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失格???

7 失格???

『ドゴォーンッ、バッゴォーンッ、ガッガァーンッ、バッギーンッ』するとツバサは炎の爪による攻撃をあきらめたのか、蹴り中心の攻撃に切り替えたようだ。


 魔物の頭に一撃、腹部に・・・2撃か?更に脇腹にも強烈な回し蹴りを加えたようで、魔物の体が衝撃で宙に浮かびあがる。

 一瞬遅れて鋭い衝撃音が伝わってきて、ミノ○ウロス風の魔物は星になった・・・と言うか遥か遠方へ飛ばされ姿が掻き消えた。


 続いてボクサーカンガルーへの攻撃開始・・・『バッガァーンッ、ボゴッ、ドッゴォーンッ、バッガーンッ』鋭く繰り出されるパンチをかいくぐりながら、がら空きになったボディにマシンガンのようなキックの連射が炸裂。

 だが惜しいっ・・・2撃目が甘かったのか、カンガルーはなんとかその場に踏みとどまる。


「とぅっ!」

 それでも敵がひるんだすきに、その頭を踏み台代わりにして跳躍し、今度はケル○ロス風の魔物の方に向かう。


『ガッガァーンッボガッ・・・』『ドッゴォーンッ、バッガァーンッボゴッ・・・』3つの頭をフル稼働して噛みつこうとしてくる隙を縫うようにして、顎や側頭部への攻撃を仕掛けるも、数撃に一度は鈍い音となり連続して会心の一撃を与え続けることは、なかなかできそうもない。


『ヅッガァーンッドッゴォーンッボッゴォーンッ、ボコッ』『ドッゴォーンッバッゴンッバッガンッボッゴォーンッ』それでも攻撃の手を止めずに仕掛け続け、犬の体の脇腹と背中、続いて下から腹部を突き上げるような蹴りが連射され、魔物の体は消滅した。


 凄まじいばかりの連続攻撃だ・・・その勢いを駆って魔物が居た足場から跳躍すると、最後に残ったカンガルーに向かう。


『シュッシュッシュッシュッ』『バッガァーンッボッゴォーンッ・・・』『ズッゴォーンッドッガァーンッ・・・』ボクサーカンガルーが繰り出す鋭いパンチをかいくぐりながら、左から右から体を入れ替え攻撃して行く。


『バッギィンッズッギュンッ、ドッゴォンッバッゴォンッ』左右の脇腹を攻めた後に強烈なボディブローが炸裂し、屈みこんだところを鋭いアッパー気味に蹴りが顎に入った・・・、ノックダウンしたカンガルーの体はその場で消滅した。


「とうっ!」

 すぐにツバサは大跳躍し、源五郎が居る足場に到達。


『シュッシュッシュッシュッシュッ』『ズッゴォーンッバギッ・・・』『シュッシュッシュッシュッ』『ヅッガァーンッ、ドッゴォーンッ・・・』源五郎が他の2匹に矢を連射して動きを封じている間に、ケル○ロス風の魔物に連続攻撃を仕掛ける。


『シュッシュッシュッシュッ』『ボッゴッ・・・』『シュッシュッシュッシュッ』『ドッガァーンッドッゴォーンッバッガァーンッボッゴォーンッ』何度目かの攻撃でうまく連続攻撃が決まり、魔物は消失。


『シュッシュッシュッシュッ』『ドッゴォーンッバッゴォーンッ・・・』『シュッシュッシュッ』『ドッゴォーンッガッガァーンッドッガァーンッ』更にボクサーカンガルーを撃破。


 1対1で戦えるので、うまく急所を狙った会心の一撃が炸裂するようになってきたようだ。

 攻撃の失敗する確率が減ってきたような気がする。


 続いて『シュパッシュパッドガッドゴッ』『ドッゴォーンッバッゴォーンボッゴォーンッ』ミノ○ウス風の魔物は3撃で粉砕・・・、これは源五郎の攻撃も加わっていたようだ。


「とうっ!」

 そうしてその隣のレイの居る足場へと跳躍した。


「神の裁き(ライデン)!神の裁き(ライデン)!神の裁き(ライデン)!」


『ドッガァーンッ、ドッガァーンッ、ドッゴォーンッ・・・バリバリバリバリッバリバリバリバリッバリバリバリバリッ』『シュッシュッシュッ・・・ドゴッドギュッバギィッ』『ドッガァーンッドッゴォーン』『バッギィーンッバッガァーンッ』耳をつんざくような衝撃音と眩い閃光の中、ツバサも華麗に舞いあがり、瞬く間にケル○ロス風とボクサーカンガルー2体を倒した。


