているようだ。


『シュッシュッシュッシュッシュッシュッ』『カンッカンッカンッカンッカンッカンッ』前方と左右を3人の盾で、雨のように降ってくる矢をガードしながら走っていく。


 最初のサークルには魔物はいなかった・・・流石にこのサークルでは、一度倒してしまえば復活はしないわけだ・・・、戦いが長引いて回復が必要になったら、わざとルートをはみ出して下に落ちて休憩することもありだな・・・。


「さっきはずいぶんと運がよかった・・・、あんなに簡単に倒せたのは本当にラッキーとしか言いようがない。

 3つの頭を持っていて、それぞれが炎と水と冷気を吐き出す・・・、それぞれが・・・レイの魔法ほどではないにしても、それなりに強力だ・・・。


 そうして最大の武器は・・・見て分かる通りあの大きな口での噛みつき攻撃だ・・・、恐らく俺たちでも大きなダメージを負ってしまうだろう。


 盾で矢を避けながらで悪いのだが、俺が突っ込んでいく時に左右それぞれの頭めがけて連続攻撃を仕掛けてくれ・・・、残る真ん中の頭は炎の魔法だから、何とか盾で防ぎながら突っ込んでいく。

 水流や冷気は・・・、動きが止まってしまうからちょっとまずいな・・・。」


 先ほどのようなラッキーを期待するほど楽天家ではない俺は、堅実な作戦を指示する。

 これが一番とは言わないが・・・、何も考えずに突っ込むよりはましだ。


「いいですよ・・・今日はなんだかすごく調子がいいようで、連射が効きますから援護できますよ。」

 源五郎は自信満々の笑顔を見せる・・・、ううむ・・・頼もしい。


『ダダダダダッ・・・・ダダッ』助走をつけると一気に大跳躍する・・・、『カンッカンッカンッ』跳躍しても矢は俺めがけて降りかかってくる・・・どうやら側方奥から上方へも山なりに発射しているようだ。

『ゴォーッ』さらに前方からは炎も加わってきた。


『バリバリバリバリッ・・・ヅッゴォーンッ』『シュシュシュシュシュシュシュ・・・ズゴズゴズゴズゴズゴズゴッ』魔物に接近するにつれ、左右の頭めがけて雷撃と矢の攻撃が開始された。


「おりゃあっ!」

『ゴォーッ』『シュッパァーンッシュパッシュパッ』落下スピードを乗せながら、思い切り真ん中の頭を一刀両断にする・・、そうして返す刀で左わき腹をえぐり、なおも切り返して右ももから突き上げた。


「ぐっきゅーんっ・・・」集中攻撃を食らった3つ頭魔物は息絶えて消滅した。

 やはり勢いのままに斬りかかっていく作戦が功を奏したようだ・・・、次もこの調子で・・・。


「次は左か・・・、横方向からの矢攻撃だな・・・。」

 どうやら矢は、この部屋の左右の壁方向からのみ発射されているようだ。

 そのため奥へと進んでいくときは、横方向から矢攻撃が来ると予想される。


 先ほどのように示されたルート幅いっぱいに矢攻撃が来るのも考え物だが・・・、この時は先頭の俺と後方のレイがそれぞれ盾を大きく広げて対処すれば何とかなった。

 横方向から矢が飛んでくる場合は、射幅が広い分盾で防ぎきれずに食らってしまうことが度々あるのが残念だ。


「どうせ多少は矢攻撃を受けてしまうのだから、ゆっくり進まずにダッシュで行こう・・・その方が受けるダメージは少なくて済むかもしれん。

 ただ・・・光の矢印を外れるわけにはいかないから、その動きには注意しながら進む・・・いいね!」


 魔物が撃っているにしても機械で撃っているにしても、発射できる間隔に限りはあるだろうから、一気に駆け抜けてしまおうという作戦だ・・・、まあこれも、当たっても大きなダメージではないのでできる作戦なのだが・・・。