 少ない攻撃で無敵の魔物を倒せたということは、レイの魔法効果も上乗せされているのだろう・・・。


「神の裁き(ライデン)!」

『ドッガァーンッ・・・バリバリバリバリッ』『シュッシュッ・・・ボッゴォーンッ』『ボッゴォーンッバッゴォーンッ』そうしてすぐにミノ○ウロス風魔物も簡単に打ち倒す。


 よく見ると遠間から源五郎の矢も攻撃に加わっている様子だ・・・、3者攻撃で威力も3倍増と言ったところだろう。

 更にツバサの攻撃も、会心の一撃を出せる確率が上がって来たように感じる。


「とうっ!」

『タッ』大跳躍してきたツバサが、俺の左肩を足場に更に高く舞いあがる。


『ゴワッ』『ガウッ』『ゴォッ』『シュッパァーンッ、シュッパァー』続けざまに牙をむいて襲い掛かってくるケル○ロス風魔物を袈裟懸けに斬りつけ更に返す刀で下から思い切り突き上げる。


「神の裁き(ライデン)!神の裁き(ライデン)!」

『ドッガァーンッガッガァーンッ・・・バリバリバリバリッ』『シュッシュッシュッ・・・ドッゴォンッドッガァンッ』『ドッガァーンッバッゴォーンッ』その間にツバサがミノ○ウロス風魔物とボクサーカンガルーを仕留める。


 やはり、レイと源五郎の遠距離からの攻撃も加わっている様だ。


『グゥオーンッ』『ガウッ』『ゴワッ』『シュッパァーンッ』『ボッゴォーンッバッギィーンバッゴォーンッ』最後は俺に遠慮したのか、レイたちの攻撃は加わらなかったが、俺がケル○ロス風魔物の脇腹を切り裂いた後、ツバサの連続攻撃が決まり、魔物は消滅した。


「ふうっ・・・、ようやく仕留めたな・・・。」


「とうっ!」

『タッ・・・タッ・・・タッ』ツバサが大跳躍して、元居た足場までレイと源五郎の足場を経由して戻って行った。

『ゴゴゴゴゴゴッ』そうして高くせり上がっていた足場が下がって行く。



「数ある冒険者の職種の中から拳士の道を究めんと欲するものよ。

 そなたの力のほどは見届けた。


 遥か高いレベルの相手に対しても冷静に対応し、有効な一撃を連続して加えることが可能となったのは、己が精進の結果と認める。


 依って特3種拳士合格と認め、ここに天空の拳士の盾を授ける。

 更なる高みを目指せ。」


 その言葉と共に、円形の円盤のような板がゆっくりと舞い降りてきた・・・拳士の盾なのだろう。

 やはり、ここでは冒険に役立つアイテムを頂けるという事なのだろう。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 でもあれ?・・・その後に何の言葉もない・・・、俺やレイに源五郎も一緒に戦ったというのに・・・ほかには何のコメントもないのか?そのまま武具だけ渡されるのか?


「どうされました?合格者にはその褒美を授けました。

 もうここには用がないはずです、速やかに立ち去りなさい。」

 すると天から予想外のコメントが・・・ちょっと待ってくれ・・・、合格者ってツバサ一人だけなのか?


「合格者には褒美を与えたって言われたが、俺たちは何ももらっていないぞ・・・。

 拳士の盾とやらを頂いたのはツバサ一人だけだ・・・。

 俺たちだって、あの無敵の魔物たちを倒したはずなんだが・・・どうして合格と認められなかったんだい?」


 まずは異議を申し立てておく。

 確たる理由もなくうやむやにされてしまうのは非常に悔しい。


「ああ・・・そなたたちですか・・・、よくぞ試練を乗り越えました・・・と褒め称えたいところですが、そなたたちはツバサの介助を必要としました。

 己ひとりの力だけで魔物の群れを倒したのはツバサただ一人です。


 その為そなたたちは失格とみなされます・・・、またの機会を期待しております。

 それまで精進に励みなさい、ではまた・・・。」


 そう言い残して、髪の長い美女の姿が段々と薄く消えかかって行く。

 ええっ・・・失格って言われても・・・そんなルール聞いちゃあいないぞ・・・。


「お待ちください・・・失格とおっしゃられましたが、我々に落ち度があったとは到底考えられません。

 そもそも、この試練場に入って来てからここまでに、何の説明も受けてはおりません。


 ただ一人、以前もこの場で試練を経験したことがあるツバサさんだけは、この場の意味を理解しておりましたが、そのツバサさんですら、一人ずつ試練を受けなければならないとは理解していませんでした。

 何の説明もなく各人の床がせり上がり、更に水平方向へも移動し、それぞれ離されてしまいました。


 それでも戦闘に至るまでに受けた注意は、リーダーが足を踏み外しかけた時に、落ちてしまったら失格というお言葉だけでした。

 落ちずに戦えと言われただけで、協力し合って戦ってはいけないなどと、言われた覚えはありません。


 ですから失格にされる理由はないと考えますが、いかがでしょうか?」

 すぐに源五郎がスケスケドレスの髪長美女を引き留める。


「なりません・・・そなたたち個々人の力を試すための試練故、わざわざ距離をおいて単独で戦うよう仕向けたのです。

 こちらの意を汲み戦ってこそであり・・・、そのルールを無視して戦った結果など、評価に値いたしません。」


 髪の長い美女はその姿を半消し位で留まり、再び天井にはっきりと映るようになったが、源五郎の意見はかたくなに拒否された。


「そちらの意を汲み・・・なんて言ったって、その説明さえなければ汲みようがないぞ。

 それぞれ距離を離されたからと言って、個別に戦うよう義務付けられたなどと言う解釈は成り立たないだろう。


 その距離を移動する跳躍力を試したのかもしれないじゃないか。

 現にツバサは、遥かにはなれた足場を伝って最終的には俺のところまでやって来た。

 十分にそちらの意を汲み、大跳躍をして見せたわけだ。


 更に源五郎やレイだって遠距離をものともせず、正確にそうして急所を狙った威力ある攻撃を、他のステージまでも放ってくれた。

 それこそ先ほどの試練の意義を感じたうえで、最高のパフォーマンスを見せたと言えるのじゃないか?


 そもそも、会心の一撃を4発以上連続して与えなければ倒せないような魔物が3体も群れをなして襲い掛かって来たら、どんな奴だって一人だけの力で倒すことは不可能なはずだ。

 それこそ火事場の馬鹿力のような死に瀕した時に出るような力でも発揮されない限りはな・・・、そんな状況に追い込まれて勝ったところで、ダメージが大きすぎて価値ある勝利とは言い難い。


 そんなものは修業とか試練とは言えないね・・・、ただのしごきかあるいは足止めするための障害でしかない。

 俺たちは課せられた試練を間違いなく乗り越えたはずだ・・・、悪いがちゃんとした評価をしてその結果を示してくれ・・・、それができないようであるならば、最早ここはロープレの世界であるとは言えなくなってしまうぞ。


 そうなるとまずいんじゃあないのか?この世界は消滅してしまうのじゃあないのか?」

 何の説明もないのが悪いのであって、俺達が悪い訳ではないのだ・・・。


「そうですよ・・・、僕たち個人個人で戦わなければいけなかったのであれば、最初からそのように説明されて、更に一人ずつ順に試練に立ち向かうよう案内されるべきです。

 そうされれば、僕たちは順番を決めて一人ずつ戦ったでしょう。


 ツバサさんの跳躍力や、僕やレイちゃんの遠距離からの攻撃力があったからとはいえ、それを利用できる環境を用意したそちら側の落ち度ということになりませんか?」

 更に源五郎が追い打ちをかける。


「おいおい・・・だから言っただろ・・・。きちんと戦い方を説明してから試練に向かわせろって・・・」


「馬鹿を言うな・・・、小学校じゃあるまいし、いちいちルール説明なんてしていたら試練の神格性が・・・」


「そんな事言ったって・・・、現にルール無視で戦われてクリアされてしまって・・・」


「ちょ・・・ちょっと止めてくれませんか?向こうに会話が筒抜けですよ・・。」


「あっ・・・と・・・」

 すると突然・・・楽屋裏のような男女の会話が・・・、なんだなんだ・・・・一体どうしたんだ?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「あっ・・・ええと・・・、失礼いたしました。

 仕方がありません・・・今回のみ特例として、そなたたちを合格と致しましょう。


 剣士は特3種剣士認定・・・、魔術者は特3種魔術者認定、射者は特3種射者に認定することにします。

 それぞれ、天空の盾及び天女の盾と天空の射者の盾を遣わす。

 今後とも修業に励むがよい・・・、では、さらばだ・・・。」


 そう言い残して髪の長い美女の姿が消え去るとともに、天からゆっくりとアイテムが舞い降りてきた。


「仕方がないって言い方はないだろう?」


「まあまあ・・・、何にしても合格と認められたようだから、いいじゃないですか・・・ちょっと腹は立ちますがね・・・。」

 ムカついて再度苦情を言いかけたが、源五郎に押しとどめられた。


「なんとか説得に成功したといえるから騒いでも仕方がないな・・・、だがちょっと様子がおかしかったな・・・どうやら、この世界をおかしくしている奴らが、俺達の試練の様子を監視していたという事のようだ。

 しかも・・・出来れば俺達が試練に失敗するよう期待していた様子が伺える。


 冒険を進める上でのサポートツールを授ける試練でさえも、油断できないということがこれでよく判ったな。

 だがまあ・・・これも仕方がない事なのかもしれない・・・、今回の冒険の成り立ちから言うとな・・・。

 まあいいさ・・・、向こうの気が変わらないうちに装備してしまおう。」


 すぐに鋼鉄の盾を冒険者の袋にしまい込んで天空の盾を装備する。

 源五郎も、装着式の盾を装備し直している様子だ。


 レイにも左手に小さめの盾を装備させてやる・・・、右手に炎の杖で左手に天女の盾を持たせることにした。

『カチャッ』ツバサも装着式の盾を左腕に装備した。


「この盾は、敵の攻撃に際して大きさを変えて防御してくれます。

 両手で剣などを持つときでも、腕に装着すればとっさの時に守ってくれるので大変重宝しますよ。」

 このアイテムを使用した経験があるのだろう・・・ツバサが、天空の盾について説明してくれる。



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