「行くぞっ!」

『はいっ!』『ダダダダダダダッ』光で灯された狭いルートを、盾でガードしながら一気に駆け抜けていく。

 光の矢印は、こちらの進むスピードに合わせて動くようで、問題なさそうだ。


「どりゃあっ!」

 そうして俺が大跳躍し魔物の頭上から一気に斬りこむ・・・、といったことを繰り返して、ようやく向こう側の壁と扉が見えてきた・・・見たところ扉にはドアノブも付いているようだ。


「宝箱がありますね・・・。」

 源五郎が、ドア横においてある宝箱を開ける。


「弁当が入っていますね・・・しかも特上の松弁当・・・、ううむ・・・毒など入っていないですよね?」

 宝箱の中身は弁当が4つ入っていた・・・、ふうむ・・・冒険者4人分という事か・・・先の試練のダンジョンのことがあるので、支給品にも中央の奴らの意図が含まれている危険性はある。


「そんなことをしてしまったら・・、もはやロープレとは言えなくなってしまうと思うのだがな・・・クンクン。」

 念のために開けて臭いをかいでみる。


「酸っぱい臭いもしないし大丈夫だろう・・、食ってみるか・・・。

 とりあえず俺が食ってみるから、暫く経ってなんともないことが確認できた時点で、レイと源五郎が食べることにしよう。


 まずは・・・、全回復(ゼンカイ)全回復(ゼンカイ)!」


 宝箱の中身を疑いだしたら出現アイテムも使えなくなってしまうので、これだけは信じたい・・・が、念のために毒見役をかって出る。

 弁当を食べると体力だけではなく魔力も回復されるはずだから、その前にレイと源五郎の体力を俺の魔法で回復させておく。


「よしっ・・出発だ・・・。」

 どうせ弁当など食べようと箸を付けただけでなくなるのだが、流石特上松弁当・・・満腹感とともに力がみなぎってくるのが分かる。


『カチャッ』万全の準備をしてドアを開ける・・・おっと・・・。


「レイ、また頼む・・・。」

「ああ、そうか・・・煉獄(バーナウト)!」

『ボワッ・・・ドッゴォーッ』巨大な火の玉が階段をかけ昇っていく・・・と、『キキィー・・・』魔物たちの断末魔の悲鳴が響き渡ってきた・・・。


『コンコンコンコン・・・』魔物たちのいない階段を軽快に上がっていくと・・、何度か折り返して昇った先の踊り場にはまたもやドアが・・・。


「まだ上があるようだが・・・1階ずつ魔物を全滅させていく必要があるのだろう・・・、行くぞ。」

 階段はまだ上へと続いているのだが、クエスト内容はこの建物内の魔物の駆除であるから、端折るわけにはいかない・・・一体だけ倒して駆除したぞーと主張してもいいのだが、大人げないのでしない。


『カチャッ・・・ゴーンッ』ドアを開けて中へ入っていく・・・、やはりこの階もドアの内側にはドアノブがない。

『ゴロゴロゴロゴロッ・・・ドーンッドーンッ』『ゴロゴロゴロッ・・・ドーンッドーンッ』やはりここでも光の矢印でルートが示されているのだが、今度はそのルートめがけて雷が落ちてきているようだ。


「はぁ・・・矢の次は雷ですか・・・。」

 源五郎がため息をつく・・・ダンジョン自体が攻撃してくるのであれば、魔物なんかいらないのだ・・・。


「仕方がない・・・、ヨーレン川の時のように、ゴムの胴長を着用するとしよう。」

 すぐに冒険者の袋からゴム製の胴長を取り出して鎧の上から履く。


「あたしは・・・、ゴム長とゴムのエプロンと手袋だね・・・。」

 レイもゴム製品を冒険者の袋から取り出して装備する。


「でも・・・雷魚の時は川の中から雷撃が発生していましたから、下半身中心に防備すればよかったのでしょうが、今度は上から雷が落ちていますよ・・・、胴長とか長靴くらいじゃあ、防ぎようがないんじゃないですかね。」

 自分も袋から出したゴムの胴長を履きながら源五郎がつぶやく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